『ぼくらの7日間戦争』新規場面写真が公開。主人公の前に立ちはだかる大人たちを宮本充、関智一、中尾隆聖が熱演

劇場版

12月13日(金)より全国公開されるアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』の新規場面写真と、追加キャストが公開された。

潘めぐみさん演じる香織の父役に宮本充さん、主人公達が立てこもる廃工場に突入しようとする入国管理官役に関智一さん、権力を笠に着た大物政治家役に中尾隆聖さん。
数々の名キャラクターを演じてきた彼らが、その卓越した演技力を遺憾なく発揮し、酸いも甘いも噛み分けた大人として主人公達の前に立ちはだかる。

本作について村野佑太監督は、「今もずっと読まれている原作。長く読まれていることには意味があるのだから、その要素をすくい上げることに意義があると思いました。原作が多くの読者に支持されたのは、ちゃんとその時代の子ども達に訴えるものがあったから。原作をただなぞるのではなく、今の子ども達に向けて再構築するのが難しかった。」と、シリーズのスピリットを継承しつつ、現代の作品としてどう打ち出していくかを悩んだと語る。
そんな迷いの中で制作陣は実際の高校にインタビューに赴き、リアルな子ども達の声を聞くなど労を惜しまなかったという。

しかし監督は「今の子供たちって、大人に対して過度なストレスを感じているわけではないんです。わざわざ反抗しなくても、何不自由なくすごす為のツールが手元にある。興味があるのは自分とその人間関係ばかりで、そもそも大人にそこまで関心がない」と語り、原作にあるような《子どもVS悪い大人》という明確な構図を見つけ出すことは出来なかった。

だが、子ども達を教える教師との会話の中で思わぬヒントが見つかる。監督は「『本当に今の子たちは器用だし、なんでもある程度上手くこなすことは出来る。ただ、頑固さ、粘り強さに欠けている。大体のこと、言われたことはその通りに器用にこなせるけど、トラブルが合った時に対処できる子がいない』と先生方から伺いました。それを聞いた時、なるほどなと思いつつも、そう決めてかかる大人の鼻を明かしてやりたくなったんです。機会さえあれば今の子ども達にもきっと出来る。頑固な意志で大人に立ち向かう子ども達を描きたいと思いました。」と語り、現代の子ども達が立ち向かうべき大人の姿が先生達との会話から図らずも見出されていった。

さらに、学校でのインタビューやシナリオ会議を経て、子ども達の敵は大人だけで無く、相対する人間毎、扱うSNSやアカウント毎に異なる“自分自身”も敵として設定された。監督は今作の制作発表時に【原作の発表された時代ほど大人は物分かりの悪い人間ばかりではないし、生まれた時から当たり前にあるネット環境は大人に内緒で冒険することを容易くさせました。しかしどうやら、自分たちの自由な居場所を獲得しやすくなったと同時に、その居場所を守る為にはまた別の不自由さが生まれているみたいです。】とコメントを発表したが、正にこれこそが今“7日間戦争”を制作する理由であり、現代の子ども達が戦う理由だったといえる。

『ぼくらの7日間戦争』
■キャスト:北村匠海 芳根京子 / 宮沢りえ(特別出演)/潘めぐみ 鈴木達央 大塚剛央 道井悠 小市眞琴 櫻井孝宏
■原作:宗田理『ぼくらの七日間戦争』(角川つばさ文庫・角川文庫/KADOKAWA刊)
■監督:村野佑太
■脚本:大河内一楼
■制作:亜細亜堂
■配給:ギャガ KADOKAWA
■製作:ぼくらの7日間戦争製作委員会

ストーリー
いつもひとりで本ばかり読んでいる、鈴原守。片思いの相手は、お隣に住む幼馴染の千代野綾。しかし綾は、一週間後に議員である父親の都合で東京へ引っ越すことを迫られていた。「せめて、17歳の誕生日は、この街で迎えたかったな」。やり場のない綾の本音を聞き、守は思い切って告げる。「逃げましょう……っ!」。

綾の親友・山咲香織をはじめ、明るく人気者の緒形壮馬、ノリのいい阿久津紗希、秀才の本庄博人までもがこの逃避行に加わり、駆け落ちを夢見ていた守は拍子抜けするが、特別な夏の始まりには違いなかった。もはや観光施設にも使われていない古い石炭工場を秘密基地に、ただ7日間、大人から隠れるだけのバースデー・キャンプ。それは、少年たちの精一杯の反抗。だがその夜、工場に潜んでいたタイ人の子供・マレットと出会ったことで、事態は想像もしなかった方向へ向かう。不法滞在で入国管理局に捕らわれかけていた所を間一髪助けると、はぐれた家族を探しているのだと、守たちに打ち明けた――。

2日目の朝、今度は武装した入国管理局の職員が、マレットを連れ去りにハンマーを振りかぶり工場へ突入してきた。
守は、仲間たちの協力のもと、敵の撃退作戦を決行する!

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