『日本沈没2020 劇場編集版』上田麗奈、村中知、小野賢章、湯浅政明監督が舞台挨拶に登壇。作品から衝撃を受けたエピソードを披露

劇場版

11月13日(金)より全国公開中の『日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-』の舞台挨拶が開催。湯浅政明監督、上田麗奈さん、村中知さん、小野賢章さんが作品への想いを語った。

大きな拍手に迎えられた上田さんは「『日本沈没2020』が新しく生まれ変わって、皆さんに見て頂ける、この機会に立ち会えて本当に嬉しいです」と客席への感謝の気持ちを滲ませ、湯浅は「このタイトルのお話を頂いた時に“日本人であることについて今一度考え直してみたい”という想いを抱きました。今日は少しだけお付き合いください。」と呼びかけた。
湯浅監督は、先んじてNetflixで配信されていた本作を劇場編集版として公開することについて「音をもともと劇場に対応できる形で制作していたのと、より多くの方に観て頂きたいなという気持ちがあったので、劇場という形で公開できてとても嬉しいです。Netflix版はあえて混乱させる作りにしていたのですが、その中にはちゃんと真実があって。それを見つけて欲しい、自分で考えて欲しいなと思っていました。ただついていけない方も沢山見受けられたので、劇場版は少し分かりやすい作りなるように編集しています。」とその想いを語ります。

自身の演じたキャラクターについては、上田さんが「歩は本当に素直な子です。監督が以前“人間って本当は分かり辛い生き物だから”っておっしゃっていたんですが、すごくそれを彼女に感じて。共感しづらい部分も多かったと思うんですけど、それも本当に人間だからなのかなって。監督が描く歩がすごく生々しいんだろうなって感じました。なので、演じるのは大変で、試行錯誤でした(笑)」とその苦労を語った。
一方、小野さんは劇場編集版での印象的なシーンについて「劇場編集版になった時に、オープニングはどこに入るんだろう?とずっと気になっていたんですが、完成を観て、あのタイミングで入った時に”キツい・・・!”って思いました。衝撃的で、精神的なダメージを受けました。」と答えると、それを受けた湯浅監督が「劇場版では生な雰囲気を出すために音楽を結構抜いていて。オープニングは本格的に物語が始まるポイントに置いています。」と、編集意図を語るシーンも。
村中さんは、冒頭の歩のセリフ「4年後か。遠いな~」というセリフが、一見普通の発言であるように見えて決して「当たり前じゃない」と改めて強く感じたといい、キャスト陣もこれに深く共感した。

最後の挨拶では、上田さんが「私は歩の”ここにいる人がいればそれで生きていける”という言葉がすごく印象に残っていて。当たり前と思っていることが実は当たり前じゃないし、改めて身近にいる大切な人とか、気になっている人、大好きな人をもう一度見つめなおしたいなと思うきっかけになった。見たときの感情によって見方や答えが変わってくると思うので、ふとした時にこの作品を観て、生きていくための支え、気づきになれば嬉しいなって思いました。何度でも見返していただきたいです。」と語り、湯浅監督は「日頃見過ごしがちなものは、無くなった時に初めて気づく。そんな時に自分がどう動けるのか、最も大事なものについて考えられているのか、そんなことを考えてほしいなと思いながら作りました、今日は本当にありがとうございました。」と締め、大きな拍手で幕を閉じた。

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