『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』柿本広大監督の全話振り返りインタビュー前編。第7話のラストが生まれたのは「各々どんな感情が渦巻くか考えた結果」

TVアニメ

2023年6月から9月にかけて放送されたTVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』。「“現実(リアル)”と“仮想(キャラクター)”が同期する」をコンセプトにしたガールズバンド・MyGO!!!!!の物語は、毎週のように波乱が起こり、そのたびにファンの間で議論が巻き起こった。
そこで今回は、本作の監督を務めた柿本広大氏にインタビューを実施。前編となる本稿では、第1話から第7話まで、ポイントとなった部分を聞いた。

いきなり描かれるCRYCHICの解散シーン…不穏なスタートを切った理由は?

――本日はよろしくお願いします。今回は「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」の放送も終了したということで、監督ご自身に各話を振り返っていただければと。

よろしくお願いします。

――まず第1話ですけど、冒頭からいきなりCRYCHICの解散という、不穏なシーンからスタートしましたよね。

本作はこれまでのバンドリ!シリーズと比べて、人の暗い心情や葛藤、人間関係のもつれなど、シリアスな展開に踏み込んだ作品となっています。また物語として、CRYCHICの終わりがすべての始まりであることも示したかったので、「これから始まるのはこういう作品です」と視聴者に提示するために、この解散のシーンでドラマを始めました。
このシーンにはショパンの「雨だれ」のイメージがずっとあって、いざ嵌めてみたらシーンと曲のタイミングがばっちりマッチしたので、「あ、正解だったかも」と実感しました。

――そしてその後に、愛音というMyGO!!!!!の中でもひときわ明るいキャラクターが出てきて、そこで一旦は「いつもの『バンドリ!』」という雰囲気になりました。

愛音は自分だけでは踏み出せない過去を抱えたメンバーたちの中で、物語の牽引役というか、中心にいてほしい人物です。ただ、その牽引役というのも彼女の性格や現状から導かれた結果論で、彼女自身にも悩みがあるんですよね。
根っこから100%明るいだけの人って、多分いないと思っていて。個々人の中に必ず問題や悩みというのはあって、むしろそれが人物造詣を深くするんじゃないかなと思っています。

――だからこそ、転入前のエピソードも挟んだと。

愛音も中学時代は、もう少し優等生っぽく立ち回っていたと思うんですよね。だけどイギリス留学の挫折から転校するに至り、「上手くやらなきゃいけない」「失敗できない」という思いが強くあり、ことさらに親しみやすく、明るく振る舞っていると思っています。
この作品では基本的に一つの事象、出来事に対して、登場人物たちが2つ以上の感情を抱くだろうという想定で作っていました。「この状況で、このキャラクターが聞いたらどう捉えるだろう」「このキャラクターではどうだろう」みたいな、ネガティブに思うのかポジティブに思うのか、ひとりひとりの気持ちとその気持ちの動きを考えながら物語を作っていきました。

――第1話に限った話ではありませんが、アニメ全体を通して回想シーンが多めな気がしました。これはなにか考えがあったのですか?

その人の人となりを考えるとき、生まれ、環境、過去、現在の影響を無視することはできないと僕は考えていて。
現在の時間軸をテンポよく描きたい。でも、そのキャラクターの人となりが伝わらなければ、行動や思考の動機は伝わらない。
なので、その人物固有の思考やリアクションが映る時には、「なぜそうしたのか」「なぜそう思ったのか」がわかりやすいよう適宜過去シーンを挟んでいます。結果、過去シーンが占める割合が多少多くなっても、スムーズな心情理解の補助線になるなら躊躇せずに入れていきました。

――今までの『バンドリ!』シリーズだとボーカルのキャラクターが主人公として存在感を放っていましたけど、今回はボーカルの燈以外にもまんべんなくスポットライトが当たっている印象でした。

僕が関わったTVアニメ「BanG Dream! 2nd season」以降については、常に「群像劇」を意識していて。ボーカルが主人公というよりは、ドラマの流れによっては誰にでも輝く瞬間があって、誰でも主人公になりうるという思いがあり、今回もその路線は続けているつもりです。現実の世界でも誰が主人公ということはないですよね。誰の目線かによっても、主人公の存在は変わってくる。誰もがメインになれる状態で始まり、そのときスポットが当たった人が主人公だという考え方で作っていました。

――第2話だと、今度はそよにスポットライトが当たっている印象でした。特に優しい一面が全面に出ているなと。

そよは同年代でも年上に見られがちというか、「面倒見がいい」「優しい」というのが基本の性格としてありますので、視聴者の方にもまずそこをお伝えしたかったんです。ただ、彼女の持つ強烈な個性が隠し切れなかった話数になったと思います。
彼女のCRYCHICに対する思いの強さはキャラクターを作り上げる段階で決めていて、でもその強かさみたいなものは後の話数から徐々に出していこうと考えていて…少なくとも脚本段階では2話で出すつもりはありませんでした。だけど、やっぱり無条件に優しい人って怪しいんですよね。優しいからこそ影も見える、結果的にそんな演出になりました。

――第2話だとPoppin’Partyの沙綾がバイトをしている姿も印象に残りました。そもそも、過去のシリーズ作品のキャラクターをどうやって登場させるのか、バランスはどのように考えたのですか?

今回は舞台もかつてのCiRCLEと変わってRiNGという新しい場所となり、そこをどうやって『ガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)』の世界と接続するかはテーマのひとつでした。ゲームのスタッフとも話し合いをする中で、「香澄がバイトするとどうなるのか」とか「ライブハウスだったら前に『SPACE』を手伝ったことがあるので、自然に始められるかも」といった話になり、彼女をバイトとして少しだけ登場させることになりました。ただ、絶対誰かと一緒に働いてるだろうな…と思ったので、沙綾と一緒にバイトを始めています。沙綾は元々パン屋の手伝いをしていましたけど、弟と妹が大きくなり、お母さんの手伝いができるようになっているだろうと。それならば、沙綾の性格ならパン屋以外の仕事も経験してみたいと考えるかも。といった具合に、彼女たちは彼女たちの文脈の中で動いた結果として登場してもらいました。
無理やりMyGO!!!!!のメンバーと交わせるというより、シチュエーションのロケーションだけ決めて、そこで交わるなら交わればいいし、交わらないならそのままでいい、くらいの考え方です。

――確かに、そのほうが視聴者も想像が膨らみますよね。

ですね。我々もいろんな妄想をしながらの制作でした。例えば立希はMyGO!!!!!の作曲担当です。MyGO!!!!!がメロコア、パンク系なのは彼女の影響がとても大きいわけで、もともとロック系、パンク系の楽曲が好きなはず。だったらAfterglowの音楽は好きだろうな、とか。しかも中学時代から羽丘女子学園に通っているのだから、当然先輩の噂として聞いているだろうな、とか。こんな風に接点を見つけていくと、立希はAfterglowの大ファンだったという側面が現れるみたいな。
逆にハロハピなどは、いろんな可能性を考えた中で今回のMyGO!!!!!のドラマには接点が見つからなかったので、他バンドが出ているからといって無理に出番を作るようなことはしないという形になりました。

――MyGO!!!!!だと、他のメンバーに加えて楽奈もこのあたりでの登場でした。

キャラクター造形の段階で、楽奈は「ある条件で動く人」にしようと決めていました。気ままな野良猫で、自由人だけど、周りへの影響を気にせず突っ走る人、言い換えると自己中な人に興味を持つんです。楽奈がよくいう「おもしれー女」というのは、そんな人のことを指していました。自分勝手な振る舞いをした人をピーンと見ているんですよね。「なにか面白いことが起こりそうだな」と。自身があまり周囲の影響を受けない性格なだけに、強烈な個性で周囲を巻き込む人物に巻き込まれてみたいというか、自由奔放な彼女の興味の対象になるのはそんな人なんじゃないかと考えていました。

――燈に関しては第3話で、幼少期の回想シーンもありました。MyGO!!!!!の重要人物であることは間違いなく、過去から現在に至る過程をどのように描こうと考えましたか?

燈について描こうとしていたのは、まずは「パンクバンドのボーカル」ですね。まさにパンクを彼女で表現したかったといいますか、日常生活でいろんな人と折り合えない不器用さ、ディスコミュニケーションの具現化みたいな存在です。
その一方で、コミュニケーションが取れないからダメ、という話にはしたくなかったんです。コミュニケーションを取れないなりにどうやって彼女が努力してきたかを描きたくて、だからノートには言いたいことを書くし、時には行き過ぎちゃうこともある。
言葉でのコミュニケーションってルールが必要じゃないですか。同じ認識を相手も持っている前提だから話が通じる。彼女みたいに深いところまで見えてしまう人は、その深度で喋ってしまうので、普通の生活で生まれる会話の層に浮上できない。

――燈がパンクというのはすごく分かります。パンクロックは明るい人の音楽と思われがちだけど、実際は暗い一面を持っているんですよね。

そうなんですよね。シド・ヴィシャスの鬱屈とした感じとか、ベースも弾けないのにステージに立ってしまう感じとか。演奏の技術より先に衝動に突き動かされてステージに立ち、恥も外聞もなくありのままを曝け出す。ある種追い詰められた人の叫びみたいな音楽というイメージがありました。碌に音も出せないのにギターをもってステージに立った愛音の中学時代も、一種のパンクだったのかもしれませんけど(笑)。

――ちなみに、本作は第1話から第3話まで一挙に放送する形でしたが、あれはどういう意図があったのでしょう?

あれは後から聞いた話でビックリしました。僕が知ったのは制作発表会の3日前だったので、ほとんどファンの方と変わらないタイミングです。制作自体は順調に進んでいたので問題なかったのですが、「すごい仕掛けをするな」と(笑)

――ということは、第3話に盛り上がりをひとつ作ろうとは、一切考えていなかったと。

そうですね。とはいえ、MyGO!!!!!のメンバーを一通り見せられましたし、3話でCRYCHICの過去を見せられたのもよかったです。
3話は燈の視点のみで進む話数です。人でも物でも風景でも、人が何かを見るという行為にはその人のフィルターが絶対に入るじゃないですか。誰しも無意識に、自分が見たいように物事を見ている。序盤のうちに「燈のフィルター」を表現するのはとても大切なことだと考えていました。MyGO!!!!!というバンドはそのフィルターが一旦取り外されて、すべて曝け出した先にあるバンドというイメージなんです。

MyGO!!!!!の会話は、愛音を暴走させるところから

――4話からは毎週1話ずつの放送となり、このあたりからMyGO!!!!!のメンバーが5人で集まり練習する場面も多くなってきます。

4話で描かれるのはMyGO!!!!!の仮結成です。5人の会話シーンでは、とにかく愛音を暴走させるというか…メンバー中彼女が一番表情豊かで、怒ったり笑ったりが目まぐるしく、話にテンポが生まれるんですね。でもそのハイテンポの理由には彼女自身の焦りもあります。転入してきたばかりで、とにかくバンドをやっているという体裁を整えたい。燈とバンドをやりたいから、相手の都合にお構いなく早く話を纏めたいと思っていて、愛音にとってはそこがゴールなんです。その後どうするか、どうなるかは、そんなに気にしてない。
そんなわけで、CRYCHICのメンバーで話し合いをさせるけど、祥子を呼んでくるわけでなし、ただ今後の燈の障害になりそうな問題を排除しておきたいという目的もあります。
だけど愛音はやっぱり根が真面目で優しいんですよね。どうしても燈の過去や行動が気になってしまう。自分の目的を遂行したいんだけど、それがノイズになってしまって、結局優しい行動を取るし、それに対して立希がムッとする。

――立希の燈に対する思いも、MyGO!!!!!のメンバーといると分かりやすいですよね。

4話でいうと、立希と燈と愛音、この3人の関係性が大切だと思っています。
立希は、燈の危なっかしさに対する庇護欲と同時に、その才能に尊敬の念を抱いているので、立希と燈の関係性、立ち位置はそのときどきで入れ替わるんですね。だから燈とは自身を常に縛っている劣等感をあまり感じずに付き合うことが出来る。立希には燈が必要なんです。
そこに出てきたのが愛音です。立希からすると、愛音に心を許している燈を目の前で見ることになるわけです。立希はかつて祥子に感じていたように「愛音と比べて自分はどうなんだろう」「燈から見て愛音はどんな存在なんだろう」と無意識に比較してしまう。新参者である愛音に心を乱されるから、突っかかってしまうんですよね。

――第5話だと、楽奈がSPACEの元オーナー・詩船の孫であることも明らかになります。

この設定も本当に初期、キャラクターを作っているときから決まっていました。『バンドリ!』にはギターを弾く子はちょっと変わっているという文脈がありまして。たえに始まり、香澄やモカもその気があります。ロックも優等生ですけどギターを弾くと豹変しますし。楽奈もそんな”ギター変態”の1人として出そうという考えがありました。
また前に詩船がSPACEを辞めたあとに何をしているか話す機会があって、孫に夢中なんじゃないか…みたいな話になったんですね。それで「じゃあ、いつか孫を出そう」それなら「ギター変態の楽奈しかいない」という感じで決まっていきました。楽奈って、ネコみたいだし、おばあちゃんっ子っぽいですよね。よく使い込まれている楽奈のギターも、おばあちゃんからぶんどった、詩船の昔からの日常使い用のギターです。

――第5話のタイミングでは、一旦はMyGO!!!!!のメンバーが集まり、「迷子」というワードも出てきて、うまくいきそうな雰囲気もありました。このシーンではどんなことを考えていましたか?

ライブをするのかしないのかという問いを通して、メンバーそれぞれが抱える迷いの影や姿を照らす回でした。
燈をバンドに誘い、状況の牽引役となってきた愛音ですが、彼女は留学で初めての挫折を経験して目標を見失ってしまっていた。でもそんな風に、目指す方向性が見えないままでも足掻いていた愛音の行動力に、臆病で動き出せないでいた燈は勇気付けられるんですね。自分のためにも人のためにもまず動く。そんな愛音の姿を肯定し、象徴する言葉として燈が贈ったのが、「迷子」という言葉だったんです。

そよが考える「CRYCHICを壊したのは誰か」

――次は第6話ですが…個人的にはそよと睦の会話が印象的でした。そよの圧がとにかく強くて(笑)

圧強いですよね(笑)。そよ視点だと、CRYCHICが壊れた原因は何か、というのを考えざるを得ないんですよね。そうなると次はその犯人を探すことになる。
1話の冒頭で描かれるシーンの解散劇で、睦の言葉にそよは言葉を失ってしまうんです。そよからすれば睦があんなこといわなければ、自分が解散の危機を回避できたのに…くらいの感覚なんじゃないでしょうか。
睦もコミュニケーションが得意というわけではなく、いろんな巡り合わせで、その場にふさわしくないことを言ってしまう人なんです。有名人夫婦の娘で、物心つく前から自動的に周りの関心を引くような存在で、プライベートも針小棒大に伝わってしまう。コミュニケーションに臆病な側面も持ち合わせているんだと思います。

――あぁ…

そよは犯人探しをする中で、睦がCRYCHICにとどめを刺した犯人ということにしてしまいたいんです。CRYCHIC解散におけるそよのフィルターですよね。そして「あんたが壊したんだから、当然CRYCHIC復活に力を貸してくれるよね?」という理屈で睦を責められると思っている、というのがあの会話です。
普段のそよであれば人の責任を追及するというよりは「誰かを責めるなんてよくないよ」という意見の持ち主だと思うのですが、殊、CRYCHICに関しては許せない。犯人である睦に「代償を払え」「責任をとれ」と思っているんだと思います。

――キャラクターの関係性で言うと、この第6話で立希と海鈴、さらに初華が同じクラスであることも明らかになります。

これは企画途中の段階で『ガルパ』への登場が決まり、既存の学校にキャラクターを振り分けようとなってこのようになりました。
祥子に限っては、お嬢様高校から転落して、特待生制度のある羽丘女子学園に行くのは決まっていましたけど、それ以外のキャラクターはかなりランダム性が強く、むしろそれからのキャラクター同士の化学反応を期待して振り分けていった感じでした。
初華は当初、学校生活をそこまで出すつもりもなかったんですが、花咲川女子学園に所属したら立希と海鈴の3人で面白いことが起こるんじゃないか、であればいっそのことクラスも一緒にしてしまおうと。
結果的に海鈴が大きな存在感を放ったり、今後のストーリーに対する想像も膨らんだりと、面白い配置になったのかなと思います。

――そして第7話…。7話は作品全体を通しても重要なエピソードだと思いますが、構成としてはずっとライブハウスの中でしたよね。

まず視聴者の方々にMyGO!!!!!のライブのスタッフとか、なんならメンバーの1人としてそこにいるような感覚になってほしい気持ちがありました。もうひとつは、MyGO!!!!!のドキュメンタリーが撮りたかった思いもあります。みなさんにも「碧天伴走」のイントロを失敗している感覚になってほしかったんです(笑)。

――視聴者の視点だと、MyGO!!!!!の道のりも見ているわけで、確かに同じ緊張感を味わえた気がします。

愛音はこれが実質初ライブです。愛音は器用なのでなんでもそこそこできてしまうのですが、すぐに壁にぶつかってはやめてきた。そんな彼女にとってギターは初めてその壁を乗り越えるべく頑張っているものなのかもしれません。頑張ったからこそ過度に緊張してしまうし、おなかも痛くなるし何度もトイレに行ったりもします。
立希は真面目なのでなかなか開き直れなかったり、そよはこのライブに対してはまるで緊張感をもっていなかったり…まだMyGO!!!!!仮結成状態で、目的もバンドに求めるものもバラバラだから、テンションも行動も皆違う。
そんな様子を客観的に、ウソなしで全部映したかったので、ドキュメンタリー風や隠しカメラ風の演出にしました。これも3話と同じく先に演出要件を決めていて、定点カメラ+BGM無しという前提で脚本に入っていただいた話数です。

――ライブが終わったあと、ラストの引きは本当に強烈でした。7話のラストというのは最初から決めていたことなのですか?

それまでの積み重ねから導き出された感じです。「春日影」に対するCRYCHICのメンバーそれぞれの想いと、祥子がMyGO!!!!!の「春日影」を聞いてしまうというのは最初から決めていましたが、それをどこで出すか、どんな流れになるのかは7話時点までで積み上げてきたキャラクターたちの状況と心情ありきでした。たとえばライブ中のテンションも大きく関係していて、他のメンバーは必死に演奏しているから客席なんて見えないけど、そよはこのメンバーでのライブは一過性のものだと思って冷めている、むしろこのメンバーで本気でやってはいけないとまで思っていて、ぼんやり客席なんかみているから祥子の存在にも気づいてしまう。そして祥子に違うバンドで「春日影」を演奏する自分を見られたことで、CRYCHIC復活の夢も潰えてしまったという絶望と怒り。いろいろな状況と心情とが積み重なった上で、あのラストの場面に繋がりました。

――後編へ続く

後編を読む
©BanG Dream! Project