『黒の召喚士』原作者・迷井豆腐氏にインタビュー アニメ化でこだわったのは「兎にも角にもバトル描写」

TVアニメ

7月9日より放送がスタートするTVアニメ『黒の召喚士』。本作は「小説家になろう」から誕生し、現在はオーバーラップのレーベル「オーバーラップ文庫」より刊行中のライトノベルを原作としており、前世の記憶と引き換えに強力なスキルを獲得して異世界に転生した青年・ケルヴィンの成り上がり物語が描かれる。

今回は、原作小説を手掛けた迷井豆腐氏からコメントをいただいたので、その内容を紹介する。

平池監督は「ある意味で私以上に黒の召喚士を理解しているかも」

ーー原作小説を手掛けることになった経緯、着想があれば教えてください

最初の頃は所謂読み専でして、なろうのランキング作品を読みふけるばかりでした。それまでは殆ど小説は読んでこなかったのですが、ゲーム的な要素を多く取り込んだそれらの小説は、私にとってかなり読みやすいものだったんでしょうね。で、次第に自分も何か書いてみたいなぁと思うようになり、素人なりに活動を始めるようになりました。ともあれ初めてのことだったので、王道路線で書くことだけを決め、プロットも特に考えず、本当に気軽なライブ感だけで続けていったんです。そうしたら、何かの間違いでランキングに入るようになり、書籍化の打診を頂いて、あれよこれよと今に至るようになりまして……本当にどうしてこうなったのか。

ーー作品の魅力はどこにあると思いますか?

ずばり、主人公であるケルヴィンだと思います。主人公がバトルジャンキーという作品は意外と少ないようでして、その辺りが大きく差別化できたのかなと。コミカライズの方だと、特に笑顔が素敵ですしね(笑)。仲間達もケルヴィンに匹敵するくらいに強いので、バトルパートも結構長くなってしまいまして、その辺は少し申し訳ないなぁと。あ、でも日常を面白おかしく描くのも怠らないようにはしています。そのお陰で、バトル以上に日常で滅茶苦茶なことをする時もありますが……それも含めて楽しんで頂ければなと。

ーー物語を制作する上で楽しかったこと、あるいは苦労したことはありますか?

プロット、今でも全く考えずに書いているんですよね。なので今後どういった方向に物語が進んでいくのか、作者にも分かりません。マジで分かりません。そこが楽しくもあり、苦労するところでもあるのかも? いやまあ、ケルヴィン達の好きなように動いてもらっています。

ーー本作以外にも『黒鉄の魔法使い』『黒凪のダンジョンマスター』など、いずれも「黒」が作品名に入っています。作家として「黒」に対する思い入れ、こだわりなどはあるのでしょうか。

シンプルに私の作品をタイトルで分かりやすくする為ですね。あと、最近は長いタイトルの小説もかなり多いと思うのですが、逆に今は短い方がインパクトがあって、読者の方々にも覚えて頂けるのではないかなぁと。……まあ正直なところ、長すぎると私が覚えられないだけなんですが。記憶力が欲しいです。

ーー「黒の召喚士」のアニメ化が決定した際の心境を教えてください

嘘だぁ。

ーー本作を映像化するにあたって、原作者としてこだわったポイントはありますか? スタッフ・キャストなどに伝えたことがあれば教えてください

兎にも角にもバトル描写に力を入れてほしいとお願いしました。そこが作品の一番の肝だと思っているので。そして平池監督の作品に対する理解度が凄いです。ある意味で私以上に黒の召喚士を理解しているかもしれません。いやあ、頭が上がりませんよ。凄い。そしてそして、声優さんの熱演が凄いです。ボキャブラリーが悲しいことになっていますが、凄いとしか言えないんです。声優さんってすげぇ……!

ーーアニメ本編に期待していることがあれば教えてください

月並みの言葉ですが、アニメを期に作品に興味を持ってくださる方が増えてくれたら嬉しいなぁと。でもそれ以上に、ケルヴィン達がアニメとなって動くことが嬉しいです。でもでもそれ以上に、小説や漫画が重版してあわよくばフィギュア化とかしてくれたら尚更に嬉し――あ、いや、皆さんが黒の召喚士を楽しんでくれたら、それが一番ですね、ええ!

ーー作品のファンへ一言お願いします

それが一番ですよ、ええ!

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(C)迷井豆腐・オーバーラップ/黒の召喚士製作委員会