『英雄王、武を極めるため転生す』ラフィニア役・加隈亜衣さんにインタビュー 一歩引いたところから見守られる“孫味”を目指して

TVアニメ

2023年1月9日から放送がスタートするTVアニメ『英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~』。本作は、女神の加護を受け「神騎士」となり、巨大な王国を打ち立てた英雄王・イングリスが騎士の名家の「娘」に転生。王立騎士アカデミーへの入学を目指す異世界最強TS転生ファンタジーだ。

今回は、本作でラフィニア役を担当した加隈亜衣さんへのインタビューを紹介イングリスと行動をともにすることも多いラフィニアをどのように演じたのか。さまざまな質問をぶつけてみた。

ラフィニアは抱えている悩みも年相応の女の子

――本日はよろしくお願いします。まず、原作を読んでみての印象から教えてください。

転生といってもいろいろな種類がありますけど、その中で人生を一度全うして、そのご褒美としての転生は珍しい展開だと思いました。美少女でありながら中身はすごい人で、だけど同時に優しさも持っているので、見ていて清々しい主人公の作品だと感じました。

――転生がご褒美として扱われるって、たしかに珍しいですよね。

でも性別が変わるという、すごくハイレベルなオプションがついているのも面白いです(笑)。多分おじいさんだったころは、美少女になりたい願望はなかったと思いますし。そんなオプションですらプラスに捉えるのは、イングリスのすごいところでもありますね。

――では、ご自身が演じたラフィニアに対してはどんな印象を持ちましたか?

おじいさんの心も持っているイングリスが主人公として存在している中で、孫のような存在というのが読者としての第一印象でした。女の子が憧れるようなかわいらしさがあり、友達になってほしいキャラクターです。楽しいことも、悩みも一緒に共有してくれるのは魅力です。私自身も演じるときは、“孫み”を持とうと意識しました。

――“孫み”ですか。

いい子に成長してほしいなとは思いつつ、決して怒りはしない。一歩引いたところから見守るような存在が孫だと思うんです。単にかわいいだけでなく無邪気で、言葉の裏がない雰囲気を出せるように心がけました。イングリスの行動に対して、「喜んでくれてる」と思わせるキャラクターですね。

――キャラクターデザインに関してはいかがでしたか。

イングリスは他の人が持っていないものを持っている存在で、それはキャラクターデザインにも現れていると思うんです。きれいな銀髪も、プロポーションも。
一方のラフィニアは全部が真逆。黒くて短い髪で小柄で、目つきも違いますよね。お互いにまったく違うから、惹かれ合う部分もあるのかなと思います。

――イングリスが転生という特殊な設定を持っているぶん、ラフィニアは等身大の女の子で、いい対比になっていると感じました。

ラフィニアは抱えている悩みも年相応の女の子で、持っている力も秀でていることもないですしね。だけど、イングリスの力を見ても決して腐らず、あこがれを持ちながら友達でいられる素直さもあり、それが魅力だと思います。

――ラフィニアのようにご自身の年齢より幼いキャラクターを演じることも多いと思います。この場合、キャラクターの年齢感をどのように考えているのでしょう。

年齢感に絶対的な基準はなくて、キャラクターごとに変わってきます。私自身が感じたことはもちろん、視聴者の方がキャラクターをどう見るかを想像しながら演技を組み立てていきます。中学生のキャラクターであっても、大人びた演技が求められることだってありますし。
この作品の場合は「イングリスから見たラフィニアの印象」も意識しました。やっぱり、中身がおじいさんのイングリスよりもラフィニアのほうが幼い印象のはずですし、同じ年齢層であってもちょっと幼さが残るよう心がけました。

――ラフィニアには幼さがある一方で、0歳から描かれるので成長もしていくと思います。幼さと成長を両立させるのは難しかったのでは?

イングリスという存在のおかげで、バランスは考えやすかったです。イングリスは幼少期の経験もすべて二度目だし、どこか慣れている部分があります。しかしラフィニアはすべてが初体験で、10代になってからの戦闘だって、堂々としているイングリスと違ってラフィニアは恐怖を感じているんです。イングリスがこういう反応をするなら、ラフィニアはきっとこうだろう、みたいな、いい指針になってくれました。

――作中で会話することも多い、イングリス役の鬼頭明里さんの演技はいかがでしたか。
モノローグは感覚的におじいちゃん、重厚感のある喋りかたをしつつ、0歳の赤ちゃんから等身大の女の子と、1人でさまざまな役をこなしている凄さを感じます。かわいい声はもちろんかっこいい演技も魅力的で、特にモノローグの凄みは推しポイントです。

――最後に、本作で注目してもらいたいポイントがあれば改めて教えてください。

この世界でしか使われない用語や設定が多いので、作品ならではの展開を楽しんでもらえたらと思います。イングリスたちが問題に直面したとき、周りの仲間とともにどう立ち向かっていくのかは注目です。
日常のシーンでは等身大の女の子のやり取りがかわいくて、もちろんバトルシーンもあって、いろいろな要素がある作品です。すべてを余すところなく楽しんでください。

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