2020年7月より放送中のTVアニメ『ド級編隊エグゼロス』。きただりょうま氏が「ジャンプSQ.」にて連載中の同名コミックを原作としており、EROSをHネルギーに変えて、地球を襲うキセイ蟲と戦う5人の少年少女を描いている。

今回は『ド級編隊エグゼロス』のプロデューサーを務める神宮司学氏にインタビューを実施。本作をアニメするに至った経緯、こだわりのポイントなどを伺った。

――『ド級編隊エグゼロス』をアニメ化することになった経緯について教えてください。

新しい企画を考えていたとき、本屋に『ド級編隊エグゼロス』の第1巻が棚に並んでいたんです。一目見て、きただりょうま先生の描くキャラクターに惹かれ、手にとってみたのがきっかけでした。

――実際に読んでみての印象はいかがでしたか。

かなりお色気要素が強くて、印象も強かったです。もともと、かつてジャンプSQ.で連載していた『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』とかも大好きで、いつか自分としても、こういった作品をアニメ化してみたいと思っていたんです。その後ジャンプSQ.の編集者の方とミーティングする機会がありまして、そのときのプレゼンも大変熱いものがあり、アニメ化する運びになりました。

――第1巻のときからというと、かなり初期の段階から目をつけていたんですね。

そういうことになりますね。第1巻の、さらに初版でしたから。そういう意味でも、本当に念願のアニメ化でした。

――原作者のきただりょうま先生からは、アニメ化にあたってディレクションはありましたか？

ひとつだけ要望としていただいたのは、烈人と雲母の恋愛模様はアニメでもしっかり描いてほしいというものでした。そこは実際のアニメでも、しっかりと反映できていると思います。

――アニメ化が決まって、次はスタッフを揃える段階に入ったかと思います。その際はどんなところに注意しましたか？

まずはアニメーション制作のproject No.9さんに提案して、この作品であれば受けていただけることになりました。project No.9さんが手掛けてきた作品を見てみると、かわいい女の子が活躍する作品が上手い印象があり、こちらとしてもぜひお願いしたいと考えていました。

また、『エグゼロス』の作風を考えると、照れや恥ずかしがっている表現だけでなく、バトルやシリアスな一面、恋愛模様もしっかりと描けることを第一にスタッフを探しました。真面目なところはしっかり真面目に、メリハリの効いた作品にしたかったのです。

――原作にもあるお色気要素はアニメでもしっかり描かれていますが、光で隠すなどの表現はどのように調整していったのでしょう。

テレビのフォーマットで流す以上、そのままというわけにはいきません。事前に放送局の方にシナリオ・コンテを送ってチェックしてもらい、作品の方向性と、放送できるギリギリのラインを細かく調整しながらの制作でした。

――キャストの方々を決める上での方向性についてはどんな考えがあったのでしょうか。

僕個人というより制作スタッフ全員の考えになってきますが、若手の声優さんにお願いするより、プロフェッショナルとしてキャラクターを演じてくれる方にお願いしたいという思いは統一してありましたね。
特に松岡さんに関しては決め打ちというか、キャスティングのミーティングから「松岡さんしかいないよね」という意見が大半でした。抜群に演技が上手いですし、真面目であるときは真面目に、コメディであるときはコメディでいける振れ幅の大きさはピカイチです。
――松岡さんといえば、オープニングテーマにもBURNOUT SYNDROMESプロデュースのユニットとして参加していますよね。これはどういった経緯で誕生したのでしょうか。

実はBURNOUT SYNDROMESさんのほうから作品に寄り添っていただけて、松岡さんが参加するのもアーティストサイドからの提案でした。いろいろな提案がある中で松岡さんが烈人としてボーカル参加する案もあり、こちらとしても「絶対やりましょう！」くらいの勢いで決まっていきました。隠し玉感がかなり強い楽曲だったので、放送前は烈人が歌うことのみを告知して、実際の楽曲は第1話放送当日まで一切公開しない発表の仕方を取りました。

――一方、加隈亜衣さん演じる雲母が歌うエンディングテーマはいかがですか。オープニング楽曲とは違った魅力があると思います。

エンディングに関しては雲母の心情を表す楽曲にしたいというオーダーを出して、その考えを、劇伴を担当している吟さんに落とし込んでもらいました。エンディングということもあって決して派手すぎることもなく、いい着地点に落ち着いたかなと思います。

――放送開始からしばらく経ちますが、ファンからの反響はいかがですか。

僕らが楽しんで作っている部分がファンの方々にも伝わっている手応えはあります。「ここに注目してもらいたいな」「こんな盛り上がり方をしてくれたら嬉しいな」と思っていたことがビシッとハマっていて、こちらとしても非常に嬉しい気持ちです。

――原作を知らない人、これから見る人には、どんなポイントに注目してもらいたいですか？

エロの部分がフィーチャーされがちではありますが、作品のコンセプトとしては、それを抜いたとしても面白いと言ってもらえるものを作っています。烈人と雲母の恋愛であったり、ヒーロー物のストーリーであったり、魅力は随所にあるので、まずは食わず嫌いせずに見てもらいたいです。
全話を通してみたときに、ストーリーの軸がしっかり存在することも分かってもらえるはずです。「ただエロければいいでしょ」という気持ちでは一切作っていません。

――それでは、今後の展開に向けてコメントをお願いします。

新キャラクターも登場して、ますます盛り上がってきているタイミングかと思います。ストーリーはもちろん、烈人と雲母の恋愛模様、そしてエロ的な意味でも攻めた演出がたくさんあります。
また、サイタマ支部だけでなくトーキョー支部のメンバーについてもバトルとエロ、両方に注目してもらいたいです。

「ド級編隊エグゼロス」

◆放送情報
TVアニメ7.3(金)より放送開始！ TOKYO MX、BS11、AT-Xほかにて

TOKYO MX 7月3日より 毎週金曜 24:00～
BS11 7月3日より 毎週金曜 24:00～
群馬テレビ 7月3日より 毎週金曜 24:00～
とちぎテレビ 7月3日より 毎週金曜 24:00～
MBS 7月4日より 毎週土曜 27:38～
テレビ愛知 7月6日より 毎週月曜 27:05～
AT-X 7月3日より 毎週金曜 24:00～
※リピート放送 毎週（日）23:30／毎週（月）16:00／毎週（木）8:00

◆スタッフ
原作：きただりょうま (集英社「ジャンプSQ.」連載)
監督・シリーズ構成：神保昌登
キャラクターデザイン：山本亮友
プロップデザイン：廣冨麻由
服装デザイン：山本月穂
キセイ蟲デザイン：渡辺 奏
美術監督：益田健太
美術設定：平良亜似子
色彩設計：鈴木ようこ
ＣＧラインディレクター：濱村敏郎
撮影監督：葉山大輝
編集：近藤勇二
音響監督：土屋雅紀
音響制作：スタジオマウス
音楽：吟(BUSTED ROSE)
アニメーション制作：project No.9

◆キャスト
炎城烈人：松岡禎丞
星乃雲母：加隈亜衣
桃園百花：矢作紗友里
天空寺宙：桑原由気
白雪舞姫：茅野愛衣
庵野丈：三木眞一郎
チャチャ：大森日雅
ルンバ：岸尾だいすけ
ナレーション：小山力也

◆STORY
謎の侵略者・キセイ蟲によってかつてない危機に瀕している地球。
キセイ蟲は人々のエロスの源“ H(エ)ネルギー”を吸い取り人間の生きる活力を奪おうとしている。
そんなキセイ蟲から地球を救うべく、高校生・炎城烈人は地球を守るヒーロー集団「エグゼロス」の一員として、キセイ蟲退治をすることに-

◆OP情報
概要テキスト：BURNOUT SYNDROMESがプロデュース!? この作品の為だけに作られたスペシャルユニット
グループ名：　HXEROS SYNDROMES (エグゼロスシンドロームズ)
曲名：　「Wake Up H×ERO! feat.炎城烈人(CV:松岡禎丞)」

◆ED情報
曲名：「Lost emotion」
歌：星乃雲母 CV:加隈亜衣
発売日：8月19日(水)