『映像研には手を出すな!』ニューヨーク「Anime NYC」でトークパネルを開催。湯浅政明監督の5年ぶりのTVアニメに300人を超えるファン

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現地時間の11月15日~17日の3日間、アメリカ・ニューヨークにて東海岸最大級のアニメコンベンションAnime NYCが行われた。50,000人以上の現地アニメファンが集うとされるイベントに、TVアニメ「映像研には手を出すな!」の制作プロデューサーであるチェ・ウニョンが招待され、プレミアスクリーニングとトークパネルが実施された。

サイエンスSARUの最新作であり、国内外でもファンの多い湯浅政明監督の5年ぶりのTVアニメシリーズである「映像研には手を出すな!」を一足先に見ようと、Anime NYCの熱心な参加者が列をなした。会場には300人を超えるファンが集まり、待ちきれない興奮と共にパネルがスタートした。

イントロダクションとして既に公開されているPVが流された後、原作やキャラクター、先日発表になったばかりの声優陣の紹介が行われた。そしてスタッフの紹介に引き続き、「映像研」のプロデューサーのチェ・ウニョン氏(サイエンスSARU)が大きな拍手を受け登壇。まず自己紹介を行った。大学で美術と彫刻を学んだ後、来日。その後ロンドンに渡りアニメーションを学んだ後、再び日本に戻りアニメ業界に入ったという異色の経歴を披露すると、会場からは感嘆の声が上がった。

続いて、「映像研」の企画がどのようにして立ち上がったという質問を受け、「社内の企画会議でこの作品が候補として挙がった時、湯浅監督が『この作品知ってる』と言ったんです。彼は非常に忙しく、新しい漫画をチェックしている時間がないと思っていたので、それを聞いてとても驚きました。どうして知っているのかと尋ねると、『Twitterをみていたら、僕に監督してほしいと投稿があったから読んでみた』と話していました。」このほほえましいエピソードに会場は爆笑に包まれ、「彼に作ってほしい作品があればネットに投稿すれば良いかもしれませんね!(笑)」とウニョン氏がコメントした。

また、今回は特別に「映像研」に登場する飛行ポットの設定が公開された。原作漫画のコマとアニメの設定の両方が披露され、その違いについてウニョン氏は「アニメの設定は必ずしも原作と同じではありません。もちろん忠実に再現していますが、アニメーションは動くものなので、”実際にこのボットは飛ぶんだ“と観客に思ってもらうことが必要ですよね。そのための論理やメカニズムが必要になりますし、それに伴って追加する要素も出てくるんです。」と解説した。また、「まず最初に漫画を読んで、それからメカデザイナーと湯浅監督でディスカッションを行います。監督は入念にリサーチをするタイプで、実際の映像や様々なものを見て研究します。そうしてアイデアを出すんですね。一方で非常にオープンな人でもあるので、メカデザイナーの意見も柔軟に受け入れます。こうして、リアルに見えるメカを作り上げています。」と湯浅監督の仕事や制作プロセスについても披露した。

作品紹介がひと段落したところで、スペシャルコンテンツとして原作者の大童澄瞳氏のビデオコメントが上映された。Anime NYCへの参加者へのスペシャルコメントに観客は大いに沸き、「映像研、是非見てくださいね!バイバイ!!」というおちゃめな締めくくりには笑いが起こっていた。

アニメーションへの期待が最高潮になったところで、「映像研には手を出すな!」第1話のAnime NYC版の上映が大きな拍手と共に始まった。10分ほどの上映であったものの、会場からは笑いが起こり、皆がワールドプレミア上映を大いに楽しんでいた。上映後、作品についてウニョン氏が「足音をSEではなく声優の声であてるアイデアは、湯浅監督のものなんです。最初は驚いてみんな反対したのですが、出来上がってみると素晴らしいものでした。(湯浅監督は)アイデアマンですね!」と上映されたエピソードの裏話を披露すると拍手が起こり、続きが楽しみという声が多く聞かれた。

最後に、ウニョン氏は集まったファンに「今日はお越し頂きありがとうございました。第1話の放送をぜひ楽しみにしていて下さいね!また我々サイエンスSARUは他にも『SUPER SHIRO』や『日本沈没2020』『犬王』など様々な作品を準備しています。これほど色々な作品を制作できるのも、今日お越しいただいた皆様のサポートのおかげです。どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」と感謝を述べると、会場は大きな拍手と歓声に包まれパネルは幕を下ろした。

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