舞台『血界戦線 Beat Goes On』本日開幕! オフィシャルゲネプロリポート&キャストコメントが到着

舞台

11月20日、舞台『血界戦線 Beat Goes On』が天王洲 銀河劇場にて開幕。今回は初日公演前におこなわれたゲネプロの様子、およびキャストコメントが到着した。

キャストコメント

◆レオナルド・ウォッチ役:百瀬朔
こういった状況の中で舞台に立てること自体が、奇跡だと思います。そういった中で観ていただけるみなさんには感謝、そしてヘルサレムズ・ロットを思う存分たのしんでいただきたいと思います。
自分のキャラクターの見どころは、みんなに振り回され続けるところです。ライブラのメンバーはもちろん、他のキャラクターに優しいレオは、振り回され続ける。僕自身もレオのそんなところが大好きです。

◆クラウス・V ・ラインヘルツ役:岩永洋昭
このような御時世、少しでも皆様に元気と笑顔を届けられる様、スタッフ&キャスト力を合わせ、推して参ります。
前回とは違い、キャラ崩壊ギリギリのギャグ担当を担っております。

◆ザップ・レンフロ役:猪野広樹
人前でお芝居をさせてもらえるありがたさを痛感。しっかりとやり切ります……。
配信でご覧になられる方も細かいところまでぜひご覧ください。
今作も暴れ散らかしてますが、何より殺陣とアクションが盛りだくさんなのでお楽しみに。

◆スティーブン・A ・スターフェイズ役:久保田秀敏
現在も安心して観劇できるような情勢ではありませんが、そのような状況下にもかかわらず、こうやって少しでも演劇に携われていることを本当に幸せに思います。ご覧になる皆様には、限られた時間ではありますが何も考えず存分に楽しんでいただけたらと思います。
今作は、前作以上に個々のキャラクターが色濃く描かれています。スティーブンも、これまた前作以上に“はしゃぎ過ぎている”かもしれません。果たしてどういう意味なのか。それは観てからのお楽しみ。

◆チェイン・皇役:長尾寧音
今回の舞台『血界戦線』は、いろんな形で観劇できるので、お時間ある方はぜひたくさん見てくれると嬉しいです! この作品が1人でも多くの方に届きますように。精一杯頑張ります! よろしくお願いします。
チェインは前作よりも走っていて、戦ってます! もしかしたら、ライブラの中で1番を狙えるくらい走っているかもしれない……! 見失わないように目で追っかけてくれたら嬉しいです♪

◆ツェッド・オブライエン役:伊藤澄也
ありがたいことに、前作に引き続きツェッド・オブライエン役を演じさせていただきます。第二弾ということで更にパワーアップしたライブラの活動記録、ヘルサレムズ・ロットの空気を体感して下さい!
今作ではツェッドがメインである「鰓呼吸ブルース」が描かれます。ツェッドの唯一無二の存在であるが故の孤独などを、とても美しく表現したシーンを作っていただきました。是非、楽しみにしていただければと思います。

◆K・ K役:安藤彩華
今作のサブタイトルである“Beat Goes On”の通り、日々続いているライブラの活動を、このヘルサレムズ・ロットで思いっきり体感してください!
K・ Kの注目ポイントは「王様のレストランの王様」ですかね。素敵な衣裳をいただきましたので、戦闘時とはまた違うお茶目なK・ Kさんをお見せできたらと思います。

◆ギルベルト・F ・アルトシュタイン役:萩野崇
西田大輔さんをはじめ才能と情熱溢れるスタッフさんの本当に沢山のアイデアや工夫があり、舞台『血界戦線』の世界観が創られております。この様な方々とご一緒出来る自分を褒めてあげたいと思っております。原作の不思議な魅力満載のヘルサレムズ・ロットが、舞台作品として出現していることを感じて楽しんで頂けたら幸せです。
ギルベルトの見せ場はやはり、「とある執事の電撃作戦」でのぎっくり腰でしょうか…なんつって(笑)

◆堕落王フェムト役:山本一慶
堕落王フェムトとして、舞台『血界戦線』の2作品目に参加できること嬉しく思います。既にすごく息の合ったメンバーの中に、フェムトとして刺激を与えられるよう舞台上で生きたいと思います。皆さん楽しんで下さい!
フェムト初登場なので全部が見せ場ですが、「王様のレストランの王様」のエピソードでは、ふざけてるような姿から真剣な姿など、いろんなフェムトが見られると思います!

オフィシャルゲネプロリポート

舞台はバンドの生演奏で始まる。
モノトーンで統一されたセット、中央には盆回りの舞台装置。その一段後方の左右がバンドメンバーの定位置である。ドラム(KEN‘ICHI)、ピアノ(安島萌)、ウッドベース(玉木勝)、サックス(丹澤誠二)がメロディーを奏で、そこに今作から新たに加わったヴァイオリン(ソンイル)の音色が重なった。

その間にひとり現れたのが、本作の主人公であるレオナルド・ウォッチ(百瀬朔)、通称・レオ。
レオが、この世界の説明……異界と人界とが交差して一晩で変わり果てた、かつてニューヨークと言われた街「ヘルサレムズ・ロット」の成り立ちを語り終え、笑顔で「ハロー、ミシェーラ」と離れて暮らす妹・ミシェーラに呼び掛けると、それがオープニング・スタートの合図となる。

レオがカメラを構え、シャッターを切る音に合わせてキャラクターたちが次々に登場。バンド演奏に乗って、異界のものたちが軽やかにステップを踏む。にぎやかでスタイリッシュ、胸が高まるオープニングだ。

第一幕の序盤は、初演の際にはスピーディーに展開した「魔封街結社」のエピソードを丁寧に綴っていく。
世界の均衡を守るために活動する「秘密結社ライブラ」と、人間違いをキッカケに接触したレオは、リーダーのクラウス・V ・ラインヘルツ(岩永洋昭)やザップ・レンフロ(猪野広樹)、チェイン・皇(長尾寧音)と出逢い、自身の過去を打ち明ける。

半年前に異界のものと遭遇したレオは、計り知れない能力を持つ「神々の義眼」を与えられた。だが、それは同じ場に居合わせた妹・ミシェーラが自ら視力を差し出したことと引き換えだった。
その後悔に苛まれていたレオだったが、クラウスたちと出逢った直後に起こった魔神による無差別襲撃事件を彼らと共に解決したことで、その一員として迎え入れられることになる……。

バトルシーンはキャストたちの身体能力はもちろん、スモークや轟音、照明がさらにその場を盛り上げ迫力満点。リボンや蛍光テープなど、趣向を凝らした演出も視覚を惹き付ける。シンプルに見えてギミック的なサプライズのある舞台装置も楽しい。“何が起こるか分からない”街、「ヘルサレムズ・ロット」の住人として彼らの活動を目の当たりにしている気分だ。

映像の使い方もバラエティ豊か。ステージを駆け回るキャラクターたちとの融合によって、単純な「背景」以上の効果を見せている。魔神を始め、登場する異界のものたちの造形も素晴らしい。
『血界戦線』の世界を舞台に立ち上げるのだ! というこだわりが各所から感じ取れると同時に、前作以上のものを届けようという気概も伝わってくる。

初演からパワーアップしたのは、キャスト陣も同様。

「魔封街結社」では、クラウスの力強さに説得力を与える岩永の風格や、ザップの騒がしさに愛嬌を滲ませる猪野の巧みさが際立っていた。長尾演じるチェインのキュートさと小生意気感もアップしている。

続く「王様のレストランの王様」のエピソードでは、最高級のレストランを訪れた「ライブラ」メンバーたちの新たな一面が見どころとなるが、特に久保田秀敏が演じるスティーブン・A ・スターフェイズの様子は必見。安藤彩華が演じるK・ Kと共に、スマートなビジュアルとのギャップがすごい。
テーブルに座って食事するという本来は静かなシーンが、巧みな演出とふんだんな遊び心によってとびきり楽しいシーンに仕上がっている。

今作で初登場となった堕落王フェムトは、人智を超えた能力を持つ稀代の怪人。演じる山本一慶は、退屈しのぎに何をしでかすか分からないフェムトの不気味さと、親近感にも似た不思議な憎みきれなさを見事に表現。ただの理解不能なキャラクターではなく、芝居をもって見応えのある場面を作り上げていた。

ギルベルト・F ・アルトシュタイン役の萩野崇が、物静かな佇まいと底知れぬ怖ろしさでドラマを見せる「とある執事の電撃作戦(ブリッツクリーグ)」、ツェッド・オブライエン役の伊藤澄也が細やかな仕草で情緒を伝える「鰓呼吸ブルース」など、どのエピソードにも『血界戦線』特有の格好良さと楽しさが詰め込まれている。

これらのエピソードをまとめている、レオ役・百瀬朔のバランス感覚の良さも特筆すべき点。一見すると凡人のレオだが、実は「神々の義眼」と合わせて強い信念も備えている。その内に秘めた熱さとフラットなスタンスを両立させ、個性豊かなキャラクターや物語の間を取り持つ役割をしっかりとこなす、彼の能力の高さにあらためて驚かされた。

原作ファンにも人気のエピソード「Don‘t forget to don’t forget me」や「ザップ・レンフロ 因果応報中!!」、「ライツ、カメラ、アクション!」も描かれ、盛りだくさんの第二弾。

劇場及び配信で、ぜひ多くの方に「ヘルサレムズ・ロット」の“超常日常”を満喫してもらいたい。

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©内藤泰弘/集英社 ©舞台『血界戦線』製作委員会