「あのシーンはつらいな」と―『がっこうぐらし』小澤亜李、茅野愛衣、加藤英美里の第10話「あめのひ」アフレコ終了後インタビューが公開

TVアニメ『がっこうぐらし』より、第10話「あめのひ」アフレコ終了後のインタビューが到着した。今回のインタビューには、くるみ役・小澤亜李さん、めぐねえ役・茅野愛衣さん、太郎丸役・加藤英美里さんが登場。ついに姿を見せためぐねえや、太郎丸に対する思いがたっぷりと語られている。

――第10話では、ついに《かれら》化しためぐねえが姿を見せましたね。

茅野:はい、そうですね……。「あ゛~」ってやりました(笑)。

小澤:姿はアレでも、声は茅野さんっていう(笑)。

茅野:いつ《かれら》化しためぐねえの声をやるのかと思っていたんですけど、今回でしたね。ついに来てしまいました。

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――実際に演じてみて、いかがでしたか?

茅野:うーん、どこまでめぐねえを残すかは、すごく悩みましたね。ただ本番では、くるみちゃんの声を聞きながら「こんな感じかな」と、自然に出た感じでやらせていただきました。思った以上に怖そうな感じになって、よかったです(笑)。

小澤:特にAパートの最後が怖かったです(笑)。

――くるみたちにとってもつらい展開になりましたが、演じてみていかがでしたか?

小澤:台本を読んだときから「つらいな」と思っていたんですが、実際に映像を観ているとどんどん……。ひとりで練習していたときよりも悲しい気持ちになりましたね。思わずため息をついてしまったり。

加藤:現場でもみんな、ため息をついてましたよね。

小澤:前半、後半と順番に収録が進んで、終わったあとに「はぁ、やだなぁ……」って。いのりちゃんは、前半のテストが終わったところで「帰りたい」って言ってましたし(笑)。

加藤:今までにない空気感だったよね。

茅野:そうそう。みんな、その場にいるのがつらくなって、帰りたくなってた(笑)。

小澤:当然、台本を読んでいるので、後の展開はわかっているんですけど、でもやっぱり「あのシーン(※めぐねえと対峙する場面)はつらいな」と。自分の友だちだったり、大好きな人に手をかけるというのはつらいですよね。今まではクラスメイトと対峙したときでも、こう、画面にモヤがかかったような状態でしたけど、めぐねえのときは、どうしてもモヤをかけられなかったんだろうな、って。

茅野:以前、先輩の話があったじゃないですか。あれでもう、かなりしんどくなってて、そのうえで大切な人を手にかけなければいけない。くるみちゃんの気持ちを考えただけでつらいし、助けてあげたくなるんですけど、でも私はめぐねえを演じているので、彼女を襲わないといけないという。

加藤・小澤:あはは(笑)。

茅野:もう、心がメチャクチャ(笑)。たぶん、めぐねえもツラかったんじゃないかなと思うんですよ。意識はないんですけど、大好きだった子たちを襲わなきゃいけないというのは、かなり精神的に来てるんじゃないかと思いました。

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――しかも、めぐねえはまだ少し、昔の記憶が残っているような描写もありました。

茅野:そうですね、あの日記のところがもう……。

加藤:みんなの名前を……。

茅野:あそこもつらかったですね。しかも血がシャッと飛び散って。

小澤:くるみの血が。

茅野:「やめて~!」っていう。

小澤:太郎丸も、血が涙のように流れているカットがあって。「やだよ、やだよ」って思ってるのかなって。なんだか可哀想な気持ちになりました。

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――そういえば、加藤さんも今回、《かれら》の役をやられているんですね。

加藤:そうなんです。《かれら》の犬バージョンをやらせていただきました。

小澤・茅野:あはは(笑)。

加藤:でも収録していると、今まで仲良くしてもらっていた思い出が蘇ってきちゃいましたね。家でビデオをチェックしているときにも、泣いてしまいましたし……。なかでもやっぱり、美紀。もちろんみんなに対する思い入れも強いんですけど、特に――最初は仲がよくなかった美紀に対する思い入れが強くて。Bパートで、「太郎丸を助けられなかった」と聞いたときの美紀の反応と、そのあとに映る太郎丸のエサ入れのカット。あれを観て泣いたときの美紀の姿はやっぱり……。

茅野:みんな、食器にイラストというか似顔絵が描いてあるじゃないですか。太郎丸のエサ入れにもちゃんと「太郎丸」って名前が書かれてて、「あああ……」という。

加藤:愛情がどこにも行けずに取り残されている、みたいな。すごく切ない気持ちになりました。

茅野:ぽつんと置かれているのが、なお一層切なくて。犬を飼ってる人だったら、号泣しちゃうかもしれない。

小澤:私もビデオチェックの途中で一旦止めて、家で飼ってる犬を触りにいきました(笑)。「ああ―! きみは生きてるね!」って。

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――茅野さんはどのシーンが印象的でしたか?

茅野:今回、回想シーンで髪を切る場面があったんですが、「ああ、ここだったんだ」と。たぶんみなさんのなかには、めぐねえの髪が短くなったり、長くなっていたり、気になっていた方もいたと思うんです。で、「なるほど、時系列的にはこのタイミングなのか」と思っていただけたんじゃないかな、と。

小澤:今までの伏線がここで繋がる。

茅野:そうそう。ゾッとしたり、いろんな思いを抱いてもらえたかな、と思います。

小澤:きっと第3話を観直すことになりますね(笑)。

――もうひとつ、第10話を観ていて、物語のカギを握ることになるのはやはり、ゆきかなとも思いました。みなさんから見て、彼女の姿をどのように受け止められていますか?

小澤:ゆきはやっぱり、すごく友だち想いで。くるみに対してもそうでしたけど、ちゃんと動ける子なんですよね。

加藤:「いざというときには助けてくれる」と、くるみも前に言ってましたしね。きっと本能的に「みんなが困っているなら、わたしがなんとかしなきゃ」と行動したんだろうな、と。

茅野:あの真っ直ぐさはどこからくるんだろう? 今日、みんなで話してたんですけど、きっと『がっこうぐらし!』は、ゆきちゃんがいないと成り立たないんですよ。もしゆきちゃんがいない状態で、くるみちゃんが《かれら》化してしまったら、残されたりーさんが彼女を手にかけて、みーくんはそれを見てるだけで……って。

小澤:絶対に上手く行かないですよね。

茅野:あと、みーくんがいなくても無理かな。

加藤:もしショッピングモールでみーくんと出会っていなかったら、りーさんは暴走してそうですよね。《かれら》化した胡桃を手にかけて、そのあとゆきちゃんも自分もろとも……っていう。

小澤:うわー! バッドエンドー!!

加藤:でも、りーさんならやりかねない(笑)。

小澤:もう限界が来てますからね。

茅野:「私が楽にしてあげる」で、『がっこうぐらし!』完! みたいな(笑)。だからやっぱり、誰が欠けてもたぶん、この話は成立しないんだなというのは、すごく感じるんですよ。そもそもりーさんがいなかったら、学園生活部は今みたいな形で成り立っていないだろうし。

小澤:たぶん誰ひとりとして生き延びられなかったんじゃないかな、っていう。

茅野:今日はそんな怖い話をしてました(笑)。

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――物語的には、そろそろクライマックスという展開になってきましたが、このあとの展開で気になるポイントはどこでしょうか?

小澤:うーん……。そうですね、胡桃も太郎丸も、まだ感染して間もないので、助かるのかどうか。やっぱりそこが気になります。ただ、オリジナルの要素がたくさん入っているので、全然先の展開が読めないんですよ。スタッフさんに聞いても「お楽しみに!」って、教えてくれないし……。

――あはは(笑)。

茅野:私たちは、わりと聞いちゃってるかもしれないですね。

小澤:あっ、そうなんですね!

加藤:そう、《かれら》側なので(笑)。ざっくりと「こういう感じです」というのを。

小澤:あ~っ!(笑)

茅野:そもそも私は、途中で出番がなくなる作品だと思っていたので。第3話の時点で、「あと2話くらいかな」と思っていたので、こんなに長く出演することになるとはっていう(笑)。

加藤:ただ、4人にはやっぱり無事に助かってほしいなとは思いますね。そういう希望は持ちたい。

茅野:だよね。そのための犠牲と思えば苦じゃない(笑)。たぶん、太郎丸にしてもめぐねえにしても、それぞれに決着がつくとは思うので、そこがどんなふうに描かれるのか、楽しみにしてますね。ちょっと怖いですけど(笑)。

加藤:太郎丸を演じている以上、このあとの太郎丸がどうなるのかが一番、個人的には気にはなりますね。第10話で「薬があるかも」みたいな話が出てきましたが、どれくらいの量が残ってて、どう使われるのか。胡桃だけを助けられるのか、それともほかの人も助けてあげられるのか、そのあたりも気になります。

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