Project Itoh最後の作品『虐殺器官』は今冬公開。キャラクター原案・redjuiceも登場したJapan Expoで明らかに

伊藤計劃氏のデビュー小説『虐殺器官』。昨年、円城塔氏との共作『屍者の帝国』と、遺作である『ハーモニー』と共に3作連続公開される予定でしたが制作スタジオの倒産により公開延期、新スタジオ「ジェノスタジオ」で制作継続が発表、ついに本作の公開日が今冬に決定した。

「虐殺器官」の公開が待たれる中、「Project Itoh」3作品(『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』)キャラクター原案を担当したredjuiceが、2016年7月7日~10日、パリ・ノール・ヴィルパント展示会会場で開催されるJapan Expoに参加。

redjuiceがマスタークラスやトークショーに参加し、「Project Itoh」3作品の制作について、フランスの熱狂的なファンに向けて語った。当日は『虐殺器官』の特別映像の上映や、サイン会などファンとの交流もあり、会場は大いに盛り上がった。

【サイン会】 7/7(木)11:15~12:15

現地ライセンシーであるAnime Limited 社のProject Itoh 特設ブースにて先着のファンを対象にサイン会が行われた。redjuice のイラスト集を持っている人も多く見られた。男性ファンが多く過半数(6 割以上)を占めた。購入したばかりのBD ボックスにサインをもらって皆興奮した様子。EGOIST を通じて知って以来ずっとファンです、毎日来ます!イベント全部見ます!という声も聞かれた。

redjuice コメント
「サイン会の雰囲気は日本とは違いますが、東南アジアと似ている感じですね。言葉が通じないのでなかなか交流できませんでしたが、皆さん来ていただいてありがとうございました!」

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【マスタークラス】7/7(木)14:15~15:45

先着のファンを対象にredjuice が「ハーモニー」トァンの初期の構想から完成型に至るまでをレクチャー。Japan Expo 公式サイトで「見逃せないイベント」として紹介されるなど事前の注目度も高かった。開始前には長蛇の列ができた。直前までPC テストおよびセッティングの時間がとれない中、柔軟にご対応いただいた。モニターに映像が映し出された時にはスタッフ一同拍手。全体の流れは以下になります。

フランス以外から来たファンも参加。普段見ることができない画像の数々が続々とモニターに写し出される中、参加者は食い入るように画面を見つめ、一言も聞き漏らさないようにメモをとりつつ熱心に聞き入った。ライブドローイングが始まると皆、前にイスを移動し、モニターに接近。前のめりでトァンが仕上がる様を見つめる。両手でペンとコントローラーを操り、スピーディーにドローイングする様に皆感嘆した様子。ドローイング完成後は全員が拍手。テクニカル面、キャラクターデザインについて、好きなキャラクター、Project Itoh についてなど来場者から質問が次々にあがった。

終了後はスタンディングオベーション。参加者の一人は「redjuice さんの描くスリムでクールな感じのキャラが大好き。今日は参加できて幸せ。ライブドローイングも見られて感謝です!」と語った。

redjuice コメント
「参加者にはファンと絵を描いてる人がいたようですが、質問してくれたのは絵を描いてる人。そういう人たちの雰囲気は万国共通ですね。終わってほっとしました。」

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【「ハーモニー」カンファレンス】 7/8(金)16:45~17:30

「ハーモニー」上映会後にredjuice が作品とキャラクターについて語るトークイベントが開催された。4,000 名収容という会場内最大のスペースで行われた。

まずはオファーを受けた時の話やキャラクター原案を作成するにあたっての監督とのやりとり、STUDIO4℃へ通っていた際のエピソードなど裏話を盛り込みつつ、製作過程について詳細に語っていただいた。続いて各キャラクターのイメージについてのお話。同日に「ハーモニー」の上映会が開催され、その直後に作品が完成するまでのお話を聞けるという、ファンにとっては大変貴重な時間となった。

最後にフランス語字幕付きで「虐殺器官」今冬公開のPV を上映。上映後は会場から拍手が上がった。終了後はスタンディングオベーション。

redjuice コメント
「ここまで話しちゃってよかったかな。あること以外の部分も話した気もしますが、うまく収まった感じがします。色んな人に聞いてもらえて、僕もほっとしました(笑)」

【ライブドローイング】7/10(日)13:15~14:30

参加者600名超。様々な質問にお答えいただきながら、「ハーモニー」のミァハをライブドローイング。今回のredjuice のプログラムの中のハイライトとも言えるイベント。

前半はご自身のキャリアや、ミァハができるまでの製作過程について質問にお答えいただきながら、 後半は来場者からの質問を受けながら、ミァハを描いていただいた。質問に答えながら60分強で0から彩色までされる様子は圧巻! ミァハが完成した時には歓声と拍手が起こった。

「30 秒以上お客さんの目を釘付けにしたい」と思い、毎回描いていると質疑応答で答えられていたが、 まさに思惑通り。来場者の目を60 分以上という長時間にわたり釘付けにした。

「このイラストを見て、『ハーモニー』が見たくなった人は?」の問いかけに既に見た人を含め、皆が手を挙げた。最後はスタンディングベーションが続いた。

redjuice コメント
「90 分で背景まで描いてフィニッシュで魔法を見せるのが普段のライブドローイング。今回はそこまでの時間がなく、やってる間は間に合うのかなと思った。ドローイング中は時間の感覚がふっとぶほどエンドルフィン出てました。」

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公式サイト

(C)Project Itoh / GENOCIDAL ORGAN