『めくらやなぎと眠る⼥』2024年に初夏劇場公開。村上春樹原作が初のアニメ映画化

劇場版

ピエール・フォルデス監督、村上春樹原作の⻑編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る⼥』が2024年初夏にユーロスペース他で劇場公開される。

『めくらやなぎと眠る⼥』は、⾳楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデスが村上春樹の6つの短編(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき⿃と⽕曜⽇の⼥たち」、「UFO が釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る⼥」)を翻案した作品。なお、村上春樹作品がアニメーション映画化されるのは初。

監督にとって初の⻑編アニメーションで、昨年6⽉、世界最⼤のアヌシー国際アニメーション映画祭でプレミア上映された本作は、同映画祭で審査員特別賞を受賞。今年3⽉に新しく始まった新潟国際アニメーション映画祭では⾒事第⼀回⽬のグランプリに輝きました。
同映画祭の審査員を務めた押井守は本作の受賞理由として、「現代⽂学を表現する最適のスタイルなんじゃないかということで、3⼈の審査員の意⾒が⼀致した、唯⼀の作品」とコメントした。監督⾃らが⾳楽も⼿掛ける本作は、レザルク・ヨーロッパ映画祭作曲賞を受賞した他、世界各国の映画祭に出品され⾼い評価を得ている。

『めくらやなぎと眠る⼥』は、監督が「ライブ・アニメーション」と名付ける実写撮影をベースにしたアニメーション制作技法で作られており、村上春樹作品の不思議かつ⽣々しいリアリティを再現することに成功している。村上春樹原作の映画としては初のアニメーションとなる本作は、近作では『ドライブ・マイ・カー』(濱⼝⻯介監督)や『バーニング』(イ・チャンドン監督)などと並べて紹介されるほか、東⽇本⼤震災を背景にした作品としてヨーロッパでは新海誠監督の『すずめの⼾締まり』と併映されるなど、世界での公開後も広がりを⾒せていま
す。

なお、ピエール・フォルデス監督は10⽉28⽇(⼟)に早稲⽥⼤学国際会議場で⾏われる国際シンポジウム「世界とつながる⽇本⽂学〜after murakami〜」(https://www.jpf.go.jp/j/project/intel/study/network/2023/09-01.html)にパネリストとして、また11⽉5⽇(⽇)にはコンペティション⻑編部⾨に選出された第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭(https://airport-anifes.jp/news_jp/13935/)での本作上映にゲストとして登壇が決定している。

『めくらやなぎと眠る⼥』

≪あらすじ≫
2011 年の東京。東⽇本⼤震災から5⽇後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを⾒続けたキョウコは、置き⼿紙をのこして⼩村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする⼩村は、図らずも中⾝の知れない⼩箱を⼥性に届けるために北海道へと向かうことになる。
同じ頃のある晩、⼩村の同僚の⽚桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨⼤な「かえるくん」が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な⽚桐に助けを求めるのだった――。
めくらやなぎ、巨⼤なミミズ、謎の⼩箱、どこまでも続く暗い廊下――⼤地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、⼩村とキョウコ、そして⽚桐の⼼に忍び込む。⼈⽣に⾏き詰まった彼らは本当の⾃分を取り戻すことができるのだろうか…。

監督・脚本︓ピエール・フォルデス
原作︓村上春樹((「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき⿃と⽕曜⽇の⼥たち」、「UFO が釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る⼥」)
声の出演︓ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス
2022/109 分/フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作
原題︓「Saules Aveugles, Femme Endormie」/英語題︓「Blind Willow, Sleeping Woman」
配給︓ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー

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