YouTuberという職業がすっかり日本に定着し、さらにはVTuberの存在も当たり前になった現在。
それはアニメの世界でも同じで、ファンタジア文庫から刊行中のVTuberを題材にしたライトノベル『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』は、2024年に放送予定。また、P.A.WORKSが制作し、2024年7月の放送を予定している『真夜中ぱんチ』は、動画配信者の活動描くガールズコメディが展開する。
このようにアニメのジャンルとしても活用されるようになったが、逆に、既存のアニメの世界に彼らが登場するのも珍しくない。本稿では、YouTuberやVTuberが出演したアニメ作品を紹介していく。
目次
VTuber黎明期に生まれた怪作「バーチャルさんはみている」
「バーチャルさんはみている」は、リド制作のTVアニメで、2019年1月から3月までTOKYO MXにて放送されました。本作は、バーチャルYouTuberを題材にしたオムニバス形式の作品で、30人以上のバーチャルYouTuberが出演。
登場したキャラクターは、電脳少女シロ、月ノ美兎、田中ヒメ、鈴木ヒナ、ときのそら、猫宮ひなたなど。また、ゲーム部プロジェクトやミライアカリなど、2024年現在では活動を終えたVTuberも出演している。
このアニメはバーチャルYouTuberが多数出演するという新しい試みが評価された一方で、アニメともバラエティとも言えないバランスもあって、出演者の新しい魅力を引き出せているとは言えなかった。
サングラスもしっかり再現「はじめてのギャル」
植野メグルが原作を手掛ける「はじめてのギャル」は、2016年1月号から『月刊少年エース』(KADOKAWA)にて連載が開始されました。その後2017年7月12日から9月13日まで、全10話+OVA1話でテレビアニメ化されました。
本作は、DT(童貞)を捨てたいと悩む高校生・羽柴ジュンイチがある日、「ギャルに土下座で頼めば卒業できる」という迷信を聞いて、ダメ元でクラスのギャル・八女ゆかなに土下座で告白したところまさかの大成功、付き合うことになるという物語。
本作において、ゲーム実況などで活躍するもこうは、中学時代のゆかなのクラスメイト・御手洗大の友人として出演。かけているサングラスは、もこうが愛用しているものを模したものになっている。
ちなみにもこうは、「はじめてのギャル」以降もしばしばアニメに出演している。2019年の「ゼノンザード」、さらに2024年にも「名湯『異世界の湯』開拓記」にも出演して話題となった。なお、もこうは声優としては本名である「馬場豊」名義で活動している。
人気クリエイターが続々登場「妖怪学園Y ~Nとの遭遇~」
「妖怪学園Y ~Nとの遭遇~」は、レベルファイブが原作を手掛けたTVアニメで、2019年12月から2021年4月にかけて放送された。
本作は、「妖怪ウォッチ」シリーズを原作とし、超エリート校・Y学園を舞台に、「YSPクラブ」のメンバーたちが、妖怪と憑依することで「妖怪HERO」へと変身し、妖怪史上最大の謎解明ミッションに挑む。
本作は、UUUM所属の人気クリエイターが多数出演したことも話題を集めた。具体的には「@小豆」「とーまゲーム」「虫眼鏡 (東海オンエア)」「さとちん」「レオンチャンネル」「ゆきりぬ」「きりたんぽ」「ミラクルぐっち」の8名。
また、オープニングテーマの歌唱を担当する「すとぷり」のメンバーが声優として出演。ミステリー系YouTuber「Naokiman Show」、人気踊り手「りりり」なども続々と出演し、話題に事欠かない作品となった。
キズナアイのアニメプロジェクト「絆のアリル」
「絆のアリル」は、バーチャルアーティストのキズナアイに憧れて、ADENアカデミーに入学した少女の物語を描いた作品。バーチャル界のスーパースターになりたい少女たちが、仲間たちと一緒に夢を実現しようと日々奮闘する。
本作におけるキズナアイは、バーチャルアーティストの最高峰・ラピンドールを5度も受賞した伝説のバーチャルアーティスト。ある日突如としてバーチャル世界から姿を消し、その後の消息は不明。主役はキズナアイではなく、あくまでADENアカデミーに入学した少女たちがメインの作品となっている。
日本武道館公演を成し遂げた“いれいす”メンバーが出演『最強タンクの迷宮攻略』
2024年1月から放送中のTVアニメ『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』の第4話「わがまま」に、“いれいす”メンバーりうらが出演が出演した。
“いれいす”とは、2.5次元アイドルグループ事務所「株式会社VOISING」に所属する、人気急上昇中の6人組新世代歌い手グループ。
2020年10月に結成され、歌ってみた動画やオリジナルソング、バラエティ動画の投稿や、生配信を中心に活動している。
作中でりうらは、冒険者の1人を担当。ABCアニメーションは出演シーンを切り取ったショート動画を公開しており、こちらも人気を博している。
配信と変わらない演技力を発揮「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」
2024年1月から放送された「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」は、童貞のまま30歳を迎えた主人公・安達が「触れた人の心が読める魔法」を手に入れ、勤務先のイケメン同期・黒沢が自分に想いを寄せていることを偶然知ってしまうことから巻き起こるラブコメディ。
本作に出演したのは、にじさんじに所属するえる。第3話で女社長役として出演した。彼女は普段の配信でもモノマネや一人コントを頻繁に披露しており、その演技力をあらためて見せつけた格好だ。
実はこちらのアニメの第3話に、女社長役で出演させて頂いております!各配信プラットフォームでも視聴できますのでぜひチェックしてみてください…! https://t.co/JYsgrMC3Y0
— 🗼える🗼にじさんじ所属 (@Elu_World) January 29, 2024
今回紹介したのはほんの一部にすぎず、声優として出演したり、主題歌を担当したり、さまざまな形でアニメで存在感を示している。もちろん今後も、YouTuberやVTuberがアニメで活躍する姿は見られるだろう。一体誰が、どんな役で出演するのか、エンディングのキャスト欄をチェックするのも面白そうだ。