『ティアムーン帝国物語』ミーア役・上坂すみれさんにインタビュー プリンセスであり、ヒーローの一面も持つ主人公

TVアニメ

10月7日(土)よりTOKYO MX、BS11、MBSにて放送開始となるTVアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』。
本作は、大国・ティアムーン帝国で“わがまま姫”と蔑まれる帝国唯一の皇女・ミーアが民衆の革命によって断頭台で処刑された直後、なぜか12歳の自分にタイムリープ。第ニの人生を歩み始めたミーアが保身のために帝国の立て直しを決意し、ギロチン処刑の運命を回避すべく大奮闘する歴史改変ファンタジーだ。

今回は、本作でミーアを演じる上坂すみれさんにインタビューを実施。20221年のドラマCDから演じ続けるミーアをどのように見ているのか、そして作品の魅力について伺った。

骨太なストーリー、だけどミーアたちのかわいさもちゃんとある

――本日はよろしくお願いします。まず、原作を読んだときはどんな印象を持ちましたか?

かわいい絵のタッチからはなかなか想像つかない、ハードな世界観で驚きました。魔法が使えるわけでもなく、ギロチンが出てきたり、民衆が貴賓飢饉や貧困から革命を起こしたり、すごくまっとうに歴史を読んでいる印象です。

ミーアの「今度は絶対にギロチンを回避する」という、気持ちいいぐらいの保身によって、結果的に民衆が苦しまない世の中に変えていくストーリーは面白いですよね。
魔法やスキル、奇跡や偶然に頼らずに、ミーアが人脈とかを手堅く作っていくところを見ると、ミーアを応援したくなる話だなと思います。

――歴史ものとして、すごくリアルなところがありますよね。

幽閉され、最終的に民衆の前で晒し首になるところから、12歳になってやり直すストーリーは骨太ではあるんですけど、同時にミーアたちのかわいさもちゃんとあるので、いろいろな側面が楽しめる作品だと思います。

――ミーアに対する第一印象はいかがでしたか?

ミーアはドラマCDのときから演じさせていただいて、当時はすごく愛されている子だな、という第一印象でした。アンヌはじめ学園のみんなからも、政府の人々からも一目置かれて、彼女自身も行動力があって、主人公らしい主人公というイメージでした。

転生前の人生で数々の失敗を経験し、「もう繰り返さないぞ」という決意が彼女を駆り立てていると思うんです。
そんな出発点から、たくさんの人に触れていくことで、自分自身がすごく成長していって、ちゃんと民を想い、国を想い、帝国の姫たる風格が備わっていく成長物語でもあると感じました。

――プロフィールを見だけでも、たくさんの側面を持つキャラクターですよね。世間からはわがまま姫と呼ばれ、でも実際は小心者で、少女らしい純粋なところもあって。

転生前の20歳のときはわがまま姫そのもので、世間を知らず、なぜ贅沢ができるのかも分かっていない。生まれながらに自分は民衆よりも上だからという、ある種の分かりやすい姫思想を持っていますね。
そしてそのすべてを知った上で12歳に戻り、今度は持ち前の行動力が発揮されて、物怖じしない、プリンセス的な側面をすごく良い意味で使っている印象です。

あとは、前の人生ではコミュニケーションを取らなかった、例えば学園の人々とも積極的に交流するようになっていて、真っ当に行動して世直ししていこうという、すごくヒーローみたいな一面もあるなと思いました。

――演じる際に監督やスタッフからはどんなディレクションを受けましたか?

転生前、処刑される直前の絶望感は強調できるように話し合いました。食事もほとんど与えられていないし、「どうして」というセリフが多いのですが、それを考える力もないイメージ。絶望感に疲労感をプラスした演技を意識しました。

逆に12歳のミーアは、言動は幼い印象ですが、頭脳は20歳の記憶が残っているので、幼すぎず、年齢感が上がっても、気にしないで大人の雰囲気を優先してくださいという、ディレクションはいただきました。

――世界観とかストーリーにはどんな魅力を感じましたか?

想像以上に厳しい現実を突きつけてくれるストーリーですよね。最初は味方がいなくて、わがまま放題した因果応報の最後を迎えるところから始まります。その後も国を治めるに必要不可欠な話題が次々に飛び出してきますが、では真面目に見なくてはいけないのかというと、ミーアはお菓子が大好きだったり、アベルとかシオンとかとの関係性があったり、王子との駆け引きがあったり、あるいは学校に行って友達を作ったり。
厳しい世界だけでなく、12歳らしい側面と両方が満遍なく描かれているので、あまり歴史ものを見たことがない人でも楽しめる作品だと思います。

ミーアが好きになるお話になっています

――上坂さんは今作ではオープニングテーマを担当されています。こちらは作詞作曲が大石昌良さんということで、今回初タッグですよね。

もともと大石さんは私が出演するフェスでお会いしたり、他作品の主題歌を大石さんが歌唱されていたり、ニアミスは多かったんです。
だけど実際にご一緒する機会はなかなかなくて、今回は念願叶って、オファーできることになりました。

作品一つ一つにちゃんとその世界観に向き合う方で、デモをいただいたときから、こちらからリクエストするまでもなく、そして直すところも全然なく楽曲が完成していたので、さすがの一言です。
すごくロジカルに作品を表現していて、ミーアのシニカルなところ、サビでパッと世界が開けてくるところは、すごく作品のテーマも表現されているし、聴く人にエールが届くような、素敵な曲だと思いました。

――実際に歌ってみての印象はいかがでしたか?

歌っていてすごく楽しい楽曲です。突然ジャズっぽくなったり、曲の展開が本当に面白くて、だからこそ落ちサビでちょっと静かなる瞬間が引き立ってくるんです。
ハッピーなフレーズも散りばめられていて、なんだか10年間アーティストをやってきた、その節目を祝福してくれるような感覚でした。

――アニメの収録についてはいかがでしたか?多くのキャストとのやり取りが重要になってくる作品ですよね。

今回は分散収録の時期ではあったのですけど、アンヌ役のともりさん(楠木ともりさん)とは一緒に収録する機会が多かったです。
アンヌもドラマCDから声を聞いていたのでイメージしやすくて、それでいて動いてるアンヌは想像以上にドジっぽく、悪意のない優しさで満ちていて、ともりさんの真っ直ぐな声色にとてもぴったりだと感じました。

ミーアは逆に言ってることと考えてることが全然違うので、アンヌのキラキラとしたセリフとの対比がすごく面白かったです。
これから登場するキャラクターたちも、本当にぴったりなキャストばかりなので、収録時から期待感が高かったところです。

――実際に本編の映像を見て、どんな感想を抱きましたか?

ミーアがちゃんとかわいく、そして憎めないキャラクターに描かれていて、まずはそれが嬉しかったですね。
第1話だとお城の風景、メイドさんのお洋服、ミーアの衣装、といったこだわりが随所に見られて、原作のイメージをとても上手く表現できていると感じました。
かなりヘビーなシーンもあるにはありますけど、絵柄の力で次の展開が楽しくなってくる作品です。

――原作のファンにとっても期待できる作品になっていそうですね。

そうですね。やっぱりミーアはめちゃくちゃ表情が変わるし、それに合わせて動きや仕草も細かく変化していきます。これはアニメならではの表現であり、原作ファンの方々も楽しめると思います。

アニメ化が発表された時から、原作ファンの方がすごく喜んでくださっていたのが印象的でした。しっかりその期待を超えていけるような映像になっていると思います。
なにより、まずは第1話を見てほしいです。ちゃんとミーアが好きになるお話になっていますし、過去の自分の過ちを変えようとする強い意志に、きっと勇気づけられと思います。

放送情報

2023年10月7日(土)から放送開始!

TOKYO MX:10月7日(土)から毎週土曜25時00分~
MBS:10月7日(土)から毎週土曜26時38分~
BS11:10月7日(土)から毎週土曜25時00分~

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©餅月望・TOブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023