下野紘、2ndシングル「ONE CHANCE」8月31日発売。カップリングでは初の作詞・作曲にも挑戦

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今年3月にアーティストデビューした声優・下野紘さんのセカンドシングル「ONE CHANCE」が8月31日に発売される。
今回のテーマはタイトルの「ONE CHANCE」。最近若者の間でよく使われるこの言葉は、格闘ゲームファンの間から広まったと言われているが「可能性は低くても勝つチャンスが必ずある」という意味で、女子高生の間でも「チャンスがありますように」というおまじないにもなっている。

その意味も含めて今回は、「人生において様々な逆境が訪れる時、可能性は低くても一発逆転できるチャンスが必ずある。そのチャンスを見逃すな」という強いメッセージが込められた印象的な表題曲となっている。
作詞は1stシングル「リアル-REAL-」同様、下野紘さんとRUCCAさんの共作。作曲は新進気鋭のサウンドメーカー・高橋諒さん。
そしてカップリング「beyond…」ではは下野さんが初の作詞・作曲にも挑戦している点にも注目だ。

「ONE CHANCE」

M1:「ONE CHANCE」作詞:下野紘、RUCCA、作曲/編曲:高橋諒
M2:「beyond…」作詞/作曲:下野紘、編曲:向井健太
M3:「ONE CHANCE」(Instrumental)
M4:「beyond…」(Instrumental)

◆CD詳細 ※価格は全て税抜き
・初回限定盤A (CD+DVD)
PCCG-01540 / 1,800円
【DVD収録内容】「ONE CHANCE」MV収録

・初回限定盤B (CD+DVD)
PCCG-01541 / 1,800円
【DVD収録内容】4/24バースデーライヴイベント東京公演・ライヴパート映像~M-1.約束、M-2リアル-REAL-を収録

・通常盤 (CD Only) 
PCCG-70327 / 1,500円

・きゃにめ限定盤 (CD+DVD)
SCCG-00013 / 3,600円

【DVD収録内容】「ONE CHANCE」MV+MVメイキング&4/24バースデーライヴイベント東京公演1~3回のダイジェスト映像を収録

※ジャケットは全て異なります。
※すべてのCDに秋開催予定のスペシャルイベント優先申込券封入予定。(別途開催の予約イベント、リリースイベントとは異なります。)
※その他詳細は公式サイトにて順次更新情報を出して行きます。

Official Liner Note

下野紘、2枚目のシングル「ONE CHANCE」のリリースが8月31日に決まった。厳しい生存競争を強いられる声優業界のなかで、2002年より第一線で活躍し続けている声優・下野紘。そんな彼が活動15周年のタイミングで、あえて新しいことに挑戦する決意を歌ったのが前作「リアル-REAL-」なら、今作「ONE CHANCE」もまた現状に甘んじず、前へ前へとアグレッシヴに生きる姿勢を示した一曲だ。

前作に引き続きRUCCAとの共作になった歌詞には、彼の「立ち向かうことこそ人生」という強い信念が現れている。そして“REAL以上に 輝きだすその瞬間 掴み取れ さぁ この手で ONE CHANCE”というフレーズにもあるとおり、今作は前作と地続きの関係にあり、さらなる強い一歩を踏み出さんとするメッセージが込められた。

「前回、あれだけ苦戦した作詞ですが、今回はすんなりやれた感触があります。前々から『ワンチャン』という言葉が気になっていて、半ば軽い気持ちでつけたタイトルですけど、それが逆に自分の素直な気持ちを書けるリラックスに繋がりました」

継続は、力だ。彼は36年の人生でそのことを実感しており、ひとりの人間として、己の気持ちを正確に他人に伝えることの難しさもよく知っている。「リアル-REAL-」だけでなく「ONE CHANCE」においても、彼はチャンスを投げ出すことのもったいなさを説いた。繰り返すことで強度を増したメッセージ性を、再びスリリングなロックサウンドに乗せて歌ったのである。

「この曲は20代前半の自分に聞かせたい」

声優として数多くの役をこなしてきた彼ならば、歌においても自我を横に置き、様々な人間の人生を演じて歌う一手もあっただろう。しかし彼が選んだのは、あくまで自分をさらけ出す選択肢。自分の想いを自分の声で届けることにこだわりを持つことが、彼のアーティストデビューの意義なのだ。

初めて作詞・作曲の両方に臨んだ「beyond…」においても、その点は色濃く出ている。残酷な世界に打ちひしがれる弱い心に、そっと差し伸べられた救いの手。焦燥感のあるギターと壮大に広がるストリングスの組み合わせが、矛盾を抱えながら日々を生きなくてはならない人の業を浮き彫りにする。

「この曲は僕のことを歌ったものです。世界にひとり取り残されたような想いをたくさんしてきたなかで、今がある。15年もこの業界でやってきたとみんなは評価してくれるけど、やっぱりどこかには『もっとこうしていれば……』という気持ちがあって、納得できない部分があります。それはどんな人にもある気持ちだと思うんです。デビューしてまだ半年も経っていないけど、こうして自分の過去を振り返ることで、今の自分を肯定するための心の整理ができているような気がします」

下野紘の音楽は、誠実だ。まずは包み隠さず己の負の感情を吐き出すことで、リスナーたちとの信頼関係を築こうとしている。そして彼は、実績ある大人の男性でもある。その負の感情を乗り越えた先に待つ世界を、自分なりの感性と言葉で示していくことで、迷えるリスナーたちの力になろうとしている。
 自惚れも、傲慢さもない人生の教訓。これを歌える下野紘は、やはり優しい人間なのだろう。「ONE CHANCE」でも最大の敬意を払い、彼の歌に耳を傾けたいと思う。

TEXT BY 西原史顕(アニメ音楽ライター/元リスアニ!編集長)

公式サイト