AnimeJapan 2024、『時光代理人 -LINK CLICK-』『天官賜福』『TO BE HERO X』を手掛けるハオリン監督が登場。3作品の制作エピソードを日本のファンに披露

TVアニメ

3月24日、東京ビッグサイトで行われたAnimeJapan 2024のクリエイションステージにて、『This is HAOLIN’s ANIMATION!-「時光代理人」「天官賜福」「TO BE HERO X」-』と題したイベントが行われた。

このステージイベントでは、TVアニメ「時光代理人 -LINK CLICK-」「天官賜福」「TO BE HERO X」などで監督を務めるHaolin(リ・ハオリン)監督、一連の作品でプロデューサーを務めるアニプレックスの黒﨑静佳氏、『時光代理人』でリン/喬苓役を担当した古賀葵さんの3名が登壇。ハオリン監督を中心に、各作品の制作秘話を語った。

ステージにたったハオリン監督は「日本の皆さんとお会いできることが嬉しいです」と語ると、最初のテーマとして、同氏が日本のアニメから影響を受けたものをトークすることに。ハオリン監督は「新房昭之監督から深く影響を受けた」とのことで、一般的のアニメと表現方法が違うことに衝撃を受けたとのこと。現在制作が進む『TO BE HERO X』も新房昭之監督からの影響は色濃く反映されており、タイムラインが行ったり来たりする物語の構造は「<物語>シリーズ」にも通じるところがあるという。

この話を聞き「納得がいく」と応えたのは黒﨑氏。新房昭之監督のような演出方法は黒﨑氏も感じ取っていたようで、「アニメだけでなく実写から受けた影響も反映し、チャレンジしているのがハオリン監督ならでは」と語った。

続いて古賀さんは『時光代理人』を初めてみたときの衝撃に触れると、実写ドラマを見ているようで、夢中になって視聴したと明かした。
そんな『時光代理人』は、ハオリン監督が脚本も担当している。この作品が生まれたきっかけとして、自身の古い写真を見たとき、写真の中の自分は笑っているけど、今の自分は笑っているわけではない。その瞬間に覚えた違和感が作品のベースになり、写真にまつわるストーリー展開に至ったという。
古賀さんは本作でリンを演じているが、このキャラクターは主人公のトキやヒカルにとってお姉ちゃんとも言える存在。身近な存在であると同時に、依頼を通して接するときは仕事モードで、別の意味で頼れる心の支えになっている。

そんなリンを演じるにあたって古賀さんは、アフレコの際は中国語の原音を聞いたうえで演技に臨んだという。古賀さんいわく「中国語のリンちゃんもすごくかわいい」とのことで、自分自身が感じたこと、そして中国語のリンから感じたことの両方を参考にしながら役作りをしたと振り返った。

本作は待望の第2期が日本にていよいよ4月からスタートする。ハオリン監督は、「トキとヒカリの救い合う様子、やりとりに注目してほしい」と注目ポイントを語る。
そして第2期にも出演する古賀さんは「第2期はキャラクターをさらに深堀りしているので、考察のしがいがある作品になっています」とアピールした。

続いて2024年1月よりTOKYO MX・BS11にて第2期が放送、イベント開催当日がちょうど最終話放送日だった『天官賜福』の話題へ。
『天官賜福』は、墨香銅臭(モーシャントンシウ)(代表作「魔道祖師」)が描く中華ファンタジー。中国でも高い人気を誇る作品で、「プレッシャーを感じていた」とハオリン監督。
中国では女性人気が高い作品であり、ハオリン監督自身も「自分だけでは、女性向けの本作を手掛けるのは力不足」と考え、原作をよく知る女性スタッフを迎え入れ、アドバイスをもらいながらの制作だったと話す。アニメ化するうえでは原作にはないオリジナルの描写を付け加える必要があり、そのパートでも女性スタッフの力は大いに役立ったとか。
プロデューサーとして活躍した黒﨑氏本人も原作のファンだったそうで、アニメも「原作に対する解釈、描写が素晴らしい」と絶賛した。

最後のタイトは、bilibiliとアニプレックスの新プロジェクトとして制作中の『TO BE HERO X』。さまざまなヒーローが登場する本作もハオリン監督が脚本も務めており、同氏はアメリカではヒーローの物語が多いが、ヒーローが持つ能力があえて曖昧になっているケースもあると語る。
そこで『TO BE HERO X』ヒーローの能力を数値化。人々からどれだけの注目を集めているか、またヒーローにどれくらいのファンがいるかが強さに繋がる物語になっているとのこと。

制作については、「普通の制作の流れとは違う」とハオリン監督。まずは世界観とキャラクターを作り、キャラクターを世界観の中に組み込んだら、どんな物語が生まれるのか…という考え方で脚本を練ったという。
詳しくは明かされなかったが、作中のヒーローたちにはそれぞれ個性があり、それぞれのエピソードを違った表現で描くとしている。それらが最後に一つのストーリーラインにまとまる構成になるそう。

黒崎氏は「アニメだけど、今までのアニメとはまったく違った表現」と作品を評すると、「ぶっ飛んだことをやっているけど、ぶっ飛んでいるからこそ絶対面白い」と期待を込めた。また会場のスクリーンでは10人のヒーローが映し出され、古賀さんを含めた3人は誰を推すかの議論に花を咲かせた。

最後の挨拶ではハオリン監督が、「この場でみなさんの前で話すチャンスをいただき、本当にありがとうございます。今後も日本の皆さんとお話ができるように、また来ます。絶対来ます」と力強く再会を誓い、ステージイベントは幕を閉じた。

時光代理人 -LINK CLICK- Ⅱ

■放送情報
フジテレビ「B8station(ビーハチステーション)」にて 4 月 10 日(水)25 時 25 分より放送
BS フジにて4月11日(木)24 時 30 分より放送

■配信情報
d アニメストアにて 4 月 10 日(水)25 時 25 分より先行配信
その他配信プラットフォームにて順次配信
配信先一覧:ABEMA、バンダイチャンネル、DMMTV、FOD、Hulu、lemino、ニコニコチャンネル、Prime Video、U-NEXT、アニメ放題、ニコニコ生放送、TELASA、J:COM STREAMING、au スマートパスプレミアム、milplus