22/7、「僕が持ってるものなら」発売記念LIVEをパシフィコ横浜で開催。卒業するリーダー・帆風千春と、新たなステージでの再会を約束

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「22/7(ナナブンノニジュウニ)」が、2021年2月24日に発売し、3作連続オリコンウィークリー2位を獲得した7thシングル「僕が持ってるものなら」の全収録曲を披露する発売記念ライブを開催した。

単独ライブでは最大規模の会場となるパシフィコ横浜・国立大ホールを昼夜公演ともソールドアウトとし、また、全世界へ同時生配信した。新曲の初披露の場であるとともに、リーダーを務める帆風千春の卒業公演となり、メンバーから送られた手紙にグループの固い絆が感じられた夜公演の模様が到着した。

Overtureで高まる会場に、時を刻む秒針の音が響き「シャンプーの匂いがした」で、この特別な夜の幕が上がる。3月の扉を前に、いち早く、桜舞う春の陽気を連れてきてくれた10人。昨年9月のアニバーサリーライブ以来の有観客開催とあって、ペンライトが色鮮やかに灯る客席を見渡す表情も明るい。8人曲としてリリースされた楽曲がまた一つ全員曲へとアップデートされた喜びとともに、満開の笑顔を咲かせた。だが、続く「未来があるから」へと、いずれも明るい曲調の中に、誰かの決意した〝別れ〟に胸を裂かれるせつなさが歌われている。この公演で、リーダーの帆風千春は22/7を卒業する。メンバーは、冒頭の挨拶から「最後」という言葉を口にするたびに、ぐっと涙をこらえた。そんな弱さを振り切るかのように力強く歌われた「風は吹いてるか?」から「何もしてあげられない」へと至るドラマ性の高い楽曲群。生の歌声と台詞、そしてダイナミックなパフォーマンスが抑えきれない葛藤のままに嵐を巻き起こした。

ここで、本公演の核となった7thシングル収録のバラエティ豊かな5曲が披露される。まずは、ファンのアンケートによって高辻が考えたコンセプトと編成に決定した紅白ユニット曲。一時活動休止中の武田愛奈を含む5人による白組が歌うのは「甘ロリ」をコンセプトとする「キウイの主張」。涼花の唱える〝みかみんラップ〟をしなやかな軸として、個性的なキウイとなったメンバーたちがハートを振りまきながらキュートに踊る。意外な人選ながら、高辻からアクセントになるよう指名されたというセクシーキウイの白沢は「甘いメロディの中に小悪魔的な歌詞というギャップのある曲です。女の子は、めんどくさいところも、まるごと愛してね」とアピールした。

「パンクゴシック」をコンセプトとする紅組による「雷鳴のDelay」は、真っ直ぐな歌声の強さが特徴的な6人。ギターの轟くソリッドなバンドサウンドに身を委ね、小刻みにリズムを取りながら、射抜くような眼差しで幼い反抗心を歌う。「(帆風の推しキャラの)東条悠希としても、ちはるちゃんに好きと思ってもらえるよう頑張ります」という高辻の言葉も、涙腺を緩ませた。それぞれのキャラソンの振りからインスパイアされたポーズが戦隊モノのごとくキマったが、夜公演で初めてセクシーなポーズに挑戦した宮瀬は、ファンに向け「みなさんがいてくれたからできた」と伝えた。そして、そんな紅白の魅力をドッキングし、海乃と倉岡2人の突き抜けるような明るい一声で爆発的に誕生した「タチツテトパワー」の威力! 両腕をTの字に広げてステージを駆け回る姿も楽しく、このときばかりは、公演の始まりからどうしてもまとわりつく寂しさを忘れてしまった。話題を呼んだユニット曲「半チャーハン」にも匹敵する、グループとしては初めてのぶっ飛び曲だ。

「好きと言ったのは嘘だ」もまた、グループとしては数少ない、もどかしい恋心を歌ったハッピーな王道アイドル曲。メンバーのときめきにあふれる表情が引き出され、ピンクのライティングに映える。一転して、深い青に彩られた表題曲「僕が持ってるものなら」。円舞曲を思わせる穏やかなメロディに乗せ、淡々と、切々と、手話を交えた振りで歌われる狂おしい思いに飲み込まれていく。「愛しかないんだ」――。メンバー、そして彼女たちを見守る人たちが一つの思いで抱きしめ合った瞬間だった。

本編の最後は、4年という月日のさまざまな出来事に寄り添ってきた「循環バス」。メンバー同士、微笑みを交わし、手をつなぎ、はしゃぎまわる夕焼け色の光景はあたたかく、だがやはり、せつない。帆風との歌割りに満面の笑みを浮かべながら、涙をこぼす天城。涼花と河瀬は、両側から不意打ちで帆風を抱きしめた。

アンコールを受けてひとり現れた帆風を、燃え上がる炎がごとく一面の赤いペンライトが迎える。スタンドマイクを握りしめ、歌われたのは、自身の演じる佐藤麗華のキャラソン「優等生じゃつまらない」。両腕を広げ、くるくると回りながら、歌声も跳ね上がり、まさに「変わりたい」という思いと覚悟の先で手にした〝自由〟そのもののステージを見せてくれた。その清々しさの中で凛と放たれた「さらば青春よ」というフレーズ以上に、この卒業をあらわす言葉もないだろう。

声優の道を志しながらも思うようにいかず「これを最後に」と思って、22/7のオーディションを受けた帆風。その始まりの日から今日までを振り返り、自分にとって「特別な存在」への感謝を伝えた。「人に甘えるばかりだった私が『変わりたい』と思うきっかけとなってくれた、たくさんの夢を叶えさせてくれた、そして、声優としてさらにステップアップしたいという目標をくれた佐藤麗華ちゃん。メンバーも、今日まで一緒に活動してくれて、頼りないリーダーをここまで支えてくれて、ありがとう。みんなは、一人ひとり魅力的だから、これからもたくさんの人に愛されるよ。私も、追いつけるように頑張るからね」。

そこで、メンバー一人ひとりからの手紙が読み上げられるサプライズが待っていた。〝ちはさり〟と呼ばれ、同じ目標のもとに切磋琢磨してきた天城は、だからこそ言えなかった「やめないで」という言葉を飲み込みながら距離を置いていたことを打ち明ける。「次また、現場で『久しぶりじゃん』と言える日を楽しみにしてます」。途中加入ながら、しっかり者と讃えられ、決して弱さを見せることがなかった河瀬が「帆風の〝声〟にあこがれ、救われてきた」と言ってこぼした大粒の涙にも驚かされた。一度取り出した手紙を読まずに封筒に戻し、今の思いを伝えた西條は、自分が守られるばかりで、帆風のために何もできなかった悔しさをにじませる。「いつか『強くなったね』と言われるくらい、ちはるんが私にも相談してくれるくらい、22/7で頑張ります。この4年間、誰よりも強く正しくいてくれてありがとう。……大好き」。代読された武田からの手紙も含め、思いを伝えた10人に対して、それぞれに自信を与える言葉で返すところが、最後までメンバーを愛し愛されたリーダー・帆風らしかった。

ステージ上で〝お好み焼き〟をイメージした円陣を組むメンバーたち。帆風の「紅生姜!」という声が締めとなり、全員で声を揃える。「ひっくりかえして、22/7!」。コテ型のペンライトを掲げたファンもまた、その一員だ。「私のファンの人って本当に心が広くて、いつも『ちはるんのオタクトーク楽しいよ』と言ってくれて、その思いにたくさん甘えてきました。みなさんがいたから、今、私らしくここに立てています。まだ夢を見ていいんだと思わせてくれたファンのみなさん、メンバー、22/7という場所は私にとって大切な場所です」

ラストナンバーは、帆風が一番好きな曲だという「空のエメラルド」。帆風の歌い出しから、高辻、天城と白沢へとつながっていく思い、やがて全員で手をつなぎ波打つ地平線が映し出す景色は「僕が持ってるものなら」のジャケットや本公演のロゴにも描かれた、11人を結ぶ一本の青いリボンのイメージとも重なった。涙、涙のステージではありながら、決して湿っぽくはならず、門出の清々しさに満ちていたのも、帆風自身のキャラクターゆえだ。その「朝陽は何を照らすの?」という絶唱は、いかなるときにもうつむいた顔を上げさせる希望の問いかけとして、卒業を見届けた人たちの心の中に響き続けるだろう。

同日、4月に初のライブ映像商品となる「22/7 LIVE at STUDIO COAST ~11(イレブン)~」、また6月には、本公演の映像が特典となる1stアルバム「11という名の永遠の素数」をリリースすることも発表された。22/7は、新たなる章のページをめくる。

22/7「僕が持ってるものなら」発売記念LIVE 公演情報

公演日:2021年2月28日(日)
昼公演 開場 12:30 / 開演 13:30
夜公演 開場 16:30 / 開演 17:30

<夜公演セットリスト>
M01 シャンプーの匂いがした
M02 未来があるから
-MC-
M03 風は吹いてるか?
M04 ロマンスの積み木
M05 Rain of lies
M06 何もしてあげられない
-MC-
M07 キウイの主張(白組/海乃るり・西條和・白沢かなえ・涼花萌)
M08 雷鳴のDelay(紅組/天城サリー・河瀬詩・倉岡水巴・高辻麗・帆風千春・宮瀬玲奈)
M09 タチツテトパワー
M10 好きと言ったのは嘘だ
M11 僕が持ってるものなら
-MC-
M12 ムズイ
M13 願いの眼差し
M14 循環バス
ENCORE
M15 優等生じゃつまらない
-MC-
M16 空のエメラルド
22/7『僕が持ってるものなら』発売記念LIVE

22/7 1stアルバム 『11という名の永遠の素数』

タイトル:11という名の永遠の素数
発売日:2021年6月30日(水)
形態数:全4形態

①完全生産限定盤A/SRCL-11780~11783/9,980円(税込)
・CD(2枚組)
・Blu-ray(『22/7「僕が持ってるものなら」発売記念LIVE』昼公演@パシフィコ横浜(2021.02.28)
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ(完全生産限定盤Aアーティストトレカ10種のうちランダムで1枚を封入)

②完全生産限定盤B/SRCL-11784~11787/9,980円(税込)
・CD(2枚組)
・Blu-ray(『22/7「僕が持ってるものなら」発売記念LIVE』夜公演@パシフィコ横浜(2021.02.28))
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ(完全生産限定盤Bアーティストトレカ10種のうちランダムで1枚を封入)

③完全生産限定盤C/SRCL-11788~11791/9,980円(税込)
・CD(2枚組)
・Blu-ray(Music Video集)
・ジャケットイラストアートワーク集
・三方背BOX
・トレカ(完全生産限定盤Cアーティストトレカ10種のうちランダムで1枚を封入)

④通常盤/SRCL-11792/2,500円(税込)
・CD(1枚組)

※CD収録内容は、後日発表します

初のライブ映像商品「22/7 LIVE at STUDIO COAST ~11(イレブン)~」

タイトル:22/7 LIVE at STUDIO COAST ~11(イレブン)~
発売日:2021年4月21日(水)
形態数:全4形態

①完全生産限定盤(DVD)/SRBL-1990~1991/6,500円(税込)
・DVD
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ(ライブ写真15種のうちランダムで1枚を封入)
・副音声:出演メンバー11名によるオーディオコメンタリー

②通常盤(DVD)/SRBL-1992/5,200円(税込)
・DVD only

③完全生産限定盤(Blu-ray)/SRXL-315~316/7,500円(税込)
・Blu-ray
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ(ライブ写真15種のうちランダムで1枚を封入)
・副音声:出演メンバー11名によるオーディオコメンタリー

④通常盤(Blu-ray)/SRXL-317/6,200円(税込)
・Blu-ray only

公式サイト
文責:キツカワトモ
写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ