『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』舞台挨拶に原作者・ヨネダコウと、監督・牧田佳織が登壇。主人公の矢代と百目鬼もスクリーンに登場

劇場版

本日2月15日、『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』公開初日舞台挨拶が開催された。

舞台挨拶は二部構成。第一部では司会者・吉木りさの呼び込みで、主人公の矢代と百目鬼がスクリーンに登場。第二部では原作者・ヨネダコウと、監督・牧田佳織が登壇し、本作の感想などを語った。

矢代と百目鬼が質問に生回答

第一部ではスクリーンに矢代、百目鬼の描き下ろしイラストが現れると、会場からは「わぁ!」と歓声が上がった。司会者から「たくさんのお客さんにお越しいただいていますが、お二人からはちゃんと見えてますか?」と問われると、矢代は「はい、見えてますよ。例えば……前のほうの、緑のワンピースの女性。そう、いま横を向いた……」と会場の様子を言い当て、インタラクティブなやり取りを見せた。

舞台裏には矢代役の新垣樽助さん、百目鬼役の羽多野渉さんの両声優が控え、言わば「生アフレコ」の趣向であり、観客も笑顔をのぞかせた。

事前に公式ホームページで募集をした「二人への質問」から3問が選ばれ、その場で二人が生回答。昨日がバレンタインデーだったことにちなみ、「バレンタインのチョコをもらいましたか?」という質問に、矢代は「店(※経営するキャバクラ)の女の子からもらったくらいだな」と答えた。
吉木さんが「実は甘党」という矢代に好きな菓子を尋ねると、「コンビニに売ってるチョコレートで、中に酒が入ってる……なんだっけ、あれ」と思い出せないところを、百目鬼がすかさず「バッカスですね」とフォロー。その後も、矢代の好きな菓子を次々に言い当てる百目鬼の様子に、「お前すごくない?逆に怖いわ」と矢代。ただ、作中さながらの忠誠心ゆえの回答に、会場には笑いが起きた。

原作者&監督は「未だに夢心地」

司会者の呼び込みで原作者・ヨネダコウと監督・牧田佳織が登壇し、舞台挨拶の第二部がスタート。上演後、涙を見せる観客も多かっただけに、会場からは惜しみなく拍手が注がれた。

上映の感想を問われると、ヨネダは「マンガを書くのはすごく小さな作業から始まります。白い紙一枚が束になり、そして本になり……それが映像になることが未だに夢心地」と明かした。牧田も続けて「私もつい先日まで作業をしていたので、みなさんに今ご覧いただけていることに現実感がありません」と、そろって心境を語った。

現在も連載中の作品だけに、アニメ化にあたってストーリー構成は課題に上がった。牧田は「脚本の瀬古浩司さんが原作を深く読み、世界観を把握してくださっていたので、監督とも数回のディスカッションでまとめることができました」と話した。

司会者から「アニメのなかで印象的なシーン」を尋ねられると、ヨネダは「タバコの煙の表現が素晴らしく、セクシーだなと感じました」と、作中でも頻繁に登場するアイテムだけに、その気配りへの感心を覗かせた。また、作中でキャラクターが足蹴にされるシーンでは、牧田から「スタッフも多くのヤクザ映画を参考にして、実在の俳優さんの演技をモデルにしたんです」と裏話を明かした。

ここで、初解禁情報として、作中キャラクターの影山莞爾と久我瑛心が出会うまでを描いたショートストーリー『Don’t stay gold』の新作OAD化が決定し、原作単行本第7巻の特装版に付属することが発表された。さらに、アニメ第二章となる新作『囀る鳥は羽ばたかない The storm breaks』の製作決定が知らされると、会場にはこの日いちばんの歓声が上がった。

新作について、ヨネダは「動きのあるヤクザパートと恋愛要素、どちらも盛り込まれていくストーリー展開。(音楽の)H ZETTRIOさんのリズミカルな曲が、どう使われていくかも併せて楽しみ」と期待を寄せた。牧田は「カーチェイスや抗争シーンもあり、今からどのように作るかを考えています。矢代と百目鬼、二人の関係性も変わってきながら、矢代の本音も表れはじめ、盛りだくさんになると思います」と話した。

最後に、来場者に向けてのメッセージを求められると、ヨネダからは「明るい話ではないので胸がぎゅっとするかもしれません。けれど、監督をはじめ、みなさんが丁寧につくってくださっています。何度か足を運んでいただき、Twitterなどでも感想をつぶやいてくれたら嬉しいです」と伝えた。牧田はその言葉に応えるように「ギリギリまで全てのスタッフが作品と向き合い、頑張って創り上げた結果です。何度も見ていただければ幸せです」と語り、会場からは大きな拍手が贈られた。

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(C)ヨネダコウ・大洋図書/「囀る鳥は羽ばたかない」製作委員会