『夏へのトンネル、さよならの出口』本編映像・新規場面カットが一挙公開。田口智久監督、CLAP松尾プロデューサーからコメントも

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9月9日から公開がスタートする『夏へのトンネル、さよならの出口』について、この度カオルとあんずがウラシマトンネルの仕組みを調査する日々を描く本編映像&新規場面カットが公開。

本編映像では、eillの挿入歌「プレロマンス」にのせて、カオルとあんずが共同戦線を組みウラシマトンネルの探求を始める様子が描かれる。ウラシマトンネルの中は現実世界と時間の進み方が異なることに気づいた2人は、携帯電話のメールを使って経過する時間を調べることに。日々、ともに調査を重ねるカオルとあんずの甘酸っぱいメールのやりとりにも注目だ。

新規解禁の場面カットには、2人が初めて出会う海辺の駅の様子や、どこか憂鬱そうな表情で電車に乗るカオル、あるハプニングによってカオルを見上げるあんずのカットも。

さらに田口監督・松尾プロデューサーからコメントが到着した。

Q:鈴鹿央士さん(塔野カオル役)、飯豊まりえさん(花城あんず役)がアフレコされた際の印象やエピソードを教えてください。

田口:鈴鹿さんは、カオルがあんずに送ったメールを読み上げるシーンが印象的でした。セリフが長く、かなり難しい箇所だと思っていたのですが、そこがめちゃくちゃ雰囲気が合っていて。抑揚がついている訳でもなく淡々としているのに雰囲気がある。鈴鹿さんの声がいいんだなって思いましたね。

松尾:ある種、天才肌というか。その場で実在する人物感を出せていると感じましたね。

田口:飯豊さんは嫌味がなくできるのが本当にすごい。あんずは飯豊さんの声によって作画以上の可愛さが出ていると思います。

松尾:物語が進むにつれて声の感じがちゃんと変化していくところが素晴らしかったです。カオルと組んだ共同戦線のシーンの楽しい感じや、夏祭りで少ししおらしくなる場面など、飯豊さんの声によってキャラクターの抜け感が生まれました。

田口:鈴鹿さんも飯豊さんも、今後積極的に声の仕事をしていってくれたらと期待しています。お二人ともいい声です。

Q:本作をシネマスコープ形式にした経緯やこだわりを教えてください。

田口:もともと映画館にはよく行くのですが、映像が画面いっぱいに使われているのが好きで、次に自分が携わる作品では絶対シネマスコープに挑戦してみたいと思っていました。

松尾:シネマスコープでやりたい、となっても、アニメーションは描き込まないといけないので、普段制作しているフレームの大きさに慣れていると難しかったりします。その点、田口監督はすんなりとできているのですごいな、と。

田口:“映画館”というメディアに最適な形にしたい、と思っていたんです。CLAPさん、松尾プロデューサーに野望を叶えてもらいました(笑)

Q:美術や風景へのこだわったポイントを教えてください。

松尾:美術が大事、というのは田口監督と共通の認識で持っていました。背景は頑張ろうと。

田口:海と空が多いので、青が綺麗じゃないといけないと思い、青色にはこだわって何色も作りました。ウラシマトンネルは、当初、映画『インターステラー(14)』のようなSF的な空間を目指して進めていたのですが、(具体化してみると)現実感が無くうまく成立しなかったので、紅葉がずらりと並んでいるという、現実でもありそうだけど少し不思議な感じに方向性を変更しました。

Q:アニメーションの仕事をする上で軸になっていること、大切にしていることはありますか?

松尾:若い頃から映画を観てきて、ずっと作る側になりたいと思っていました。10年後20年後にも見てもらえるような作品を作りたいと思っています。

田口:松尾さんと同じような形になりますが、昔から何か作りたい欲求はありましたし、映画が好きで作る側にまわりたいと思っていました。誰も作ったことがない、誰も見たことがない映画、物語、映像を生み出したい願望はやはりあるなと感じます。

松尾:過去に、特に若い頃に観た作品の影響を受けていて、その時に感じたことを自分の作品に昇華していってる感覚がありますね。特にアニメは金字塔的な監督や作品が多いので、アニメ制作に関わっている人はそういう捉え方をしている人が多いかもしれません。

田口:自分の作ったものが10年20年の視聴に耐えうる作品だといいな、と思って常々作っています。将来『夏へのトンネル、さよならの出口』を初めて見る人が、普遍的な作品だと思ってくれたら嬉しいです。

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