『アオアシ』大鈴功起さん、橘龍丸さんにインタビュー! アシトの伊予弁、そして試合中の息づかいにも注目

TVアニメ

NHKEテレにて4月9日(土)より毎週土曜日午後6時25分から放送がスタートするTVアニメ『アオアシ』。
週刊ビッグコミックスピリッツで連載中、小林有吾によるコミックスを原作としており、サッカーJ リーグのユースチームを舞台に、プロを目指し奮闘する高校生たちの青春を描いている。

今回、本作で主人公・青井葦人(アシト)役の大鈴功起さん、チームメイトの大友栄作役の橘龍丸さんにインタビューを行った。サッカーに決して詳しくないという2人は『アオアシ』とどう向き合ったのか、さまざまな質問をぶつけてきた。

サッカーを勉強するためDAZNに加入…勉強熱心な大鈴さんを橘さんはどう見た?

――『アオアシ』への出演が決まったときの感想から教えてください。

大鈴さん:とても嬉しかったのはもちろんですが、オーディションに受かるとは思っていなかったので、力が抜けるような感覚がありました。オーディションでは「もっとこうすればよかった」と後悔することも多かったんです。
だから合格と知ったあと、実際の収録まである程度期間があったので、自分が納得できる演技をしようと、あらためて『アオアシ』のこと、サッカーのことを勉強するように心がけました。

橘さん:僕も大友と同じく緊張する性格なんですけど、今回のオーディションに関してはあまり緊張せず、のびのびと演じることができたんです。そのときから手応えはあったし、音響監督のはたさん(はたしょう二氏)と別作品でお会いしたときに「『アオアシ』のオーディション、よかったよ」と言ってもらえたので、どっしりと構えてました(笑)。

――収録まである程度期間があったとのことですが、具体的にどんな準備をしたのでしょう。

大鈴さん:サッカーの知識があまりなかったので、まずはサッカーを知るところからスタートしました。サッカーが好きな知り合いと実際に観戦へ行ったり、あとはDAZNに加入してJリーグを見たり。
あとは作品の舞台になっている愛媛県にもいきました。愛媛と言われてもなかなかイメージが湧かないし、伊予弁も分からないので。スタッフもマネージャーもいない一人旅でしたが、アシトの住んでいるような町も見て、イメージを膨らますことができました。

橘さん:行動力がすごいですよね(笑)。僕も原作コミックをあらためて読み返すことはありました。サッカー漫画自体にあまり触れることがなかったですが、『アオアシ』に関しては「こんなにおもしろい作品があるのか」と驚かされましたね。ポジショニングが複雑で、多彩なことも知らなかったし、サッカーに関するいろいろな発見がありました。

僕は子供のころから役者として旅巡業をしていたので、部活動もほとんどしたことがなかったんです。その中で、唯一サッカー部にだけは少しだけ入った経験があって、当時のことを思い出したりもしました。当時はまだまだ、ボールを追いかけるだけでしたが、『アオアシ』を通じてサッカーと再び向き合うことができたのは嬉しかったですね。

――自身が演じるキャラクターに対する印象はいかがでしたか。

大鈴さん:オーディションで資料をいただいたときは、とにかくサッカーが大好きで情熱的、がむしゃらに前に進んでいく人と感じました。だけど原作を読むと、ベ―スの部分は間違っていないものの、とてもよく考えて行動する姿も印象的でした。壁にぶつかったとき、どうやったら乗り越えられるかを考えるんです。あとは、ご飯をとても美味しそうに食べるのも印象的でしたね(笑)。

橘さん:アニメではアシトの食レポにも注目してほしいです。本当に美味しそうに食べる演技を見せてくれて、アフレコ現場では僕のお腹が鳴ってしまったくらいです(笑)。

大鈴さん:めちゃくちゃいい音出ましたよね(笑)。

橘さん:(笑)。大友の印象というと、最初に原作を読んだときは「なんて頼りなさそうなキャラクターなんだろう」と思いました(笑)。だけど読み進めると大活躍で驚きました。周囲を俯瞰で見ることができて、仲間思い。読者としても親近感が湧く人物でしたね。

――原作を読んでいく中で、印象に残ったキャラクターはいましたか?大鈴さん:アシト以外だと福田監督ですね。一見飄々としているのですが、実はギラギラとした闘志を持っているんです。名言も多くて、作品には欠かせないキャラクターだと思います。親弘さん(小林親弘さん)が担当されていて、とても格好いいんです。

橘さん:僕は冨樫が好きです。僕がフワッとしている男なので、冨樫みたいに曲がったことが嫌いな性格、背中で語るようなキャラクターが大好きなんです。ぱっと見ちょっと怖いですけど、仲間に慕われていて、人間味の溢れるところは魅力的ですよね。

――アフレコも進んでいるとは思いますが、その中でスタッフからはどんなディレクションを受けましたか?

大鈴さん:最初の収録でさとう監督から、「オーディションのときと同じく、気負わずに演じてくれれば、それがアシトだから」と言ってもらえたのを覚えています。だから、ベースの部分はオーディションから変えずに演じられています。
一方で音響監督のはたさんからは、アシトの大雑把な感じも加えてほしいとアドバイスをもらいました。主人公だからといって、格好良くならなくてもいいとのことだったので、そこはアフレコでも意識しています。

――アシトは伊予弁を喋るキャラクターでもありますよね。伊予弁と大雑把な感じを両立するのは難しそうです。

大鈴さん:確かに、伊予弁は柔らかいイメージがありますからね(笑)。とはいえ、セリフの中には本来の伊予弁にはない言葉遣いもあるので、伊予弁というよりアシト弁を喋っている感覚ですね。

――橘さんをはじめ、共演者に助けられる場面はありましたか?

大鈴さん:龍丸さんが演じる大友は僕のイメージ通りの声で、アフレコ現場でも「目の前に大友がいる!」という感覚で演じています(笑)。

――そんな橘さんは、スタッフからなにかディレクションを受けたのでしょうか。

橘さん:本番の収録前、テストで演じたときに、「そのままでいいので、本番にいきます」と返ってきました。リラックスして収録できました。アドバイスとしていただいたのは、試合中と試合前の違いを出せるようにする、ということです。試合前の緊張を自分の感覚ですが、大きめにして出して、試合が始まったら落ち着いて一気に集中する!みたいなことを演技として演じさせていただきました。なのでプライベートと試合中でのギャップも出せるようにしたいです。

――演技だと、普段の会話に加えて試合中の疲れや熱気を表現する機会もあると思います。どんなことを意識しましたか?

大鈴さん:第一に考えたのは、とにかく大きい声を出すことでした。というのも、試合のサッカーコートはとても広いし、観客の声援もあります。そうなると、味方に声をかけるときも自然と大きな声になると思うんです。あとは走る息や、ボールを蹴る瞬間の息もリアルで、それでいてアニメとしての見栄えも意識した演技を心がけました。

橘さん:一言で「息づかい」といっても、前半と後半で疲労のたまり方も違うはずですし、状況によって常に変化をつけることは意識しています。シュートが決まる瞬間の緊張感とかも、息づかいひとつで十分に表現できると思うんです。

――サッカー選手の名前や専門用語も多く登場すると思いますよね。

橘さん:「セレクション」のイントネーションが違ったので収録中にどっちだっけとなりました笑。このあたりはスタッフの皆さんと話し合いながら、正しい発音を探していった形です。

大鈴さん:初めて聞くサッカー選手の名前が出てきたときは、すぐに調べていました。クリスティアーノ・ロナウドは分かるんですけど、知らない名前の選手も多くて、今回の収録で初めて知ることができました。
八代さんが海外サッカーファンなので、収録中に「こういう選手なんだよ」と教えてもらったりもしました。

――海外サッカーに詳しい方が現場にいるというのも心強そうですね。

大鈴さん:それは間違いないです。収録後には今はどのチームが強いのか、面白い試合をしているのかを教えてくれるんです。さらには「このチームは福田監督のサッカーに似ている」といったことも話してくれるので、そんな八代さんの言葉を参考にDAZNでチェックするサイクルが生まれていました。

――大鈴さんは今回が初めての主役ですが、緊張やプレッシャーは感じましたか。

大鈴さん:主演であることを特別に意識したことはなくて、すごく楽しく収録にのぞめています。だけど周囲にいるキャストやスタッフの皆さんはすごい方ばかりなので、「自分がヘマしたらいけない」というプレッシャーは感じています(笑)。

橘さん:アフレコ現場にいても、全然プレッシャーを感じているようには見えないからすごいですよ。ブースではいつもニコニコしていて、こういう子がアシト役を勝ち取るんだなと納得しました。僕が初めて主演を任せてもらったときはガッチガチでしたから(笑)。

そんな大鈴君と共演するのだから、こちらとしても、一瞬たりとも気が抜けないですよね。役者歴は長くても、アフレコの経験としてはまだまだですから。僕たちの間に上下関係はないと思いますし、だからこそ試合の場面では、リアルな関係性を描けていると思います。

――ちなみに、アフレコで苦労したことはなにかありましたか?

大鈴さん:伊予弁はやっぱり慣れるまで時間がかかりました。あとはセリフではなく、ちょっとしたリアクションをどう表現するかも悩んだところです。アシトの顔にボールがあたり、「ブッ」と吹き出すシーンがあるのですが、なかなか自然な表現ができず、スタッフの方から「もっと汚くていいよ」とアドバイスもいただいたりしました。そのときは、現場で同席していた山下さんや武内さんがフガフガと実演してくれて(笑)。それを聞いたあとは一発でOKをもらえました。

橘さん:武内君とか、そういうの得意そう(笑)。僕は苦労ではないかもしれませんが、監督や音響監督をいかに納得させられるか、驚かせるかを悩むことはありました。自由に演じさせていただいた分、スタッフの方々の意表を突いたり、想像以上の演技を見せたいと思ったんです。だから毎回遊び心を加えて、監督を笑わせたらガッツポーズ(笑)。いい勝負ができていると思います。

――セリフという点で、印象に残っているものは?

大鈴さん:言葉だと「誰がやめるかぁ!!!」というセリフは胸に突き刺さりました。

橘さん:分かる! 同じところ答えようと思ってた(笑)。自分にもリンクして、共感できるよね。

大鈴さん:そうなんですよ! 心も体も限界のときに吐き出す言葉で、この直前に家族の顔を思い浮かべるところも含めて大好きなんです。

橘さん:電車の中で読むお母さんの手紙も、ギュッと心臓を鷲掴みにされましたよね。自分が上京するときは父親と揉めることもあって、そのときも母親は優しく送り出してくれたんです。自分にもリンクした、というのはそういう意味で、昔のことを思い出しました。

――それでは、お二人の注目ポイントを教えてください。

大鈴さん:第1話は、アシトがどんな人間なのかが存分に詰め込まれています。負けん気の強やさ、ひとつ決めたことを徹底的にやり続けるところ、そして福田監督との運命的な出会い。福田監督がアシトのどんなところに惹かれたのかは、後々のストーリーにも深く関わってくるのでぜひ注目してもらいたいです。

橘さん:僕が出演するのはセレクションのところからで、誰が残り、誰が去るのか、瀬戸際のところから始まります。本作はすべてが丁寧に作られていて、セレクションでのピリついた雰囲気もまた、本当に丁寧に描かれているんです。原作を知らない方にももちろん観てほしいですけど、原作ファンにとっても納得の出来だと思います。

それともうひとつ、アシトのお母さんが登場するシーンですね。僕は愛情を込めて“肝っ玉母ちゃん”と呼んでいるんですけど、原作でも良いシーンばかりなんです。

<放送情報>
4月9日(土)放送開始
NHK Eテレにて毎週土曜日午後6時25分〜

<配信情報>
4月10日(日)深夜0時より順次配信開始

4月10日(日)深夜0時〜
バンダイチャンネル、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、dアニメストア、dTV
Hulu、TELASA、J:COMオンデマンドメガパック、milplus、スマートパスプレミアム

4月12日(火)12時〜
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