『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』碇シンジ役・緒方恵美さんにインタビュー! 3度目の『エヴァ』コラボは「あのキャラが一番喋ってる」

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実在の新幹線が変形する巨大ロボット「シンカリオン」と、その運転士に選ばれた子供たちの戦いを描く『新幹線変形ロボ シンカリオン』。

4月からはTVアニメシリーズ最新作となる『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』が放送中だが、本作では9月に『エヴァンゲリオン』シリーズとのコラボレーションが行われる。これまでもTVアニメ第1期や劇場版で両作品のコラボが行われており、今回で実に3回目となる。

本稿では、『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』にも登場する『エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジ役の緒方恵美さんへのインタビューを紹介する。3度目のコラボではどんな物語が展開するのか、注目ポイントを伺った。

――『シンカリオン』シリーズに対してはどのような印象をお持ちですか。

実は台本をもらうまで、新シリーズになってると知らなくて…なのでZの印象を語るのは難しいです。ただ今回のコラボを聞いたときは、「『500 TYPE EVA』はもう走っていないのにいいんだろうか?」とは思いました(笑)。「500 TYPE EVA」は以前ある番組の企画で福岡から広島まで乗せていただいたことがあるんです。だけどそのときもチケットが取れず、広島からは普通の新幹線で帰ってきた、という思い出が。

――『シンカリオン』と『エヴァ』はこれまでも何度かコラボをしていますが、作品同士の相性はどのように見ていますか?

最初のコラボを聞いたときは、「マジか」と思いましたよ。『シンカリオンZ』のような子供も楽しめる作品に、『エヴァ』のような殺伐とした作品が入っていくのは大丈夫なのかと。なにせ『エヴァ』の監督の別作品のように、新幹線が敵に体当りする作品になってしまうんじゃないかとか(笑)。これは冗談としても、いろいろなことを考えながらの収録でした。とはいえ、実際に参加してみると平和なストーリーにまとめていただけていて、良かったと思います。

相性という意味では…観ていただいたファンの方々が楽しんでいただけたなら、それは相性が良かったということなんだと思います。

――『エヴァンゲリオン新劇場版』4部作が完結して以来、初めて碇シンジを演じたと思いますが、演じることが決まった際の心境は?

『シンカリオンZ』のお仕事の話を聞いたのが本当にギリギリのタイミングだったんです。『シン・エヴァンゲリオン』の最後の舞台挨拶が終わって、キャストの皆さんと「次に会うのは、すごい先になるかもしれませんね」という話をしていたら、スタッフの方から「すみません、明日です」と言われたのは鮮明に覚えています(笑)。なので、感慨深く思う暇もなかったのが正直なところです。

それに『エヴァンゲリオン』が一区切りついたといっても、他のコラボで演じる機会もあり、私の中で碇シンジが終わったとは、まだあまり考えていません。

――コラボ回のアフレコに臨むにあたって、スタッフさんとなにか話し合う機会はありましたか?

今回の収録では特にありませんでしたが、最初のコラボの際には『エヴァ』本編より、「少しお兄さんっぽく」とはお願いされました。それ以降のコラボも「お兄さんっぽく」という方向性は変わっておらず、スムーズに収録できたと思います。

――『シンカリオンZ』の碇シンジと、『エヴァ』の碇シンジで演じ方に違いはありますか?

『シンカリオンZ』と『エヴァ』はあくまでも別の作品、別の世界感です。なので、私としても同じキャラクターを演じている感覚はあまりなくて。その一方で、シンジは自分の中の一部になっているので、今回も本当にいつも通りの気持ちで向かいました。

あえて大きな違いを挙げると、『シンカリオンZ』だと技の名前を叫ぶシーンがあるんです。『エヴァ』だとほぼないことなので、「シンジだとどんな叫び方をすればいいんだろう」と思いました。技名を叫ぶのは、声優としては慣れたものですけど、シンジとしてだと恥ずかしい気持ちもありましたね(笑)。

――今回のコラボがきっかけで、『エヴァ』のファンが『シンカリオンZ』を視聴することもあるかと思います。ファンに向けて注目ポイントを挙げるとするとどんなところですか。

『エヴァ』側からすると、一番喋っているのはシンジではなく本編放送まで言えませんが、あのキャラです(笑)。そこは『エヴァ』を知っている人なら楽しめるポイントだと思います。それともう一つ、『エヴァ』に登場する「ロンギヌスの槍」が「ブンキヌスの槍」という違う名前に変わっていて、それをセリフとして喋るのがポイント?(笑)

――今回はシンジがエヴァと戦う一幕もありますよね。

京都にあるエヴァの巨大な像が悪者に乗っ取られて暴走してしまうという…私もまだ完成したアニメを観ていないので、どう仕上がるのか楽しみにしています。

さすがに今回は『エヴァ』本編のような、シビアな戦闘ではなかったですね。『エヴァ』のバトルシーンだと殴られた場所によって反応を細かく変えたりもしましたけど、『シンカリオンZ』だともっとざっくりと、ライトな演技を心がけました。

――では、コラボ第3弾の放送を楽しみにしているファンに対して見どころとメッセージをお願いいたします。

『シン・エヴァンゲリオン』でシリーズに一区切りがついた中、こうしてコラボレーションの声をかけていただいたのは、あらためてすごいことだと思います。庵野総監督は舞台挨拶で『エヴァ』をロボットアニメと表現していましたけど、私自身はあまりロボットアニメと思わず演じてきたんです。それが『シンカリオンZ』の中だと、まさにロボット!(笑)そんな少し変わった『エヴァ』を楽しんでもらえると嬉しいです。

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