新居昭乃さんのピアノ弾き語り全国ツアー「Little Piano Vol.6」の初日公演が、2016年3月5日（土）に東京・早稲田スコットホールにて行われた。
「デビュー30周年のスペシャルプログラム」ということで、オープニング3曲を経た後、1997年のセカンドオリジナルアルバム『そらの庭』を曲順通り、一部打ち込みトラックを交えつつも、ピアノ弾き語りで再現。「ライヴ初演奏かもしれない」という『Solitude』をはじめとして、「スペシャル」にふさわしい貴重なセットとなった。
『そらの庭』は、デビュー作から10年以上スパンが空いての2枚目。「流されるままにデビューしていた」と語る新居さんが、「唄を仕事にしていこう」と決意した転機で、特に寺嶋民哉とのコラボレーションによって作り上げた「妖精の死」は、自身の幻想的な世界を表現できた大きな存在の曲だという。それから20年経っても古びない独自の音像を、今回はたった一人で見事に再現していた。
寡作な新居さんだが、30周年盤として、今夏の新作音源リリースをMCで発表。「絶対出す！」との意気込みに、待つことに慣れたファンも喜びを抑えきれず、今日一番の拍手で応える。
今回、礼拝堂としても使われる当会場の雰囲気・音響も相まって、菅野よう子さん作の『VOICES』のアカペラパート、種ともこの第一子に捧げられたという『Little Edie』の全編無伴奏による独唱、そして、最終曲『虹』の観客との合唱は、賛美歌のような厳かさをまとい、新居さんの描く世界がよりいっそう美しく鳴り響いていた。
■新居昭乃 ピアノ弾き語り全国ツアー「Little Piano Vol.6」特設サイト
http://araiakino.com/special/lp6/lp6.html
