7月より放送開始のTVアニメ『うしおととら』メインキャストの畠中祐さん、小山力也さん、小松未可子さん、安野希世乃さんにインタビュー

7月3日からTOKYO MXを皮切りに、いよいよ放送がスタートする『うしおととら』。本作は、藤田和日郎氏が1990年から96年にかけて描いた漫画を原作とするTVアニメだ。長い年月を経て世に送り出されるとあって、驚いたファンも多いのではないだろうか。

放送に向けて徐々に全貌が明らかになっていく本作だが、今回、メインキャストを務める畠中祐さん(蒼月潮役)、小山力也さん(とら役)、小松未可子さん(中村麻子役)、安野希世乃さん(井上真由子役)の4名にインタビューをする機会が得られた。アフレコに臨んでみての感想はもちろん、小山さんからは連載当時の思い出なと、さまざまな話を聞くことができたので紹介しよう。

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左から小松未可子さん、畠中祐さん、小山力也さん、安野希世乃さん

――本日はよろしくお願いします。まず、『うしおととら』がアニメ化されると聞いたとき、どのような印象を持ちましたか?

畠中さん:昔から人気のある名作ですし、僕たちの世代にもダイレクトに響いてくる作品だと思います。そんな作品がより多くの人に触れてもらえる機会になるはずですので、本当に素晴らしいことだと思います。

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小山さん:まったくその通りだと思います(笑)。理屈抜きに楽しめる名作で、インパクトもとても強い作品ですから、私もインパクトを大事に、思いっきり暴れてやろうという意気込みです。

小松さん:過去にOVA化はされていましたが、現在の技術でアニメ化するのをずっと待ち望まれていた作品だと思います。1人の視聴者、1人のファンとしても楽しみにしています。

安野さん:『うしおととら』は原作の連載が終了してから時が経っていて、それにもかかわらずアニメ化が発表されたときにはアラサーティファイブくらいの方がとても喜んでいるのが印象的でした。その世代の代表にもなっている作品なんだと改めて感じました。スタッフの方々もすごい意気込みで頑張っていますし、その意気込みに私たちも乗って、ファンの皆さんの期待に応えられる作品にしていきたいと思います。

――『うしおととら』に出演することが決まったときは、どんなお気持ちでしたか?

畠中さん:僕がオーディションを受ける前は『うしおととら』のことをあまり知らなくて、この機会に1巻を読んでみたんです。すると主人公の蒼月潮が今では珍しいくらいの熱い人物で、僕の大好きなキャラクターだったんです。そんな思いもあったので、オーディションに受かったときは思わず叫んでしまうくらい嬉しかったですね。

小山さん:大塚周夫さんがご生前、私が40代後半のときなんですけど、「男は50歳になったら色気が出て、良い芝居ができるんだよ」と仰っていました。その後、50歳を超えた今、かつて周夫さんが演じた“とら”を演じさせてもらうことになって…周夫さんが背中を押してくれたようで、本当に嬉しく思っています。

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小松さん:難関のオーディションでしたけど、自分の中で麻子の具体的なイメージがあって、それを貫き通した結果、認めてもらえたのは嬉しかったです。それプラス、蒼月潮役が以前から共演していた祐君と知ったときは「これはすごい作品になるぞ!」と思いましたね。祐君の役者としての成長をずっと見てきたので、また共演できることに感慨深い気持ちになりましたし、私も負けないように頑張っていきたいです。麻子は現代のヒロインでは珍しい、強い女の子なので、役の中でも作品を引っ張っていけたらと思います。

安野さん:オーディションはテープオーディションとスタジオオーディションの2種類があって、テープの段階では麻子役として受けていたんです。その後、スタジオで「真由子で受けてみませんか」と声をかけていただいて、最終的に受かることができました。

実はスタジオオーディションのとき、祐さんと一緒に受けていたんです。そこで祐さんの演じる潮を聞いたとき、野性味溢れる感じと波長が合っていて「祐さんが潮だったらいいのにな」と内心思っていたんですね。なので配役を聞いたときはとても納得しましたし、私自身も真由子と合っている部分があると感じてくれたのかなと思っています。

――では、実際に収録に臨んでみての印象はいかがでしたか?

畠中さん:キャラを作っているわけではなく、自然な演技ができているのでとてもやりやすいです。潮が何を考えて、何を目的に行動しているのかさえ分かっていれば自然と役に入り込めるんです。現場の雰囲気も素晴らしいので、それに上手く乗っかっています。

小山さん:私は1人だけ別のブースでの収録なんです。そこは畳が敷かれた部屋で、あぐらをかいてやっています(笑)。スタッフの方々もこだわっていて、テイクも相当重ねるので体力勝負の現場ですね。

小松さん:自分の地の部分に近いものがあるのか、麻子を演じているという感覚はあまりないんです。ただ、原作がとてもエネルギッシュなので、自分が100くらいかなと思っていると、150くらいの勢いでやらないと作品の良さに辿りつけないと感じています。その意味では、やっぱり体力勝負ですね。

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安野さん:真由子は若いのに、自分の好きな人が幸せでいることが幸せだということを確信して生きているんです。そこは大人だと思うと同時に、愛が深い人物だと感じましたね。これは真由子の一番大切な部分だと思うので、ここだけは絶対にずらさずに演じていきたいです。

――『うしおととら』の連載は90年代まで遡りますが、小山さんは当時の思い出などありますか?

小山さん:さまざまな作品に出演する中では、あまり知らない原作もありますが、『うしおととら』に関しては当時からよく知っていました。というのも、よく利用していたコインランドリーに本が積んであったので、待ち時間の合間にずっと読んでいたんです。それこそ、乾燥機がいらないくらい熱い気持ちになっていました(笑)。

――では畠中さん、小松さん、安野さんは、周りからの反響はどうでしたか?

畠中さん:やっぱり事務所でも、先輩の方に話しかけられることのほうが多いですね。一方で大学の友人には父親の影響で読んでいた人もいて、作品のことを熱く話し合ったりもしています。

小松さん:周りの方々、特にラジオの構成作家さんからは「俺のバイブルなんだよ!頑張ってね。」と声を掛けて頂くことが多いですね。やはりアニメやマンガが好きで業界に入った方が多いので、『うしおととら』は、そういった方々の原動力になった作品なんだなって感じます。

安野さん:私の周囲にいる上の世代の方々は、『うしおととら』に出演すると聞いてとても喜んでくれました。私も単行本では読んだんですけど、当時を知る方は大型の雑誌で読んでいたわけですよね。私もいつか大きな誌面で読みたいと思っていたら、春から完全版の発売が始まったので、それも楽しみにしています。

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――本作では潮ととらの掛け合いも魅力のひとつですが、畠中さんと小山さんはお互いにどのような印象を持ちましたか?

小山さん:私たちは今まで一度も仕事をしたことがなくて、サンデーフェスのときに初めて挨拶をしたんですけど、本当に好青年で、熱い性格だけど謙虚で、「この人なら上手くいくな」と直感で思いました。

畠中さん:初めてお会いしたときからパワフルな方という印象で、なおかつ繊細さも持ち合わせている方だと思いました。収録ではとらの深いところまで演じてくださっていて、潮として会話のキャッチボールをしていても、常にものすごいボールが返ってくるイメージです。

――ちなみに、原作者の藤田和日郎さんとはお会いしましたか?

畠中さん:収録後にお会いしたんですけど、ご本人から「良かったよ」と言っていただけました。オーディションに受かったときも嬉しかったんですけど、その瞬間も同じくらいの嬉しさでした。ものすごい愛と優しさを持っている方だと感じました。

安野さん:アニメの制作にも積極的に携わっていて、我が子のように見守っているのが伝わってきます。

小松さん:藤田先生自身もすごく熱い方で、『うしおととら』は先生そのものなんだと感じました。

――分かりました。では最後に、7月3日の第1話放送直前にニコニコ生放送で行われる特番について、意気込みをお願いします。

畠中さん:恐らく心待ちにしているファンの方以上に、僕たちのほうが緊張していると思います(笑)。みなさんと放送の瞬間まで楽しく盛り上がっていきたいと思うので、ぜひ見てもらいたいです。

小山さん:コメントではいいことだけを書いてもらいたいですね(笑)。実はすでに音声の入った映像も見せていただいたのですが、自信を持って届けられる内容になっています。ニコ生のほうも、期待をもって視聴してもらえると嬉しいです。

小松さん:約20年の時を超えて『うしおととら』が蘇る、その記念すべき第一歩になると思います。私たちも緊張していますし、ファンの方もきっと緊張していると思うのですが、そういった感情も、生放送の中で共有したいですね。

安野さん:個人的にMAPPAさんの作るアニメが大好きで、どんな第1話になるのか、今からすごく楽しみなんです。アニメの放送が楽しみすぎてニコ生の最中は浮き足立っているかもしれません(笑)。そのワクワク感も皆さんと共有して、1話の放送を待ちたいと思います!

――ありがとうございました!

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公式サイト

(C) 藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会