6月1日(月)、「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の第24回放送が実施され、第24弾作品である「神速のRouge」の監督を務めた鬼塚大輔氏と、CGI監督を務めた鈴木貴志氏、副監督の松井祐亮氏、モデリングの鹿野文浩氏が、同作の制作秘話に関する語wp展開した。
プロフィール
■監督:鬼塚大輔
代表作品:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序・破・Q』CGI監督、『超亜空間防壁チーズ・ナポリタン』監督
他多数
■CGI監督:鈴木貴志
代表作品:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』CGIラインディレクター、『pair* Factory MIX』CGI監督
他多数
■副監督:松井祐亮
代表作品:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』CGIリードアニメーター、『そにアニ #6EDアニメーション「ナイトメア・バスター」』監督
他多数
■モデリング:鹿野文浩
代表作品:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』モデラー、『超亜空間防壁チーズ・ナポリタン』モデラー、『HILL CLIMB GIRL』モデラー
他多数
神速のRougeについて
本作制作のきっかけとして、鬼塚監督は「台湾で前田(真宏)さんと二人で飲んだとき、SFネタや侍ネタがやりたいですと話したんです。そこからアイデアが固まってきて、前田さんに見せたことがきっかけで本作の製作がスタートしました」とコメント。
番組では実際に使われたモデリングやラフイメージなどを公開しながら、どのように本作が出来上がっていったのかを4人の制作陣自ら解説。次々に飛び出す裏話で視聴者を楽しませました。
たとえば、迫力あるアクションシーンは、メンバー同士で戦う様子をビデオに撮って参考にしているとのこと。また、動きにリアリティを出すため実際に甲冑を着用して動いてみたり、鬼塚監督が熊本城を見学したときの資料をもとに城内のシーンを作りこんだりしたそうです。
そうした取材の成果は、障子から差し込む光がどのくらい明るいのか、といった細かい点にも表れており、本作のリアリティにつながっています。なお、本作の独特な色味について、鬼塚監督から「前田さんと鶴巻(和哉)さんと話をしていたら、前田さんが『庵野さんがモノクロが良いって言ってたよ』って言うんですよ。そうしたら、鶴巻さんも『俺もモノクロが良いって思ってた』って(笑)」というエピソードが語られました。
両監督の言葉からインスピレーションを膨らませながら、カラーとモノクロを比較した結果、鬼塚監督は「モノクロの方がかっこいいな」と思い立ったとのことです。
氷川の二度見
アニメ評論家の氷川竜介氏が注目ポイントを紹介する「氷川の二度見」のコーナー。今回のテーマは「正確なステップと階段」。
アニメで階段のシーンが出ると、特に注目して見てしまうという氷川氏。「本作も階段に注目して見ていました。CGだと階段の昇り降りが簡単になるのかと思いがちですが、むしろ難しくなるんです。それをちゃんとやっているなと思いました」と絶賛。
これに松井氏は「体重移動などはかなり気を使いながら作りました。実際に動いてみて検証したりもしましたね」と階段のシーンに込めたこだわりについてコメントしました。
クリエイターの法則
番組の最後には出演者に向けて「あなたにとってアニメとは?」という質問が。鹿野氏は「モデリング」と回答。「モデリングをやることでアニメに携わっているので。モデリングのことしか考えていません(笑)」(鹿野氏)
松井氏は「開戦」と回答。「毎回、戦争です!(笑)」(松井氏)
鈴木氏は「これから」と回答。「単純にどうなるのかなという興味があって」(鈴木氏)
鬼塚監督は、あえて真っ白の色紙で回答。「作り手として、何もないところから作り始めるので」(鬼塚監督)