第12回「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」が放送。『evangelion:Another Impact(Confidential)』制作秘話を荒牧監督らが解説

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2月9日、「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の第12回放送が実施された。番組では、第12弾作品である『evangelion:Another Impact(Confidential)』より、荒牧 伸志監督のほか、CGディレクターの松本勝氏、プロデューサーの石井朋彦氏がゲストとして出演し、作品の制作秘話に関して語り合った。今回、番組のレポートが到着したので紹介しよう。

evangelion:Another Impact(Confidential)について

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荒牧監督曰く、制作のきっかけは、「石井さんから何か一緒にやらないかと誘われた」ことだと言います。荒牧監督は「パシフィック・リムやゴジラなど、日本のコンテンツがアメリカのハリウッドにいって、すごい形で戻ってくる。素晴らしいことだが、作り手として手放しで喜んでいていいのかという思いがあった。日本の意地を見せたいと思っていた。」(荒牧監督)

そんな思いから立ち上がった本作の企画。もともと荒牧監督と庵野氏は旧知の仲で、
20代の頃に自分が関わっているアニメの仕事を庵野氏に手伝ってもらったこともあるのだとか。そんな荒牧監督がエヴァンゲリオンのオフィシャル二次創作ムービーとでも言うべき本作を制作することに、庵野監督も即GOサイン。本格的に制作がスタートすることになりました。

「庵野さんからも『エヴァンゲリオン』を好きにしていいという返事をもらいまして、じゃあもうやるしかないなと」(石井プロデューサー)

全編3DCGで制作された本作ですが、荒牧監督自身は「最初は1分半くらいのつもりで、
地上に出て終わるつもりだったんです。でもよく聞いてみると4分半くらいあるという(笑)」とのこと。

「それからスタッフに声をかけました。エヴァンゲリオンの名前を出すと話が早くて(笑)」(荒牧監督)

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そんなAnother Evaのデザインを担当したのは竹内敦志さん。荒牧監督が絶大な信頼を寄せる竹内氏がイメージしたのは「盲目のエヴァ」。原作を踏襲しながらも新しいもう一つのエヴァンゲリオンが誕生しました。そのデザインは、庵野監督も絵を見ただけで竹内氏の仕事だとわかったほどだといいます。

「エヴァンゲリオンを立たせるとワクワクするんですよね。やっぱりエヴァンゲリオンってフォトジェニックなんだなと」(荒牧監督)

この他、番組ではモーションキャプチャを用いた制作の方法や、絵コンテなど、どのようにして本作が生み出されたのかという点が語られました。

氷川の二度見

アニメ評論家の氷川氏が注目ポイントを紹介する「氷川の二度見」のコーナー。今回のテーマは「浮遊粉塵」。

氷川氏は、浮遊粉塵について「フレアやレンズ感があって、地上に出た後も立体的に粉塵が待っていて美しい。空気感や遠近感が出ています」と解説。この部分は松本氏のこだわりとのことで、「この世界(CG)は綺麗すぎる。そこにいかにノイズをのせてリアルに見せるか。リアルだと逆にきれいな絵にするんですが」(松本氏)と、CGと実写の違いを説明しました。

クリエイターの法則

番組の最後には、ゲストの荒牧監督と松本氏、石井氏に向けて「あなたにとってアニメとは?」という質問が。

石井氏は「世界へのパスポート」と回答。「日本人が世界に出る唯一の手段がアニメだと思います。今作を見たパシフィック・リムのスタッフからも荒牧さんと一緒に仕事がしたいという声が届きました」(石井氏)

松本氏は「考えたことが無い」と回答。「子どもの頃からあって当たり前のものだったので」(松本氏)

荒牧監督は「魂」と回答。「自分の魂の拠り所。心の真ん中に必ずアニメーションがあるという意識でCGアニメも作っている」(荒牧監督)

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公式サイト

(c) nihon animator mihonichi LLP.