11月26日発売のドラマCD『PEACE MAKER 鐵』参に出演する梶裕貴さん、鳥海浩輔さんらのインタビューが到着

黒乃奈々絵氏原作によるコミックス『PEACE MAKER 鐵』のドラマCD第参巻が、11月26日に発売される。本作には、原作をドラマCD用にアレンジしたストーリーに加えて、オリジナルショートドラマとキャストトークを収録。また、第参巻もジャケットイラストは黒乃奈々絵による描き下ろしとなっている。さらに、アニメイトで全巻購入すると、ドラマCD壱~参が収納できるBOXがもらえる。

今回、ドラマCDキャスト陣から収録後のコメントが到着した。第1弾は市村鉄之助・少年期&田村銀之助役の小林由美子さん、土方歳三役の中田譲治さん、沖田総司役の斎賀みつきさん、市村辰之助役のうえだゆうじさん、明里役の根谷美智子さん、近藤勇役の土師孝也さん、原田左之助役の乃村健次さん、大和屋鈴役の立花慎之介さん。第2弾は市村鉄之助・青年期役の梶裕貴さんと山崎烝役の櫻井孝宏さん。そして第3弾は、第3弾は永倉新八役の山口勝平さんと藤堂平助役の鳥海浩輔さんのインタビューとなっている。

※以下、メーカー発表の情報をもとに記事を掲載しております。

小林由美子さん、中田譲治さん、斎賀みつきさん、うえだゆうじさん、根谷美智子さん、土師孝也さん、乃村健次さん、立花慎之介さん

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――ドラマCD第参巻目となる本日の収録はもちろん、壱~参巻目までの収録を終えての、全体の感想をお聞かせください。
小林由美子さん(市村鉄之助・少年期、田村銀之助役/以下、小林):まずは10年ぶりの『PEACE MAKERシリーズ』ということで、このメンバーに再びあえたことがうれしかったです。こうやってみんなで集まると10年経った感じがしなくて、ついこの間、アニメの収録をしていたかのように、ふとその時代に戻ったような感覚がありました。今回は鉄之助が青年期に入るということで私は少年期の鉄之助と共に新たに田村銀之助という鉄之助にそっくりな少年の役をやらせていただきました。似ているけどきっと根本が違う、銀之助をどう演じるかはやはり悩みました。青年鉄之助との会話のシーンは本当に緊張しました……!

――ファンの方にとっても待望の復活だったと思います。

小林:私も『PEACE MAKERシリーズ』のいちファンなので、ドラマCDが復活するというのを聞いたときは、飛び上がるほどうれしかったです!よ。でも、内容的には新撰組が破滅に向かっていくものなので、気を引き締めて挑まなくてはならないなと……。でも辰兄とのやり取りとかアニメの時のドタバタ感をふと思い出したりするコミカルなシーンも所々あって楽しかったです。あと、成長した鉄之助に会えたのも嬉しかったです。梶君の鉄之助、本当にとっても素敵でした!!

――ドラマCD参巻のお話のなかで、印象的なシーンはどこでしたか?

小林:辰兄と坂本龍馬の絡みです。コメディタッチで笑えるんですけど、深いところはものすごく暗くて。辰兄はこれからどんどん病んでいくんだろうなと思わせつつも、掛けあいは軽くて、すごくテンポがいいのでそのアンバランスさや、いつ闇落ちしてもおかしくないような雰囲気みたいなものが絶妙でした。

――中田さんはいかがですか?

中田譲治さん(土方歳三役/以下、中田):僕も原作が再開すると聞いたときに感動しました。いち読者としては、驚きと喜びがあり、演者としては、ドラマCD再開にあたってはもう10年も経っているので、土方というキャラクターを演じられるのかという不安が大きかったです。ちゃんと演じきれてるといいな!(笑)。収録の感想としては、今はなかなかこういうキャスティングでドラマCDをやることがないので、とにかく楽しかったですね。

――第1シーズンのストーリーについてはどのように思われましたか?

中田:壱巻目からとても重かったので、この先はどうなるんだろうなと僕ももがきながら演じて、弐・参巻目では鉄之助と辰兄、鉄之助と沙夜のやりとりにホッとしながらも、新撰組内部はばたついているので緊張感がありました。その他にも鉄之助が鈴と対峙したところも今回はありましたし、いろいろなドラマを内包しつつ、今回芽を出したものたちが、さらに展開していくのかなと思います。

――ドラマCD参巻のお話のなかで、印象的なシーンはどこでしたか?

中田:冒頭ですね。明里が山南さんの無事を確認するために屯所にやってきて、それに応対した沖田……。彼女がかける言葉があまりにもショッキングでした。土方としては沖田が一番心配ですが、辰兄も大丈夫かなと見守っています。

――斎賀さんはいかがでしたか?

斎賀みつきさん(沖田総司役/以下、斎賀):最初にドラマCDが再開するというお話をいただいたときは、またこのメンバーにあえるんだということと、またこの世界で沖田総司として生きられるんだという喜びがありました。ただ中田さんもおっしゃっていましたが、10年経ったというのはかなり大きくて、あのときの沖田が自分に下りてきてくれるだろうかという心配というか不安みたいなものはありました。実際に収録がはじまってみると、すぐに10年前の感覚を思い出しましたし、現場の雰囲気もあのときと変わらないものだったので、改めてそれだけ印象が強い作品だったんだなと思いました。再開にあたっては黒乃先生にメールをしたんですが、「またみなさんに演じていただけることがうれしいです。よろしくお願いします」というご返信をいただきまして、それもうれしかったです。

――再開したドラマCDのストーリーはいかがでしょうか?

斎賀:池田屋のあとは滅びゆく新撰組を描いていかなくてはならないので、演じている私たちもかなりつらいところがあります。でも、お茶を濁すこともなく徐々に滅んでいく姿をきちんと描いてくださっているので、しっかりと物語を紡いでいかなくてはと思いました。

参巻目にかんしては、弐巻で山南さんがああいう形でいなくなったので大分重い展開になってきていますが、その重たさを理解しつつも自分たちの気持ちを押さえて日常を取り戻そうとしているのがいじらしいですし、切ないなと思いました。それに、ここへきてまた新しい展開が見られましたし……。辰兄は闇に落ちていくようなフラグが立っていますし、大事な人を目の前で殺された鈴も狂気を伴って現れましたし。人が壊れていく怖さ、人の根底にあふれている感情が段々と表面に出てきているなと思います。そんな状況で、それを感じていないわけではないはずの鉄くんが一生懸命、自分は自分であろうとしている姿が胸に刺さりますね。沖田としては、身体はどんどん深刻な状態になっていますが、みんなといる時間を大切にしようとしているので、誰かと一緒にいられることの幸せを感じながら演じていました。

うえだゆうじさん(市村辰之助役/以下、うえだ):みなさんがおっしゃるように、お話全体がド深刻なシーンが多くちりばめられているので、そこと隣り合わせた明るいシーンを演じる際には相当なメンタル力が必要で……(苦笑)。スタジオ中静まり返るくらい深刻な展開の後すぐに僕のシーンに突入しますからね。なかなか大変ですよ、正直(笑)。ただこの先、辰兄も特殊な事になっていくと思うので、ひとまずは鉄之助に対しる異常なまでの兄弟愛を意識しながら演じていければと思っております。

根谷美智子さん(明里役/以下、根谷):私は明里という役が大好きだったので、また演じられるとうかがったときは本当にうれしかったです。でも、ストーリーにかんしてはあまりにもかわいそうで……。山南さんと過ごした幸せな時間が少なかったので、そんな少ないなかでも2人きりの時間が描かれていたことはよかったんですけど、ね。しかも山南さん以外の新撰組の方々と会話をするシーンがほぼなくて、やっと会話をしたと思ったら沖田とのあのシーンでしたし(苦笑)。明里としては悲しいながらも、沖田との会話をきっかけに自分自身、一区切りがついたと思うので、また次の闇へ、という感じなのかなと思います。心して挑ませていただきます。

――土師さん、乃村さん、立花さんは印象に残っているシーンなどございましたか?

土師孝也さん(近藤勇役/以下、土師):明里の悲しみをググッと堪える芝居に、ちょっとグッときましたね。根谷さんの京女としての気丈さが、色気を感じさせます。

乃村健次さん(原田左之助役/以下、乃村):今回は何といっても、
沙夜。そして懐かしのサイゾーです。沙夜は相変わらず喋らないな~と思いました。その代わりにサイゾーが喋ろうと……懐かしいシーンがあるかも。

立花慎之介さん(大和屋鈴役/以下、立花):これだけのキャスト陣と一緒にお芝居ができるのはやっぱり楽しいです。そして鈴も前巻よりしゃべりました!!良かった~(笑)。

――他に気になるキャラクターなどはいらっしゃいますか?

土師:自分が演じているキャラクターが、一番なので、気になるキャラクターはいません。土師孝也は、常に自分しか見ておりませんのです(笑)

乃村:3バカは勿論ですが、弟思いの辰之助が気になります。思い込みって、人を動かす力になる気がします。

立花:坂本龍馬ですかね。もともと龍馬の生き様が好きなのでキャラとしても惹かれます。あと名前に「馬」が入っていますし。午年生まれとしては外せません(笑)。

――さて、ここからはガラリとお話が変わりますが、番外編では女性への贈り物がメインのコミカルな物語が描かれています。そこで男性陣のみなさまは、誕生日や記念日にご家族でも構いませんので、女性にどんなものを贈ったことがありますか? また女性陣のみなさまは思い出に残る贈り物についてぜひお聞かせください。

うえだ:毎回、真心を贈っています(笑)。

中田:それが一番だよね!

根谷:でも、真心なんて基本中の基本だよ!!

斎賀:(笑)。ものじゃないとだめみたいですよ。お2人は喜ばれた経験があるプレゼントって何かありますか?

うえだ:相手にとって、そのときに何があると一番便利なのかを考えて贈るので、たぶんどのプレゼントも喜んでくれているのではないかなと思いますけど。

根谷:何が欲しいかを聞く派?

うえだ:聞かずにいろいろ考えて贈る派ですね。贈るものを探すための労力は惜しまずにがんばりますよ。

斎賀:手間も時間もかけて探してくれた贈り物ならうれしいかもしれないですね。確かに真心がこもっています。

うえだ:ね? だから僕は真心を贈ってるんです(笑)。

中田:女性に贈るときって何がいいかな~ってものすごく迷いますよ。自分の趣味を押し付けたからと言って喜んでもらえるものでもないし、かといって何が欲しいかを相手に聞くのは悔しいし。いろいろ想像をめぐらせながら、かつ自分のセンスの範囲内で相手に喜んでもらえる贈り物と考えると、男も結構苦しんでいるんですよ(苦笑)。しかも大体がディナーもセットになるじゃないですか。だからそれも含めて、うえださんがおっしゃっていたように、労力を惜しまずにがんばっています。

――そこまで労力を惜しまずに探した贈り物でしたら、斎賀さんもおっしゃるように女性はうれしいと思いますよ。

中田:ネックレスや洋服、バッグ、その時分に流行っているもの、相手と話していて欲しがっているもの……。これだったら喜んでもらえるだろうなと想像しながら贈りますけど、女性は何をもらったら「うわ~! ありがとう!!」って喜ぶのか知りたいです。

――とのことですが、女性陣のみなさまはいかがですか?

斎賀:まず思い出に残っている贈り物についてなんですけど、18歳か19歳のときに「大人になるんだから、これくらい持っていてもいいんじゃない?」と、母に買ってもらった18金のネックレスです。私はアクセサリー類をあまりつけないので今は身につけていませんが、大事に保管してます。もらったときはうれしかったですし、当時は金なんて高価なものを持つとは想像もしていなかったですし。母が奮発して贈ってくれたんだと思うとうれしかったです。

根谷:男子からプレゼントをもらったことはないの?

斎賀:ないです。

小林:即答でしたね(笑)。

斎賀:だって本当にないもん。女子からはもらうけどね(笑)。

根谷:私はプレゼント自体、あまりもらったことがないですね。もらったときに一瞬「うわ~うれしい!」と思うのはバラの花束ですけど、すぐに「もらったけど、これどうしよう……どうやって持って帰ろうかな」って(苦笑)。だから何をもらったらうれしいかというと……個人的な意見ですけど、一緒に買い物に行くのがうれしいですね。一緒に買い物をしている時間も相手からのプレゼントのひとつですしね。

小林:ここ最近私がもらって嬉しかったのは、チェブラーシカのご当地ストラップです。実はものすごくはまっていまして。旅行先でそこのご当地チェブグッズを見つけては買っているのですが、そのはしゃぎようを見るに見かねた心優しい方々が私がまだ行ったことのない場所に旅行に行ったときにはそこのご当地ストラップをお土産に買ってきてくださったり……(感涙)!!ロシアに行った方が本場のチェブグッズを買ってきてくださったことも……!大はしゃぎでした……!ほかにも、あるお菓子を買ってその応募券を集めて応募するとグッズが抽選でもらえるというのがありまして、芝居の稽古中だったんですけど芝居仲間が近くのコンビニでそのお菓子を買い占めて、応募券集めを手伝ってくれたりと……(感涙!)。そうやって協力してもらっていることもうれしかったです!!

斎賀:つまり小林由美子が喜ぶ贈り物は、チェブラーシカグッズだと。

小林:そうですね(笑)。確実です……!!

――ありがとうございました。では最後に、ドラマCDの発売を待つファンヘのメッセージをお願いします。

小林:今回で第1シーズンがひと段落になります。参巻は本格的に鉄之助が少年期から青年期にバトンタッチする回でもあったり、沙夜ちゃんが登場したり、明里さんも沖田さんもほんと、みんな超切なかったり、今回も聞きどころ満載の巻となっております!!是非私たちと一緒に泣いて笑って楽しんでいただけたらと思います!!

中田:こうやって再始動することができたのは、黒乃先生やスタッフさんの思いと僕たちの願い、そしてみなさんのお声があったからこそです。初期と比べると山南さんのようにストーリー上、いなくなるキャラクターもいますが、また新たに加わったキャラクターもいて、チームがまた違った形で形成されながら物語が描かれています。ぜひ壱巻目から聞いていただいて、「そうだ! 『PEACE MAKER 鐵』はこういうお話だった!」というのを懐かしみつつ、第2シーズンに思いをはせていただければ何よりです。僕たちも今後につながるようみんなで一致団結してがんばります。楽しみにしていてください。

斎賀:みなさまのおかげでドラマCD再始動が実現できたと思います。本当にすてきな作品で、アニメをやったときに「このままで終わりたくない。もっと先をやりたい。できるなら最後までやりたい」とこのメンバーみんなで言っていたことをふと思い出しまして、それが今できていること、できたことがありがたくとても幸せなことだと実感しています。これから先、すごく切ない展開が多くなりますが、彼らの生きた証・生き様としてしっかり見届けてほしいなと思います。今後とも応援よろしくお願いいたします。

うえだ:「参」です。もう「参」なんです。どうぞ宜しくお願い致します。

根谷:参巻目までやってきて、それぞれのキャラクターたちが次の展開に向けて動き出したところです。きっと第2シーズンが待ち遠しくなると思いますよ。引き続き応援していただきつつ、まずは第1シーズンの全3巻をいろいろな気持ちで楽しんで聞いていただきたいなと思います。

土師:今回もお買い上げいただいたら嬉しいです。今後も「近藤勇」をよろしくです!「あきらめましたよ もうあきらめた あきらめられぬと あきらめた」と収録後に何故か?こんな都々逸を思い出した私です(笑)

乃村:ドンドン盛り上がって来てますよ!ただ……今後の新撰組は……あ~何も言うまい!楽しみにお待ちください。

立花:物語もいろいろ動き出しました。大和屋鈴も目的を語り始めて、これからどうなっていくのか楽しみな巻になっています。どうぞ手にとって聴いて下さい。

梶裕貴さん、櫻井孝宏さん

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――ドラマCD第参巻目となる本日の収録はもちろん、壱~参巻目までの収録を終えての全体の感想をお聞かせください。

梶裕貴さん(市村鉄之助・青年期/以下、梶):ドラマCDの壱巻目は、原作でいうところの新しいエピソードからのスタートだったので、物語の流れを逆行しているような印象があります。市村鉄之助・青年期を演じるにあたっては、彼の様子が変わってしまった北上編からの役作りだったので、少し難しさを感じました。オーディションの時は、まだ少年期の明るさを持ったままのシーンしかなく、僕のなかで鉄は「明るく元気で活発」というイメージだったので…余計、ああいう状態になってしまった彼を想像して演じるのは難しかったです。それに、以前キャストトークでも言わせていただいたのですが『PEACE MAKERシリーズ』は、僕がまだ養成所に通っていた頃、既にアニメが放送されているような歴史ある作品でしたので、そんな作品にかかわらせていただけることの責任と喜びを感じつつ…大先輩方と一緒にやらせていただくことの緊張感、作品を長く、深く愛していらっしゃるファンの方々のイメージを壊してはならないというプレッシャーなど、様々な思いが混ざり合い、お芝居に取り組む入口としては、かなりのハードルの高さを感じていました。ですが、いざ現場に着てみると他の出演者の方々がみなさん本当に温かく迎えてくださり親切にしてくださったので、僕はとにかく真摯にお芝居をさせていただくだけだなと思い、収録に臨みました。

――10年以上続いている作品に新メンバーとして入るのはかなり緊張しましたか?

梶:緊張しましたね。ただの新キャラクターではなく主人公本人という立場ですが。小林由美子さんの演じる鉄之助のイメージやインパクトというのは、僕のなかでもとても大きいものでしたし、体格が変わって演じ手が変わっても、鉄之助の本質は変わる訳ではありませんし。今までに感じたことのないようなプレッシャーはありました。

――櫻井さんはいかがですか?

櫻井孝宏さん(山崎烝役/以下、櫻井):新撰組に大きな転機が訪れる頃のお話で辛かったです。抗えない運命や歴史の渦のなかに飛び込んでいく正にその岐路にいるので、複雑な気持ちでいました。やはり情が生まれていますね。新撰組のこの先を知ってしまっているからこそ、それを意識せず「今」に集中してお芝居しました。

――約10年ぶりのドラマCDシリーズ再開だったわけですが、最初にその話を聞いたときはいかがでしたか?

櫻井:この10年間、出演したキャスト陣の口から『PEACE MAKERシリーズ』の話題は絶えず出ていたので、みんなの中では過去になっていないんだなと思っていました。僕自身、いつ再始動しても大丈夫なように気持ちを切らさないでいたので、この時を迎えられてうれしかったですね。物語が途中で止まっていて、気持ちが宙ぶらりんのお預け状態でしたから(苦笑)。10年という時を経て、大きな一歩を新たに踏み出せたことは出演者としては本当にうれしいことでした。

――再始動したドラマCDのストーリーはかなり重いですよね。

櫻井:仲間たちがどんどん姿を消していきますからね。新撰組を描いたひとつの物語として『PEACE MAKER』を楽しんでいただくのはもちろんですが、この作品が史実をどういう目で、どういう表現で描いていくのかが大きな楽しみどころだと思います。多少のフィクションはあれど、そこにある結末は事実ですから。彼らは移りゆく時代の狭間で咲いた徒花のような存在です。やがて滅びゆく儚い存在ですが、物語半ばにある今は精いっぱい生きていたいですね。

――10年間、山崎烝というキャラクターを演じるうえで心がけていることやこだわりはありますか?

櫻井:なまりですね。大事なディティールなので、拙いながらも一生懸命、大切に取り組んでいるところです。方言は彼のアイデンティティのひとつですから。彼らしさはそこに表現されていると思っています。

――なまりの指導というのは、最初の役作りの段階であったんですか?

櫻井:指導は特になくて、自分の知り合いに方言指導してもらっています。関西出身の知人からレクチャーを受けて毎回収録に臨んでいるんですよ、実は。もちろん今回もです。でも、どれだけ時間をかけて教えてもらってもやっぱりエセなんですよね(苦笑)。物怖じせずにやっています。

――今回のお話で印象的だったシーンを教えてください。

櫻井:鉄がデカくなりました。寝ても覚めても成長痛ってすごいですよ(笑)。鉄之助の身も心も成長していく様は、烝としても僕個人としても色々な思いで眺めていました。成長した鉄之助は梶くんが担当しているんですが、素晴らしく滑らかな変化でしたね、きれいな声のグラデーションというか、鉄の成長を音ではっきりと感じることが出来て感動しました。

――お話はガラリと変わりますが、番外編では女性への贈り物がメインの物語が描かれています。誕生日や何かの記念日に、ご家族で構いませんので、女性に贈り物をした経験はありますか?

梶:もちろんあります。小学校低学年だったと思うんですけど、母の日にカーネーションを1輪買って、母に贈りました。当時はまだ母の日の本当の意味あいをわかっていなかったと思うんですけど、母に何かをプレゼントする日ということだけはわかっていて。ただお金を持っていなかったので「お菓子を買いに行くから100円ちょうだい」と母にお願いして、おこづかいを貰って買いました。結局は母のお金ではあるんですが、プレゼントしたときに泣いて喜んでくれたのが思い出ですね。女性へのプレゼントというと、それが一番印象的な思い出です。

――大人になってからは何かをプレゼントした思い出はありますか?

梶:この間、妹と2人でご飯を食べに行った時にごちそうしたことですね。それまでわざわざ会う時間を作って何かをするということがなかったので、そこで妹の近況や悩みごとなどをゆっくりと聞きました。妹は9歳下でまだ未成年ですが、成人式を迎えたらそれを記念して、また何かをプレゼントをしたいなと思っています。

――櫻井さんはいかがでしょう?

櫻井:そりゃありますよ、もう十分大人ですから(笑)。誕生日とか母の日とか、所謂記念日にプレゼントを贈るのが当たり前になってますよね。贈り物そのものよりも、そこにある気持ちが大事です。でも、いらない物を貰うのって嫌じゃないですか(笑)。だから僕は何がほしいか予め聞いておいて、それをプレゼントします。情報が古くて、「それはもう欲しくない」と言われることもありますけどね(苦笑)。僕は人に物をあげるのは嫌いではないので。

――共演者の方にプレゼントをすることもありますか?

櫻井:その場合でもやっぱり「何が欲しい?」って聞いちゃいます。特に欲しいものが出てこなければあげません。場合によっては食事券とか。「何をプレゼントしてくれるのかな?」というドキドキ感は薄れてしまうかもしれないけど、それとは違う楽しみが生まれるんじゃないかなと思っています。

――では、これまでプレゼントされてうれしかった物は何でしたか?

櫻井:物ではないのですが、サプライズパーティーをやってもらったのは思い出深いですね。何年振りかに会う友人が集まっての食事会がベースだったんですけど、それが僕の誕生日のタイミングと重なっていて。僕自身まったく予測できないことだったので、「あ、ありがとう……」みたいな淡白な反応しかできませんでした(苦笑)。嬉しさよりびっくりが上回っちゃったので。

――ありがとうございました。では最後に、ドラマCDの発売を待つファンヘのメッセージをお願いします。

梶:オーディションを受けたときに「(オーディションに)合格すれば、全3巻のドラマCDに出演することになります」というお話をうかがっていたのですが、ありがたいことに合格して出演してみれば、あっという間に参巻目まで来てしまいました。しかもご好評いただいて、「全3巻」ではなく、参巻目は第1シーズンという区切りであり、まだドラマCDシリーズが続くことが決まったというお話を聞いて、今ものすごくうれしいです。
第参巻では回想として、沙夜とのシーンがありました。本編で、まだ明るかったときの鉄之助を演じたのはそれがはじめてだったので、うれしい反面、こういう時間が失われて、今のあの様子になってしまったんだな……という切なさも強く感じました。
鉄は終始辛い気持ちのシーンが多く、それがいつどんな形で終わりを迎えるのかはわかりませんが、少年期のときのような無邪気な笑顔が登場するシーンを演じられる日が来るまで、きっちり演じ切りたいなと思います。
今後の展開も楽しみにしつつ、応援していただければ何よりです。よろしくお願いいたします。

櫻井:このお話は主人公の成長物語であり、同時に一つの集団が衰退して滅びていく様を見守るような生と死を描いた物語でもあります。悲しい、切ない、苦しいといった負の感情を抱くことになりますが、それはすごく大事な事実ですし、その気持ちを持つことで作品への思いがより強まると思っています。まだまだこれから怒涛の展開が待っています。すべてを見届ける気持ちで、末永く応援していただければと思います。

山口勝平さん、鳥海浩輔さん

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――ドラマCD第3巻目となる本日の収録でしたが、アフレコの感想や今回のCDの聴きどころ、印象に残ったシーンをお願いします。

山口勝平さん(永倉新八役/以下、山口さん):この作品は、やはりみんなで収録する方が楽しいです。特に三バカはすぐ側に左之と平助の呼吸を感じながら演じるのとそうでないのでは、こんなに違うんだなぁと自分の中で改めて確認。

鳥海浩輔さん(藤堂平助役/以下、鳥海さん):彼らが抱えている闇みたいなものが見え始めましたね。そんな中での楽しいシーンはこちらとしてもホッとします。

――ご自身が演じているキャラクターの他に、気になるキャラクターはいますか? 理由もあわせてお願いします。

山口:幕末という動乱の時代に生きた人達ですからね。全員気になる所ですね。鉄之助が、この時代をこれからどう駆け抜けて、そして伝えていくのか、楽しみにしています。

鳥海:鈴とかは気になりますよね、やっぱり。ヤバそうです。

――ありがとうございました。では最後に、ドラマCDの発売を待つファンヘのメッセージをお願いします。

山口:いつも応援ありがとうございます。今回も楽しんでいただけたら幸いです。是非、感想なんかも聞かせて下さいね。

鳥海:早くも3巻目です!ますます目が離せない展開になってきています。是非、楽しみにお待ちいただければと思います。

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