初日を迎えた『THE STAGE ラッキードック1 Break Through』ゲネプロレポートが到着

7/31(水)~8/4(日) の期間、草月ホールで上演される『THE STAGE ラッキードック1 Break Through』のゲネプロレポートが到着した。

ゲネプロレポート

<文中に、本編の重要なネタバレを含んでおります>

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18禁BLゲーム『ラッキードッグ1』の3回目の公演が始まった。前二作は、ゲーム全体をぎゅっとまとめた内容だったが、今回は、「脱獄編」を中心に据えて、キャラクター達が出会い、一つになっていく様を丁寧に描いている。
物語の主人公は、四度の脱獄を成功させたジャン・カルロ。別名ラッキードッグ。
彼は、アメリカ合衆国デイバンのマフィアCR:5のただの下っ端構成員で、ムショ生活をそれなりに楽しんでいたが、CR:5の幹部四人が投獄されたことから彼をとりまく環境は一変する。

舞台は、“幹部四人を無事に脱獄させたら、CR:5のボスに就任“という命令を受けたジャンがいる刑務所から幕を開ける。
前作に続き、「18禁ゲームらしい」シーンが随所に織り込まれながら、ジャンは幹部一人ずつと接近し、看守の見回りスケジュール把握、脱獄ルート確保など一歩一歩脱獄への準備を始めていく。材料が揃ったと思われた頃、幹部の一人・ジュリオがジャンを侮辱されたという理由で乱闘事件を起こし独房に入れられかける。そうなると「全員揃っての脱獄」は不可能になる。その上確保していた脱獄ルートまで看守に見つかるという八方塞がりな状態に陥る。
CR:5の敵対組織GDとはムショの中では休戦しているはずだが他に見えない敵がいるのか?それとも、裏切り者がこの中に?互いに疑心暗鬼を抱えながら関係を深めていく。

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客席から現れたラグトリフ(松本旭平)はCR:5の傍観者であり、観客とデイバンをつなぐストーリーテラーでもある。
舞台セットはホールの高さを活かしたもので、目まぐるしく変わるシーンは、暗転を挟むことなく小気味よく進んでいき緊張感を途切れさせない。クリスマスイベントを挟んで四回目の共演となる続投キャストは「出会いの頃の丁々発止の状態」をときには刺々しく演じる。
相手によって柔軟に対応を変えていくジャン(堂本翔平)、そのジャンと唯一面識のあるベルナルド(杉江優篤)はジャンを妖しく誘い、どこか陰のあるルキーノ(山内圭輔)はジャンを荒々しく壁に押しつける。最初からジャンを信望するジュリオ(輝海)は静と動のメリハリが初々しく、イヴァン(佐藤慎亮)とジャンのやりとりは子供のような無邪気さえ漂い、これまでの舞台とはまるで違う一面が次々と現れて目が離せない。
今回の舞台の目玉の一つは、4人分の日替わりシーン。1公演につき2箇所用意されており、片方は一夜を過ごすかなり濃厚な場面となっている。
もう一つは原作にもある「演奏シーン」。旅芸人と偽装して「Jailbreaks of the century」を演奏し歌うCR:5は「脱獄編」ならではのシーンで、公演が始まるまでトップシークレットだったという。そして、カーテンコール「Entrust to the future」では、デイバン到着後のCR:5ということで、囚人服姿からスーツ姿へと一変してデイバン市民に新・CR:5としてお披露目という意味も兼ねる。
最後の曲でペンライトが使用可能になったが、用意するタイミングは、ストーリーテラーのラグトリフがきちんと教えてくれるので安心してほしい。

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暗い刑務所から始まり、デイバンでのアッパーな曲で幕が下りるこの舞台は、終わってしまえばもう一度頭から観たくなり、また、この舞台の続きが、初演・再演の『first luck』ということで、間違いなくこれまでとは違った目線で既発のDVDを楽しむこともできる。過去と未来が交差した、大きな一つの輪のような舞台を是非経験してほしい。
千秋楽はニコ生で中継もあるので、そちらでもぜひ楽しんでほしい。

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『THE STAGE ラッキードック1 Break Through』

7/31(水)~8/4(日) 全9公演 草月ホール(青山一丁目)
公演チケットは劇場窓口とカンフェティにて販売中!

公式サイト
(C)WoGa (C)STAGE CR:5
Photo by 吉岡 普