石原夏織さんの1stライブが、2018年12月29日に埼玉・大宮ソニックシティ大ホールにて昼夜2回公演で開催された。3月に1stシングル「Blooming Flower」をリリースして以来、無我夢中で走り抜けてきた2018年を締めくくる大舞台をひと目見ようと、会場には大勢のファンが詰めかけた。ここでは夜の部の模様をレポート。
1曲目「Sunny You」(アニメ「怪獣娘(黒)～ウルトラ怪獣擬人化計画～」主題歌)でステージに設置されたセットの上段から登場した石原さんは、2階まである客席の全体を見渡して「Sunny Spot Storyへ、ようこそ！ みんな、楽しもうねー！」と高らかにライブのスタートを宣言。歌の途中でセットから降りていき、ステージの前方に歩み出ることでファンとの距離も縮まり、より会場の一体感が増していく。続く2曲目「CREATION×CREATION」(スマートフォンゲームアプリ「絵師神の絆」主題歌)の冒頭では「みんなも一緒に声出していくよー」と客席に呼びかけ、ファンはそれにこたえて一段と熱気のこもった声を出していく。その声援を受け取った石原さんはすっかり笑顔になっていた。
「12月29日、この日をずっと待っていました！ こんなにたくさん集まってくれて、みんな素敵な笑顔で本当にうれしい！！ みんな、幸せですか？ 私も幸せ～！」
幸せいっぱいな気持ちで始まったこのライブは、3曲目「虹のソルフェージュ」、4曲目「半透明の世界で」と歌を重ねていくうちに、さらに幸せが増幅されていくようだった。着替えのためにいったんステージから下りると、石原さんがかねてからの念願だったという川下りにチャレンジした映像が上映された。8月に行われたバースデーイベントのゲームコーナーで獲得したプレゼントでもある川下り体験では、途中で岩に激突したり、顔に水がかかったりしながらも無事にゴールまで辿り着き、映像内の石原さんに客席から惜しみない拍手が送られた。
すると、着替え終わった石原さんが「1、2、1、2……」とボートを漕ぐジェスチャーをしながら登場。実際に川下りを体験しての感想や撮影の裏話についてトークを繰り広げつつ、“今やってみたいこと”としてペンライトを使って客席に虹を作ることを提案。レッド・イエロー・グリーン・ライトブルー・パープルの5色からなる虹が完成した光景は、きっとステージから見て格別の眺めだったに違いない。
5曲目は「私にとって素敵な気持ちをたくさん教えてくれた、かけがえのない作品」というTVアニメ「色づく世界の明日から」より、オープニングテーマ「17才」をカバー。ちょうど地上波で最終回が放送された直後のタイミングということもあり、タイトルコールをした瞬間には驚きと喜びの入り混じった大歓声が客席から沸き起こっていた。この作品で石原さんが演じた主人公・月白瞳美の「色を失った」という設定に合わせ、ステージ上のモニターが最初は白黒で映し出されるというのも心憎い演出で、そのモニターに色がついたところで最終回の内容を思い出した人も多かったのではないだろうか。また、ヒロインの鶴眞心乃枝役で出演したTVアニメ「この中に1人、妹がいる！」からはエンディングテーマ「Heavenly Lover」を“鶴眞心乃枝ソロver.”として披露。当時から応援しているファンにとっては、ちょっと懐かしい気持ちにさせてくれる時間となった。
「Orange Note」ではさわやかな、「empathy」「雨模様リグレット」ではちょっとしっとりとした曲を歌い上げ、さらに、その間に流された映像では神奈川・さがみ湖リゾートプレジャーフォレストの人気アトラクション「マッスルモンスター」におっかなびっくりしながらも果敢に挑戦する姿が映し出されるなど、中盤ではさまざまな感情の振れ幅を見せてくれた石原さん。
そんな石原さんがバシッとクールな表情を決めたのが「Ray Rule」から始まるダンスパートだ。4名の“夏織ダンサーズ”を引き連れてのパフォーマンスはスタイリッシュさと力強さを兼ね備え、映像内で泣き虫な一面を見せた石原さんとはまるで別人のようでもあった。「Untitled Puzzle」「Singularity Point」と合わせての計3曲、歌とダンスでファンを魅了した石原さん。気づけば、あっという間に終演の時間が近づいていた。「次が最後で寂しいんだけど、ここまでみんなと本当に楽しい時間を過ごせて幸せでした！」と言う石原さんは、「Blooming Flower」を歌ってライブ本編を締めくくる。
アンコールを受けて再びステージに姿を見せた石原さんは、このライブにかけた気持ちとファンへの想いをゆっくりと語り出す。
「今年1年はファンのみんなと近くで会うタイミングが多くて、いつもみんなが優しく受け入れてくれるし、“1stライブ楽しみにしてるよ”と言ってくれる言葉が力強くて……。本当にこの日が迎えられたことが、私はすごくうれしかったです。デビューしてから、まだ1年たっていないけど、みんなのおかげで毎日幸せな日々を送ることができました。これからもみんなとたくさん一緒に歩んでいきたいし、ちょっとずつ思い出を積み重ねていきたいと思っています。なので、これからもずっと、よろしくお願いします！」
泣き虫な石原さんが、こぼれ落ちる涙を抑えながら語った、心からのメッセージ。みんなとの思い出を積み重ねていくための、1stライブという輝かしい第一歩は「? Melody」、そして二度目の「Blooming Flower」でフィナーレを迎えた。
「これからもたくさん思い出つくろうね！」
何度も「ありがとう！」と叫んで、何度も大きく手を振って、ステージから去っていく石原さん。ライブが終わると、新しい年がもうすぐそこ。2019年の石原さんがどこまで大きな飛躍を遂げるのか、楽しみに見守っていきたい。
