『DEVILMAN crybaby』声優陣はデビルマンの新作アニメにどう向き合ったのか。内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみら登壇のトークイベントが開催

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Netflixにてオリジナルアニメ『DEVILMAN crybaby』が配信されたことを記念して、内山昂輝さん(不動明役)、村瀬歩さん(飛鳥了役)、潘めぐみさん(牧村美樹役)ら声優陣が登壇したトークイベントが開催された。
会場には、いま最も旬なキャストを一目見ようと、200人以上もの観客が詰めかけた。3話までの上映を終えたばかりとあって、興奮冷めやらぬ会場に、「よくサバト(本編中で悪魔を呼び出す儀式)から生き残りましたね」とMCの吉田さんが呼びかけると、観客たちは待ちきれない様子。内山さん、村瀬さん、潘さんが登壇すると、会場には割れんばかりの拍手と歓声が起こり、3人の挨拶で盛り上がりは一気に最高潮に達し、イベントがスタートした。

今回は配信後ということもあり、すべて“ネタバレあり”のトークイベントということが告げられると、LINE LIVEを観ている観客に向けて吉田さんが「まだ観られていない方は音声をオフにして映像だけでお楽しみください」と話すと、村瀬さんが「僕ら二人は良いけど、比較的顔が変わらない内山昂輝が…(笑)」とニヤニヤ。楽屋でも村瀬さんと潘さんの空気が「女子校のようだった」と吉田さんが乗っかると、村瀬さんは「女子じゃない!」と女性の声を真似て突っ込み、観客からは大きな拍手が巻き起こった。内山さんをこのやり取りを見て楽しんでいる様子で、「いつもより笑顔!」と潘さんも盛り上がっていた。

本作で、主人公の不動明として、デビルマンになった明の声も演じた内山さんは、「どれほど自分の声が使われてるか分からない。デビルマンとして動き回るときは、声にエフェクトをかけてると思うので」と語ると、思わず全話を2回観たという吉田さんは「今までの内山くんの役の中でも特に全力のように感じました。感情の部分は完全に内山くんが出てる」と絶賛し、観客たちも納得の表情。また、デーモンが体に入り、変化する前の気弱な頃の明も演じた内山さんを、村瀬さんや潘さんも可愛いとべた褒め。一方、内山さんは「最初は了のオーディションを受けたんですが、結局明の声をやらないまま監督に『明やりましょうね』と言われました。更に気弱な明もいて『どうするんだ、これ』と(笑)」と振り返ると、潘さんも「知らなかったの!?」と驚いた様子。

しかし、「ピンポン THE ANIMATION」でも湯浅監督ら本作のスタッフと組んだ内山さんは、信頼感があったといい、湯浅監督からもできると思って任せたら、やっぱりできたと言われたそう。湯浅監督の指示もシンプルだったといい、「1話は『かわいらしく天真爛漫な明を演じて』と言われました」と、渋々語ると、村瀬さんと潘さんは「かわいかったよ」とにやり。村瀬さんは「台詞マネしたもん」と、ハマっていた様子だった。明と旧知の仲だが、考えの違いから対立することになる、飛鳥了を演じた村瀬さんについては、了が周りにいるタイプでないため、最初は困ったといい、「原作だと了は表情に出るけど、アニメだとあんまり表情が動かない。外から見えないけど、内にあるものを拾っていく仕事だと思いました。と振り返り、「了はあまり感情が出ないが、演じてふりをすることはできるタイプだと思ったので、アジテーションのシーンでは感情が外に出てくるように演じました。途中から自分で自分のことが分からなくなっていくけれど、10話でやっとフラストレーションから解き放たれて、それまでの役作りを活かせました」と満足げに語ると、内山さんらも感心しきりの様子。

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また、役柄から英語の台詞が多く、監督はネイティブレベルで英語が話せるキャストを求めていたといい、帰国子女である村瀬さんは謙遜しつつも、「声優のお仕事始めたころはモブキャラで英語要員をやってました。本作の最後のハルマゲドンのシーンでも、世界が舞台になるからオーストラリア訛りの英語を話せる方が起用されたりしてます」と話すと、内山さんが「これは声優になるのが大変な時代になりましたね」と老齢のようなコメントをして振り返ると、会場は大きな笑いに包まれた。
一方、本作のヒロイン・牧村美樹を演じた潘さんは、自分の番になると、9話の魔女狩りで美樹の首がさらされるシーンをジェスチャー。村瀬さんが「恐ろしい女だな!(笑)」と突っ込みを入れるも、天真爛漫な様子の潘さんに、会場は癒されている様子。内山さんは「よくあんなにポジティブな感じで、嫌みにならないなと思いました」とほめ、村瀬さんも同意すると潘さんは「ま、人柄かな!」と茶目っ気たっぷりにリアクション。内山さん・村瀬さんはぐうの音も出ない様子で、吉田さんが「二人はまず『人柄かなー』って言えないですもんね(笑)。

まさに潘イズム!」と鋭く突っ込みつつ潘さんをほめると、内山さんと村瀬さんも苦笑しつつ頷いていた。また、潘さんは9話について、「二人は大変だったと思うけど、私はあんまり疲れなかったです。美樹の最期も明が立ち上がるきっかけになったと思って、『役割が果たせたな』と」と振り返ると、まさに地で美樹そのものの潘さんの人柄に、観客らも感心した様子。村瀬さんは「そんな9話の時、了は『明、遅いなー』って、彼氏を待つ彼女のような感じでした。監督からもそういう指示を受けた」と話し、再び観客の笑いを誘っていた。

また、アフレコについては、テレビの現場とあまり変わらなかったとしつつ、テレビアニメでは後半は視聴者の反響を見ながら収録するが、Netflixが全話一挙配信という点が違うと語った。内山さんは「こんな過激なものが世に出るのかと。最高だぜ!!」と語り、村瀬さんも「1話の時点でやばかった」と作品を自信をもって送り出せたようだった。

今回、事前に公式ツイッターで募集したファンからの質問にも回答。1つ目の「自分のキャラでお気に入りの台詞は?」という質問については、潘さんは「『だって家族だろ』」と劇中の美樹の声を再現し、大きな拍手が起こり、吉田さんも「蘇ってきましたね!」と絶賛。村瀬さんは「『明、遅いなあ』」と再び9話のシーンの台詞を言うと、観客は爆笑。もう1度女性の声色で再び観客の笑いを取り、サービス精神の旺盛さを発揮していた。一方、内山さんは「何がOKだったか分からない台詞があります。『俺には愛に見えた』という台詞は100回くらいやった」と言うと、すかさず「盛りすぎでしょ!」と村瀬さんと潘さんから突っ込みが。「25回くらいかな(笑)」と訂正しつつ、「最初は具体的な指示だったけど、『最後はドレミファソラシドの音階で』、『ここでブレスを入れてみて』と、次第に自分がボカロみたいになっていった。いい意味で(笑)」と、撮影の苦労を語っていた。

2つ目の「演じたキャラ以外にやりたいキャラは?」という質問には、内山さんは「ないですね!」と即答。「了でオーディション受けたけど、村瀬くんの了を観たらこれ以上はないなと」と、やり切った様子。村瀬さんは美樹の飼い猫を挙げつつ、津田健次郎演じる長崎役を挙げ、「人間臭い感じがいい」と語った。潘さんは「自分のやった美樹役以外はないですね。ミーコは小清水亜美さんだからこそだし、お母さんもそう。むしろ挑戦したいという意味ではラッパーです!本音をリズムや五感で表現できるってのがいいなと」とまさかのコメント。吉田さんが「湯浅監督にこの座組で別のアニメを作って頂いて、その時に潘さんのラップシーンを入れてほしいですね」と言うと、観客も激しく同意した様子だった。

最後に登壇した声優陣が謝意を述べつつ、潘さんは「お客さんの反応を見ると、キャストだけでなく作品にも興味を持っていただいたのではないかと思います。善悪にまた一つの答えを出せたのではないかと思いますので、ぜひ家でも観て楽しんでください」と熱い思いを語った。村瀬さんは「キャスト一同誇りをもって演じたので、よろしくお願いします」と話し、「テレビでは流れない・流せない作品なので、3話まで観て面白かった方は知人の方にも進めて頂いて、ぜひよろしくお願いいたします」と内山さんが締めくくり、大きな拍手と歓声に包まれて、イベントは幕を閉じた。

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公式サイト

(C)Go Nagai-Devilman Crybaby Project