『ツルネ -つながりの一射-』先行上映会イベントレポート。上村祐翔、小野賢章、福山潤がアフレコのこと、辻峰高校弓道部のことを語る

TVアニメ

1月より放送がスタートしたTVアニメ『ツルネ -つながりの一射-』の先行上映会が、2022年12月25日、東京・東劇にて2度にわたり開催された。この日は第1話・第2話の上映が行われたほか、鳴宮 湊役・上村祐翔、藤原 愁役・小野賢章、二階堂永亮役・福山潤によるトークショーも実施。さらに新PVの初お披露目も行われ、会場は大盛り上がりに。今回は、そんな先行上映会の模様をお届けする。

上映会前半には第1話「夏への矢声」、第2話「気は、輪をかけるように」が2本続けて上映。劇場音響で聴く弓の音や繊細かつダイナミックな映像が、観客の心を一気に作品世界へと誘ったのち、その後、興奮冷めやらぬ観客の拍手に迎えられながら、上村、小野、福山がステージへ登壇。「メリークリスマス!」と挨拶し、トークショーが幕を開けた。まず、第2期発表の反響に触れた感想を尋ねられた3人。2022年8月に行われた『劇場版ツルネ -はじまりの一射-』初日舞台挨拶で、TVシリーズ第2期放送決定の発表に立ち会っていた上村は、「(それからの4か月の間に高まった)期待を越える映像になっていたのではないでしょうか。まさに映画ばりのクオリティでしたね!」と大絶賛。SNSでファンの反応に触れていたという小野は、「今の拍手の熱量から、皆さんが上映を楽しんでくださったこと、そして放送をずっと待ち望んでくださっていたことが伝わりました」と語った。一方、劇場版の公開まで今作に出演することを明かせずにいたという福山は、情報解禁後に改めてファンの期待の大きさや熱を感じたとのこと。その独特の感覚を「音があとからドーッとやって来るようでした」と表現した。

続いて、話題は『つながりの一射』のアフレコのことへ移行。一般に、アニメ作品のアフレコは絵コンテをベースに作成した映像を観ながら行うことが多いが、今作では放送される映像そのままのクオリティのムービーで収録を行っているそう。福山はそんなアフレコ環境について「(映像を観て)感じたままにセリフを言える状況を作っていただけて本当にうれしいです。声優をやらせていただけて幸せを感じる瞬間でした」とコメントした。第1期や『はじまりの一射』から続投する上村と小野は、これまでのシリーズとの繋がりや変化を意識していると発言。小野が、愁について「『はじまりの一射』のときは“湊たちのライバル”という見え方が強かったのですが、第2期ではキャラクターがより見えてくるようにと思いながら収録しています」と語ると、上村も共感しつつ「『はじまりの一射』を経て、湊たちが真摯に弓道と向き合っているという印象がより深まった気がします。第2期のアフレコではそういう空気感がすでにできていたので、それを大事にしながら演じていました」と語った。

次の質問は、「第1話・第2話のお気に入りのシーンは?」というもの。上村は、湊が「弓を引くことで繋がってるつながってる気がするんだ。俺の目指してるものに」と言う、第1話終盤のひと幕をピックアップ。そのシーンは台本のト書きに「ゾクッとするほど純粋な表情の湊」と書かれていたそうで、上村はその記述に負けぬようこだわって収録に臨んだと明かす。アフレコに向けて準備をする際に無音の状態で映像を観ていたという福山は、弓を引くシーンが印象に残ったと回答。アニメーションならではの表現で描かれる弓の動きに「音がないはずなのに、音が感じられるんです」と述べ、客席にも「皆さんも一回、音を消して観てみてください。きっと音が耳に聴こえると思いますよ」と語りかけた。小野が挙げたのは第1話の全校スポーツ大会のシーン。ほかのスポーツをやる弓道部員の姿が新鮮だったと語ったうえで、「湊はなんであんなにサッカーがうまいの?」と上村に質問。「(サッカー選手の)メッシかと思いましたよ(笑)」と言い、観客の笑いを誘った。

『つながりの一射』から登場する辻峰高校弓道部に対する印象を尋ねられた際には、「正統派の風舞高校や強豪校の桐先高校に対して、アウトサイダーな印象のビジュアルになっていますよね」と答えた福山。「物語が最後まで進んだときに、辻峰のメンバーが皆さんの目にどのように映るのか……」と意味深な言葉を続け、観客の期待を煽った。上村は「二階堂にも弓道に対する強い思いがあって、その思いのまま辻峰高校の空気感ができていると思うんです。彼らがこれからこの物語をどのように変えていってくれるのか期待していただきたいです」、小野は「二階堂先輩の話が出たときは必ず無言の愁の顔が意味深に映されているので、愁もきっと思うところもあるのだと思います。それが今後のキーポイントの一つですね」と語った。また、湊や愁に対する印象を尋ねられた福山は、彼らの豊かな才能を踏まえて「切符を持ったふたり」と表現。二階堂と湊&愁の関係について「“切符を持っていない人間”と“切符を持ったふたり”だけど、同じく弓道に向き合っているというところが面白いですね」と、今後の展開が楽しみになるようなコメントを語った。

会場のテンションが高まるなか、ここで新たにPV第2弾が初お披露目。圧倒的な映像美と意味深なセリフが合わさった新PVが上映されると、客席からは大きな拍手が沸き上がった。客席でファンと一緒にPVを堪能したキャスト陣も興奮気味の様子。上村は「鳥肌が立っちゃいますね……」とこぼし、福山は「PVで聞いていただいたセリフが、どういう流れで本編に出てくるのか考えるのも面白いかもしれないですね」と語る。小野は、愁が遼平から「愁くん」と呼ばれていたシーンについて、「めちゃくちゃいいシーンなので早く観てほしいです。……今はそれ以上言うのはやめておきます(笑)」と、もどかしそうに言葉を濁していた。

続く第2回のトークショーでは、「高校別に、今作でのキーワードを教えてください」という質問を投げかけられた3人。上村は「一人ひとりが自分を見つめ直すこと」とコメント。「それぞれのキャラクターの内側が紐解かれていくにあたって、まず自分と向き合う様子が描かれていきます」と、そのワードをセレクトした理由を語る。「藤原家のキーワードでもあり、桐先高校にも繋がっていくキーワード」として、愁の妹である「沙絵」の名前を挙げた小野。「家族と会話するなかで愁の考え方がどう変化し、そのうえで改めて桐先高校のメンバーや風舞高校のみんなと対面したときに愁がどう思うのか。そういう部分がどんどん見えていくと思います」と述べた。そして福山は、二階堂の “斜面打ち起こし”という射形をキーワードとしてピックアップ。今後の二階堂の活躍に対する期待感を高めていった。笑いに溢れたイベントは、大盛り上がりのままエンディングへと突入。ラストはキャスト陣から、会場に集まったファンへメッセージが贈られた。

(福山)「二階堂についてはまだ言えないことも多々ありますが、(物語が進むにつれて)見える人物像も変わっていくのではないかと感じるほど、演じていて楽しい人物です。3校が織り成す人間模様を余すところなく楽しんでいただけたら幸いです」
(小野)「今作ではこれまで以上に桐先にもフォーカスを当てていただいていて、第1期の時よりも愁たちの輪郭がはっきりするという印象を個人的に感じています。そのあたりも楽しみに、今後を見守っていただけたらと思います」
(上村)「二階堂たちが登場して、さらにパワーアップした作品になっていると感じますし、湊たちの成長を僕も一緒に体感し、皆さんと共有できることをありがたく思っています。風舞・桐先・辻峰の弓道部が紡ぐ物語にどうぞご注目ください!」

TVアニメ『ツルネ -つながりの一射-』は、現在毎週水曜日24時からTOKYO MX、26時14分からABCテレビ、毎週木曜日24時からBS11にて放送されているほか、各動画配信プラットフォームでも配信中。地方高等学校弓道大会から始まる各校のストーリーや弓道を通して描かれる友情など、『ツルネ』の新たな魅力とともに“つながり”を感じる作品となっている。

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