「めいこいスペシャルトークショウ ~納涼の宴~」レポートが到着。浪川大輔(森鴎外役)&岡本信彦(泉鏡花役)が明治村でトークショー

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森鴎外ら明治時代の偉人たちとの恋愛をテーマにしたメディアミックス作品「明治東亰恋伽(以下、めいこい)」が、今年 10 月に 10 周年を迎えた。この 10 周年記念イベントの一環として、去る 8 月 21 日(土)、博物館 明治村(愛知県犬山市)にて、浪川大輔(森鴎外役)・岡本信彦(泉鏡花役)が出演する「めいこいスペシャルトークショウ ~納涼の宴~」が開催となった。今回は、当日二部制で行われたイベントの中から、第二部のレポートでお届けする。

浪川さん・岡本さんが明治村で語る、めいこいの“10 年”と朗読劇

トークショウは、明治時代の建築物を移築・保存・展示する「博物館 明治村」を舞台に繰り広げる体感型のコラボ企画「めいこい時間旅行5」の会期中に、スペシャルイベントとして開催された。関係者全員のPCR検査の実施、会場での検温・換気・消毒など、コロナウイルスの感染症対策を徹底した上での実施。会場となった明治村内の「名鉄岩倉変電所」に浪川大輔(森鴎外役)、岡本信彦(泉鏡花役)が登場すると、観客から大きな拍手が鳴り響いた。

明治村とめいこいのコラボは今年で5回目。昨年に続き 2 回目の出演となる岡本さんが、今回初めて明治村に来た浪川さんへ印象を聞くと、「広くてびっくりしました。ふと目をやると、素敵な建物がいっぱいある」と答えた。また、当日は 8 月とは思えないほど涼しく過ごしやすい気候だったが、“雨男”の異名を持つ(?)浪川さんが少し雨が降っていたことに触れると、岡本さんも「“雨神様”がいるのですみません(笑)」とフォローを入れる。

めいこいみくじは“中吉”ラッシュ!?「コラボグッズ紹介をしまショー」

最初のコーナーは、「コラボグッズ紹介をしまショー」。めいこい明治村コラボのグッズをキャスト自らが紹介するという趣旨のコーナーで、まずはコラボグルメを飲食することで貰うことができるコースターを紹介。浪川さんが「僕、がさつそうに見えるでしょ? 実は意外とコースター、家で使うんです。輪染みが気になるから、色々なコースターを試しているんです」と語ると、岡本さんが「そうですね、(こぼれたものを)口で受け止めそうなイメージがあります(笑)。でも、このコラボコースターは(キャラクターが印刷されているから)普段使いはしづらいですよね!?」と返す。

また、キャスト 2 名も、コラボメニューの1つである「鴎外のひんやり鴨葱きしめん」を楽屋で実食したとのことで、浪川さんが「美味しかったです! きしめん好きなので。ラーメンも良いけど、きしめんの喉ごしが好き」と感想を語った。一方で、岡本さんが「鏡花のルビーチョコドリンク、飲んだ方、いらっしゃいます?」と客席へと問いかけると、観客の大半が手を上げ、岡本さんも驚いたご様子。更に浪川さんが「用意されていたのが(鴎外の好物である)饅頭茶漬けじゃなくて良かった。過去のイベントで食べたことあるけど、そんなに美味しくはない(笑)」と正直な想いを吐露すると、岡本さんが「美味しくもないけど、まずくもないというか(笑)」と応えた。はたしてどんな味なのか、気になるところだ。

明治村内の風景と描き下ろしイラストを使用した『思ひ出ポラロイド 3 枚組』や、村内に掲示された広告風ポスターをポストカードにした『明治東亰広告図案集』など、今回のコラボならではのグッズも紹介された。グッズの一部は現在も通販で購入可能だ。
(https://www.chara-ani.com/pickup.aspx?p=meikoi_electronicshop)

コーナーの最後は、コラボで毎回恒例となっている「めいこいみくじ」へチャレンジ。浪川さんは「中吉(藤田五郎)」を引きあて、福山潤さん演じる藤田に寄せた声で「願望…多少苦労はするだろうが、お前なら大丈夫だ」とクールに読み上げると、岡本さんが「(浪川さんが演じている)某怪盗アニメに登場する侍みたいでしたね」と突っ込みを入れ、観客から拍手が。岡本さんは「中吉(川上音二郎)」を引きあて、「“この男前に叶えられないことはないからな!どんと、言ってきな!”…って、これ(音二郎役の)鳥(海浩輔)さんの声で再生されますね! そして、我々のキャラ出ないですね!?」と声を上げる。岡本さんは自分の演じる鏡花に狙いを定め、新たなおみくじを何枚か開いたが、結局引くことが出来ず悔しがっていた。

鴎外 vs 鏡花!? うさぎ柄の風鈴を巡る「朗読劇」

お次は生朗読劇のコーナー。上演されるのは今回のイベントのために書き下ろされたシナリオで、開演と共に、会場内に涼やかな風鈴の SE が鳴り響いた。
物語の舞台は夏祭り。鴎外が、屋台で売られていた「うさぎの絵柄の風鈴」に目を留めていると、そこへ鏡花がひどく慌てた様子で現れる。鴎外は、「鏡花が書いた『海神別荘』、大反響だと聞いている」「(音二郎一座による)芝居広告も(明治村内に掲出されているのを)見たよ」と語るが、対する鏡花はそれどころではない。実はうさぎ好きの鏡花は朝からこの風鈴を狙っていたのだ。だが作家として尊敬している鴎外に対し、はっきりと「自分が買いたい」ということができない鏡花。
「森さんのような、小説家としても医者としても活躍されている立派な方には、もっと相応しいものがあるかと」と精一杯の想いを口にすると、鴎外は「じゃあ、泉くんに選んでもらうかな」と提案する。
鏡花はしどろもどろになりながら、鴎外の興味を、南部鉄器や(明治村近郊の名産品である)美濃焼など、別の風鈴へと誘導しようと試みる。その流れで潔癖症の鏡花が、「風鈴も一日一回は消毒したい」と語り、驚かせる一幕もあった。

一方の鴎外は、鏡花の思惑を知ってか知らずか、穏やかな口調で「どこがおすすめなんだい? 説明してくれたまえ」と解説を求めたり、一瞬だけ別の風鈴に気変わりしたと見せかけて「だがやはりうさぎも捨てがたいなあ」と言い出したりと、一喜一憂する鏡花の反応を楽しんでいる様子。岡本さん演じる鏡花が「だからうさぎはやめてください~ッ!」と叫ぶと、浪川さん演じる鴎外がすかさず「泉くん、声が出ているぞ、声が」と返し、生朗読ならではの小気味よいやりとりに、観客の表情にも笑みが浮かぶ。

やがて 2 人のかけひきは、鴎外がうさぎの風鈴を購入し鏡花へプレゼントするという形で決着がついた。お金を払おうとする鏡花へ「未来の大戯曲家の美しい言の葉を思う存分聞かせてもらったのだ。もっと払ってもらっても足りないぐらいだよ」と語る鴎外。実は鴎外は元々、同居人である春草のご機嫌を取るための贈り物を探していたとのことで、黒猫の風鈴を買って去っていった。
そして春草が機嫌を損ねた原因は、鴎外が特製の饅頭茶漬けをふるまおうとしたことだった……とオチがついたところで、朗読劇は終了。浪川さんと岡本さんの生の朗読をたっぷり楽しんだ観客からは、惜しみない拍手が送られた。

朗読を終えると、浪川さんが「久々に演じられて楽しい。10 年やっていて、特にめいこいはそれぞれのキャラクターも立っているから、非常に世界観が見えやすい」と感想を述べ、岡本さんも「(めいこいに)戻って来られた感があった。朗読は、それこそ浪川さんプロデュースのイベントでもやらせていただいていますが、いつもより距離が近いというか、アットホームな雰囲気でやれました」と語った。

藤田家の味から、浪川家の味まで―!?「夏の思ひ出2011-2021!」

朗読劇の後は、「夏の思ひ出2011-2021!」と題した、めいこいガールズからのメール紹介コーナーへ。めいこい 10 周年を記念して募集した、10 年に限定した夏の思ひ出についてのメールを、浪川さん・岡本さんが紹介した。

「過去の明治村コラボで食べた、“藤田の牛肉のしぐれ煮”の味を思い出します」というメールのを受け、「牛しぐれ煮は確かに美味しい」と盛り上がるお二人。そして浪川さんがこぼした「そぼろとしぐれ煮ってどう違うんだろう」という発言に対し、岡本さんが「うーん……。そぼろの方がコロコロというか、乾燥していて、しぐれ煮の方が……ウェッティ?」と返すと、浪川さんが「絶対食レポやめといた方がいい(笑)」と突っ込みを入れる。以前一緒に食レポ番組もやっていたというお二人だが、岡本さんいわく「だいたいみんな美味しいだけに、感想が難しい」とのことだ。その後、家庭料理の話題から“浪川家のおでんは独特である”といったご実家の話題へと逸れていき、最後には“お母さんがすごい勢いの掃除機で浪川さんを吸おうとした”という衝撃のエピソードも明かされた。

また、会場に来場しているめいこいガールズのメールも読まれ、めいこいキャストが過去のイベントに着物や浴衣で出演した際の思い出等も披露された。

もし本当に「グズ!」と言われたら!? 「めいこいガールズYES/NO調査!」

最後のコーナーは「ご褒美争奪!浪川VS岡本 めいこいガールズYES/NO調査!」。浪川さんと岡本さんの対決コーナーで、会場に集まった観客にアンケートを出し、挙手で答えてもらうことで、「YES/NO」どちらが多数派になるかを予想して当てるというもの。勝った出演者には、明治村のおみやげセットが進呈される。
一問目は「好きな人に“グズ!”とか言われると、反省よりキュンが勝つ?」。“グズ”は「めいこい」作中で、岡本さん演じる鏡花がヒロインに対して度々発する重要なワード。事前予想はお二人とも「YES」だったが、実際の観客の反応はわずかな差で「NO」が勝利し、ポイントを逃した。ちなみに本日の第一部では、圧倒的に「NO」の方が多かったとのことで、浪川さんが「問題の出し方が良くなかったのかな?皆さんをYESの気持ちにさせるような出し方をしないと!」と、反省を語る。

二問目は「この夏、もうスイカを食べた?」。浪川さんは「YES」、岡本さんはスイカバーしか食べていないとのことで「NO」。今回も接戦だったが、「YES」の方がわずかに多く、浪川さんが 1 ポイントリード。

三問目ではバラエティコーナーのお約束通り(?)、勝者には 100 万ポイントが与えられることが急きょ決定。質問は、「バスタオルは、硬い派?柔らかい派?」。浪川さんは「硬い派(YES)」、岡本さんは「柔らかい派(NO)」。硬い派に挙手した観客はたった 7~8 名で、柔らかい派の圧勝だったが、岡本さん感心したように「これ(硬い派)頑張ったんじゃないですか?」とこぼすと、浪川さんが「なんだお前、その“頑張りましたね先輩”みたいな言い方は!」と返す。実は、第一部の同じ問題で硬い派は 2~3 名しかいなかったとのことで、第二部で 7~8 名に増えたのは急成長だという見方だったようだ。だが当然、判定は覆らず、勝者は 100 万ポイントを獲得した岡本さんに決定! 第一部で勝利した浪川さんに続き、岡本さんも明治村のおみやげセットをゲットするとができた。

最後に「単純にお客さんに聞いてみたいこと」として、岡本さんが「実は物の怪や幽霊を見たことがある人!」と問いかけると、何名かの観客が手を挙げる。これを受け、“浪川さんは 3 名、岡本さんは 99 名憑いているらしい”といった話に発展し、物の怪のいる世界観を舞台にした「めいこい」らしいコーナーの締めくくりとなった。

10 周年への感謝と、その先へー

エンディングトークで岡本さんは「めいこいがすごく大きくなり、10 周年を迎えられるのはお客様のおかげです。やっぱり思い返してみると、楽しいイベントの数々があったなあと思います。今はコロナ禍でイベント開催自体が難しくなっている中で、お客様も色々な想いを抱えながら来てくださっていると思います。1 回 1 回を大切にしていけたらいいなと思っている中で、今日は楽しくイベントができてとっても良かったです。ありがとうございました」と語る。

浪川さんは「本当に 10 年というのは短いといえば短い、長いといえば長いと思いますが、これまでやってきたことが今日のコーナーにもあったように、みなさんの中で楽しい思い出として残っていて、語り継がれていくというのはとても素敵なことだと思います。確かに大変なご時世ですが、いつの日かまた楽しく声を出せる日が来ると思います。その時はまた力を貸してください。ありがとうございました」と語り、約 1 時間にわたるイベントは幕を閉じた。

なお、明治村コラボは終了したが、浪川さん演じる森鴎外、岡本さん演じる泉鏡花を含めた好男子全員の新録ボイスドラマも収録した最新アルバム「ノスタルジイ浪漫恋歌集~明治東亰恋伽10 周年記念アルバム~」が現在発売中だ。また、めいこい 10 周年記念に出版される『明治東亰恋伽 10 周年記念ビジュアルファンブック~めいこい追想図録~』も 11 月 1 日 12 時より予約を開始した。10 周年を迎え、ますます盛り上がりを見せるめいこいを、是非お見逃がしなく。

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