やなぎなぎ、コンセプチュアルライブ「colo palette 2021」を開催。2022年にはデビュー10周年企画も

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2021年10月2日(土)、シンガーソングライターのやなぎなぎが東京・日本橋三井ホールにてワンマンライブ「color palette ~2021 Purple~」を開催した。これは“色”をテーマにしたコンセプチュアルライブで、今回のテーマは「パープル」。オープニングナンバー「夜明けの光をあつめながら」を、着席してピアノの伴奏に身を委ねながらクリアな歌声を響き渡らせると、日常を取り戻しつつある満席の会場から、いつもよりも長めの拍手が沸き起こった。
「この1,2年心や体が疲れている方も多いと思うので、今日は安心して音を浴びて下さい」と語り、「時間は窓の向こう側」へ。ストリングスカルテットが登場し、弦の音色を存分に生かしたこのライブ向けの特別なアレンジで歌を披露していく。
ストリングスは優雅さだけでなくアグレッシブさもあり、アップテンポなパートでは歌やピアノと調和しつつステージの熱量を高め、つづく楽曲でやなぎは呼応するように情熱的な表現や、切なげで物語性のある歌声も響き渡らせていった。

「color palette」ではテーマカラーに関係したカバーソングを披露することで知られ、どんな曲を歌うのかをライブ発表時からファンは楽しみにしている。今回選ばれたのは原由子の「花咲く旅路」と、茅原実里の「みちしるべ」。前者は「小さいときから聴いていて、情景が浮かぶ素敵な歌」と語る。ピアノの伴奏のみで沖縄音階での歌唱は普段の彼女の表現とも異なる新鮮さを感じさせた。後者はTVアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の主題歌で、やなぎ自身が外出自粛期間中に「一気観して大号泣」したことから選ばれ、美しいメロディの強弱や高音の響かせ方が印象的だった。

ライブ後半では、「Sleepless Knight」、「嘘月」はやなぎのセルフプロデュース作品からの楽曲。「Coreopsis」はGARNiDELiAのtokuのソロアルバムにゲストボーカルとして参加した際の曲。この日ならではの貴重な楽曲も披露されたまたとないステージだ。また、「いろんな祈りを歌に込めて歌います」と前置きし、TVアニメ「ベルセルク」EDテーマ「瞑目の彼方」も披露された。魂を安らげる歌詞の一節がこのタイミングで歌われることの意味をオーディエンスは強く意識したことだろう。

終盤には「こうやって一緒の時間を共有できる楽しさ、嬉しさ、幸せさとか一公演ごとに噛み締めています」と話し、ライブへの喜びと感謝を語る。アンコール曲「夜天幕」ではスタンディングでタンバリンを持ってリズム良く歌い、間奏中にはバトンを使った手品も披露するなど、ステージからの色とりどりのライティングと相まって晴れやかな雰囲気に包まれた。
アンコールのMCでは2022年の「ソロデビュー10周年企画」の話題に触れ、公式サイト上でファンからの「推し曲」を募集していることを紹介した。「皆さんがついてこれなくなっちゃうくらいのコンテンツを企画中なので、ぜひ一緒にお祝いしていただけたたら嬉しいです」と話すと、大きな拍手を浴びた。オーラス曲は彼女のデビュー曲「ビードロ模様」を、大事に、そして気品あるサウンドに対し堂々と歌い、この日のステージを締めくくった。11月3日には22枚目のシングル「標火」(TVアニメ「最果てのパラディン」エンディングテーマ)もリリースされ、10周年に向けてさらなる活躍を予感させるライブとなった。

本公演は生配信も行なわれた。アーカイブ映像は以下のURLから2021年10月9日(土)23:59まで視聴することが可能。
<URL>https://l-tike.com/yanaginagi

<セットリスト>
M1 夜明けの光をあつめながら
M2 時間は窓の向こう側
M3 ラテラリティ
M4 ファラウェイ・ハイウェイ
M5 花咲く旅路(オリジナル:原由子)
M6 みちしるべ(オリジナル:茅原実里)
M7 Sleepless Knight
M8 嘘月
M9 芽ぐみの雨
M10 Rainy Veil
M11 Coreopsis
M12 瞑目の彼方
M13 砂糖玉の月
M14 カザキリ
M15 link
<アンコール>
M16 夜天幕
M17 ビードロ模様

公式サイト