『ありふれた職業で世界最強』アニメの世界を再現する朗読劇&ライブをレポート 書き下ろしストーリーではユエと香織が意外な勝負

TVアニメ

1月19日、TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のイベント「ありふれた職業で世界最強 -Live & Act-」が開催された。
本イベントはメインキャストから深町寿成さん、桑原由気さん、高橋未奈美さん、日笠陽子さん、大西沙織さん、花守ゆみりさん、加隈亜衣さん、さらに主題歌を担当したVoid_Chords feat. LIOという錚々たる面々が出演した。

イベントは朗読劇とライブでアニメ第1期を再現しつつ、オリジナルのストーリーも見せていく内容。イベント冒頭、主人公の南雲ハジメたちが異世界へ転生するまでを描いたアニメーション映像を経て、流れるようにVoid_Chords feat. LIOが登場し、オープニングテーマ「FLARE」を披露する。

華々しくイベントの幕が上がると、続いてハジメ役の深町さん、ユエ役の桑原さんが登場し、大迷宮でハジメとユエの2人が出会う瞬間を朗読で再現。ステージ上には実際のアニメ映像も流れ、朗読劇であると同時に生アフレコと行った様相で観客を作品の世界に引き込んでいく。

シリアスなシーンを中心にした朗読劇だったが、ときにはハジメが元いた世界の白崎香織との出来事を思い出し、それにユエが嫉妬するという微笑ましい一幕も描かれた。また、要所では香織役の大西さん、八重樫雫役の花守さんも登場し、香織と雫のやりとりもしっかりと描いていく。

ユエのキャラソン「金色に染まる夜明け」を桑原さんがかわいらしく歌い上げると、続いては大迷宮から脱出し、高橋さんが演じるシアとハジメたちが合流する場面が朗読で再現される。シアが仲間に加わったことでコミカルな描写が一気に増していく。
そんな明るい雰囲気が会場を包み込んだところで、今度は高橋さんがシアのキャラソン「FUTURE STEP」を披露。シアらしい前向きな歌詞がハジメたちの旅路に華を添える。

物語の舞台は湖畔の町・ウルへと移り、ここで加隈さんが演じる愛子先生とハジメが再開を果たすことになる。また、竜人族のティオ・クラルスとの衝撃的な出会いもしっかりと描かれ、ティオ役・日笠さんの迫真の演技に観客席のファンも大きな笑い声で応えていた。

そしてハジメと清水の戦いをバックに、愛子先生のキャラソン「Harvest」を加隈さんが披露する。ハジメと清水との戦いではハジメの感情だけでなく、愛子先生の苦悩も同時に描かれており、「Harvest」もまた先生の思いを克明に捉え、物語に深みを与えていた。

場面は変わって大迷宮の90層、ここでは香織と雫たちが魔人族と戦っており、絶体絶命のピンチに陥っていた。そこにハジメが颯爽と登場、香織たちを救う反面、魔人族を冷酷に倒していく様子も描くと、ここで大西さんと花守さんの2人がキャラソン「自分色の未来」を披露する。

イベントが終盤に差し掛かると、朗読劇のテンションもさらに上がっていく。ハジメと雫の会話では、雫が「白髪眼帯の処刑人」「漆黒の暴虐」といった二つ名を立て続けに提案してハジメを追い詰めたかと思えば、ハジメ役の深町さんは海人族の少女・ミュウの声真似をやってみせて会場を沸かせる。

さらに原作者・白米良氏がこの日のために書き下ろしたオリジナルのストーリーも展開。香織を仲間に加え、大砂漠を進んでゆくハジメ一行は、運よく見つけた町で一休み。食事処へ繰り出したところ、舞台の余興を目撃する、という始まり。

それに感化されたユエと香織の争いが勃発。舞台で歌うようなアイドルに相応しいのはどちらかをかけ、マジカル・ユエとトゥインクル・カオリとなって戦いが起こる。勝負の判定は観客に拍手を求め、どちらがより大きいかで決めることに。ユエに対する拍手のほうが大きいようにも感じたが、キャスト陣がアドリブでやりとりする中で、最終的に”ほぼ同じ”という結論に。そんなドタバタとした展開がリアルタイムで巻き起こっていくのも今回の朗読劇の魅力と言えるだろう。

するとステージ上には日笠さんが登場し、ティオのキャラソン「DRAGON’S HIGH」を披露する。日笠さんは観客に対して立つように煽ると、さらに間奏ではコールアンドレスポンスも。朗読劇中心のイベントだったため、落ち着いた雰囲気になることも多かったが、日笠さんのライブだけはまったく別の空間が生まれていた。

朗読劇とライブのみで進行した濃密な今回のイベント。キャスト陣が自由にトークを展開したのは、すべてが終了した最後のあいさつのみ。徹底的にデザインされたステージは第1期の物語を振り返るには十分すぎる内容で、第2期への期待も高まる1日となった。

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(C)白米良・オーバーラップ/ありふれた製作委員会