『ハイスクール・フリート』オールナイト上映会でキャスト・スタッフがこれまでの道のりを振り返る 夏川椎菜のオーディション合格は「叫び声」が決め手だった

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12月14日、東京・新宿バルト9にて、アニメ『ハイスクール・フリート』のオールナイト一挙上映イベントが開催。そのオープニングに、夏川椎菜さん、麻倉ももさん、古木のぞみさん、黒瀬ゆうこさん、鈴木貴昭氏(原案)の総勢5名が登壇しトークを行った。

最初の挨拶では、夏川さんがオールナイト一挙上映イベントに登壇するのはこれが初めてと告白。夜遅くにもかかわらず満員の客席に驚いている様子だった。
また古木さんは最初からテンション高めで、自己紹介を忘れたままトークを繰り広げて愛情の笑いを誘う。
そして黒瀬さんは挨拶もそこそこにラップを披露し、会場を戸惑わせる。そのタイミングで「事前に打ち合わせをしていた」という麻倉さんが「そのネタ、あんまり面白くない…」とツッコミを入れる。最初の5分間で早速息のあった掛け合いを見せ、ファンを『はいふり』の世界に引きずり込んでいく。

そんなキャスト陣のトークを見ていた鈴木氏は、「別の作品ではよくここでトークしている」と話すが、「キャストの皆さんからこんなに圧を感じるのは初めて」と苦笑いを見せていた。

劇場版の公開を間近に控えたタイミングだが、TVシリーズからはすでに3年以上の月日が経過している。当時のことを振り返ることになると、夏川さんは「まさか合格していると思わなかった」とオーディション当時のことを話す。岬明乃のオーディションでは「いっけえええええええ」という叫び声を要求され、まずはよくある声量で叫んだところ、「もっとやってください」とされ、キャラクターの性格とは関係ない本気の叫びを披露したという。

キャラクターを無視した声では不合格になるのでは、というのが夏川さんの思いだったようだ。しかし鈴木氏は「叫び声こそが大事だった」とオーディション時のポイントを思い返す。岬明乃は艦長として、さまざまな場面で大声を張り上げる、そのため、「叫ぶときに声が裏返ったりするのはダメ」であり、「本気の叫びが聞けたから、夏川さんを選んだ」といった鈴木氏の思いが合ったとのこと。

古木さんはテープオーディションの段階で納沙幸子を受けていたものの、「スタジオに行ったらたまだった」と話す。たま役でのオーディションでは、「うい」で喜怒哀楽を表現させられたり、ラットに感染した際の演技を求められたりと、苦労もあったそうだ。

鈴木氏は企画の始まりを振り返ると、「艦船をテーマに作って欲しい」とのオーダーをもらい、ちょうどアイディアがあったことがきっかけだったと明かす。ただし、艦をテーマにする際のハードルも多かったと鈴木氏。ひとつの艦には多彩な役割を持つ乗組員が存在し、30人以上いる晴風のメンバーも「削りに削って」この人数になったというのだ。
また艦についても、「もっと出したかったものがある」と鈴木氏は語る。こちらは設定上存在するものの、製作工程の問題で作中に登場することはなかったとのこと。しかし、「劇場版ではちょろっと出るかも…」と口を滑らせる一幕もあり、観客席からは拍手が巻き起こっていた。

さて、そんな劇場版では「競闘遊戯会」という学園祭が描かれる。ということで、キャスト陣の学生時代の学園祭の思い出トークが繰り広げられることに。黒瀬さんは中学、高校時代は生物部だったそうで、「かっこいいから」という理由で部員がみんな部長になりたがったと当時のエピソードを話す。
誰が部長になるかを決めるため行われたのが、近所の畑でバッタを何匹捕れるかの競争。意外な決め方に会場がどよめく中、黒瀬さんはバッタを捕まえるのが得意で、副部長になれたと楽しげに当時の思い出話を披露した。

麻倉さんは高校時代、体育祭もなく、学生っぽいことはあまりなかったと告白。そんな話をしていると黒瀬さんが、麻倉さんから学生時代の写真を見せてもらったことがあると呟くと、これに驚きの表情を見せたのが夏川さん。
TrySailのメンバー同士でもあるが、麻倉さんに学生時代の写真を見せてもらったことはないというのだ。
「私の写真も子供時代から見せるから見せて!」と懇願する夏川さんに対して、麻倉さんは「重すぎる…(笑)」とタジタジな様子だった。

最後はフォトセッションを挟んで、登壇者がこれからオールナイト上映を楽しむファンにメッセージを送る。その中で鈴木氏は「劇場版の制作も佳境で、もうすぐできると思います」と力強い言葉を残し、会場をあとにした。

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記事初出時、タイトル部分の夏川椎菜さんの名前を間違えて掲載しておりました。お詫びして訂正いたします