劇場新作アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』原作者・富野由悠季から映画化に際してのコメントが到着

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劇場版3部作の新作アニメーションとして来冬以降公開を予定している『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』について、原作者である富野由悠季氏から、映画化に際してのコメントが到着した。
本作は、ガンダムの生みの親でもある富野由悠季監督により、1989年に出版された同名小説を原作とする作品。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)で苦い別離を経験した、ブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。

監督を『虐殺器官』の村瀬修功氏が務めるほか、脚本は『機動戦士ガンダムUC』のむとうやすゆき、キャラクターデザイン原案を『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の美樹本晴彦氏、キャラクターデザインをpablo uchida氏、恩田尚之氏、工原しげき氏の3名が担当。メカニカルデザイン原案には森木靖泰氏、メカニカルデザインはカトキハジメ氏、山根公利氏、中谷誠一氏、玄馬宣彦氏の4名、音楽は『機動戦士ガンダムUC』の澤野弘之氏が手がける。

映画化に期待する

原作者:富野由悠季

 30年ちかく前に書いたノベルスの映画化は、原作者として嬉しい。まさかという驚きがあった、しかも三部作。 製作関係各位から、本作のテーマは現代にこそ必要だと判断をされてのことだと聞けば、あらためて内容をチェックした。そして、また呆然とした。
 現実の世界は進歩などはしないで、後退しているかも知れないのだ。だから、ガンダムのファンの皆々様方が牽引してくださった道筋があったおかげで、今日、本作のテーマが現実にたいして突きつける意味があると知ったのである。
 その意味では、本シリーズを牽引してくださった皆様方に感謝をするだけである。
 同時に、諸君等ひとりびとりも本作のメッセージの希望である解決策を次の世代は開拓してもらいたいと願ってのことでもあろうとも想像する。
 すなわち、大人になったガンダムファン世代は、ファンの力だけではリアリズムの閉塞感と後退感を突破する力はなかったと自覚もしたからこそ、その申し送りを本作に託していらっしゃるのではないかとも想像するのだ。
 アニメがリアルである必要はないのだが、映画という公共の場に発表されるものであるのなら、少なくとも幅広く若い公共に響くものであっても良いのではないかと信じるのである。
 製作する世代が若くなり、それを享受する観客がさらに若くなれば、それら次の若い世代が、いつか人の革新――ニュータイプ――への道は拓いてくれるのではないかと信じるのである。

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