KADOKAWA、2020年4~9月の映像部門は売上高17%減の132億円 電子書籍・電子雑誌は四半期ベースで過去最高を記録

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KADOKAWAは10月29日、2021年3月期 第2四半期(2020年4月~9月)の決算を発表した。連結実績を見ると、売上高は前年同期比2.9%減の約975億円だが、営業利益は半期ベースで過去最高の約78億億円を記録した。

出版事業の売上高は601億29百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は46億80百万円(前年同期比41.5%増)といずれも好調。電子書籍・電子雑誌事業の校長は顕著で、四半期ベースで、過去最高の売上高(111億円)を更新。

4月~9月では「ダンジョン飯(9)」(コミックス)、「ソードアート・オンライン(24) ユナイタル・リングIII」(ライトノベル)、「あつまれ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド」などの販売が好調に推移。また、商品化・ゲーム化等の権利許諾も収益貢献したという。

今後は電子書籍で話売りやサブスクリプションサービスにコンテンツを積極投入。また「続・魔法科高校の劣等生メイジアン・ カンパニー」「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3」「涼宮ハルヒの直観」といった注目作をリリースする。

映像事業の売上高は132億32百万円(前年同期比17.6%減)、セグメント利益(営業利益)は8億42百万円(前年同期比52.1%減)。
北米、中国に向けたアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「デカダンス」「天晴爛漫!」「宇崎ちゃんは遊びたい!」等の海外権利許諾や国内配信収入に加え、「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」など、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾が収益に貢献した。

一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、第1四半期を中心に映画館の営業自粛や座席数の制限による映画配給やデジタル映画鑑賞券「ムビチケ」等への影響が見られた。映像・音響制作を手掛けるスタジオ事業については、第1四半期に新型コロナウイルス感染症による減収影響を受けたものの、第2四半期には前年同期の水準まで回復しているという。

今後は新型コロナウイルスの影響で映画興行のマイナスが響くも、配信事業とライセンスの強化によりカバーすると見通しを示している。