KADOKAWA、2020年4月~6月の売上高は前年同期比18.2%減 アニメ制作遅延による「期ズレ」、映画館の休業も影響

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KADOKAWAは、7月30日、2021年3月期 第1四半期の決算を発表。映像・ゲーム事業の売上高は、前年同期比18.2%減の99億37百万円という結果になった。

映像は、北米、中国に向けたアニメ「天晴爛漫!」「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」「プランダラ」等の海外権利許諾に加えて、「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」等の当社IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾が収益に貢献した。
一方で、コロナ影響によりスタジオ事業やアニメの制作遅延、海外向け版権販売の延期等の「期ズレ」が生じた(いずれも需要は継続)ことに加え、映画館の休業や座席数制限も影響し、前年同期を下回る結果となった。

ゲームではスパイクチュンソフトより発売の『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』の売上増、フロムソフトウェアによる『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、『DARK SOULS』シリーズも収益貢献が継続している。

そして出版事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、主に都市部での書店の営業自粛による影響があったものの、「ダンジョン飯(9)」(コミックス)、「ソードアート・オンライン(24) ユナイタル・リングIII」(ライトノベル)などの販売が好調に推移。
電子書籍・電子雑誌は、市場全体が伸長していることに加え、機動的なマーケティング施策により引き続き好調に推移し、当四半期は四半期ベースで過去最高の売上高を記録。

この結果、出版事業の売上高は292億54百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益(営業利益)は21億44百万円(前年同期比12.2%増)となった。

決算説明資料によると、今後はデジタル事業をさらに強化する方針で、アニメ、実写の映像作品は自社及び他社配信サービスへ積極展開。
有料ネットイベントを強化。ライブやライブコマース、投げ銭も展開するとしている。

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