バンナムHD、4~12月営業益は3.2%増の720億円 大人向けや定番IP玩具好調 映像音楽とアーケード施設の減益カバー ゲームは堅調

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バンダイナムコホールディングスは、2月6日、第3四半期累計(19年4月~12月)の連結決算を発表し、売上高5325億円(前年同期比0.7%増)、営業利益720億円(同3.2%増)、経常利益734億円(同2.8%増)、最終利益529億円(同1.1%減)だった。

同社では、国内外のハイターゲット層(大人層)に向けた商品が人気となったトイホビー事業が好調に推移したほか、各事業の主力IP商品・サービスが安定的に推移した、としている。

 

セグメント別の状況は以下のとおり。

[トイホビー事業] 売上高は2009億円(同9.3%増)、セグメント利益は286億円(同29.9%増)となった。国内では「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア等のハイターゲット層(大人層)向けの商品、「DRAGON BALL」シリーズや「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズ、「ワンピース」等の定番IPの玩具及び周辺商品が好調に推移した。海外では、アジア地域においてハイターゲット層に向けた商品や「ウルトラマン」シリーズ等の商品が人気となった。欧米地域では、子ども層に加え、ハイターゲット層に向けた商品の販売・マーケティング強化に向けた取組みを推進した。

[ネットワークエンターテインメント事業] 売上高は2320億円(同2.7%減)、セグメント利益は364億円(同3.1%増)となった。ネットワークコンテンツにおいて、ワールドワイド展開している「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズ等の主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移した。家庭用ゲームにおいては、新作タイトル「CODEVEIN(コードヴェイン)」を発売したほか、既存タイトルの「DRAGON BALL」シリーズや「TEKKEN(鉄拳)7」、「DARK SOULS(ダークソウル)」シリーズ等のリピート販売が、ユーザーに向けた継続的な施策により海外を中心に人気となった。

[リアルエンターテインメント事業] 売上高は690億円(同8.1%減)、セグメント利益は11億円(同72.2%減)だった。アミューズメント施設において、国内既存店売上高が前年同期を上回ったほか、バンダイナムコならではの体験を楽しむことができる“場”を提供する新業態の展開を推進した。業務用ゲームは、大型タイトルの発売や人気タイトルのバージョンアップがあった前年同期に及びなかった。

[映像音楽プロデュース事業] 売上高は316億円(同0.1%減)、セグメント利益は55億円(同22.7%減)となった。「アイドルマスター」シリーズや「ラブライブ!サンシャイン!!」、「アイドリッシュセブン」等の映像音楽パッケージソフトの販売やライブイベントの開催、「ガールズ&パンツァー」の新作映像の劇場公開等のIPプロデュース展開により、話題喚起をはかり人気となった。しかし利益面においては、複数の高付加価値パッケージソフトの発売があった前年同期とのプロダクトミックスの違いにより前年同期には及びなかった。

[IPクリエイション事業] 売上高は117億円(同21.2%減)、セグメント利益は35億円(同1.3%減)となった。映像製作においては、40周年を迎えた「機動戦士ガンダム」シリーズ等において新作映像の公開や様々な情報の発信によりIPの話題喚起をはかり人気となった。また、IP創出強化に向け、グループ横断での取組みやアニメ製作体制強化等の施策を推進した。ライセンス事業については前年同期に及びなかったが、利益面では取引形態の構成が変動したことにより影響は限定的となった。

[その他] 売上高は235億円(同4.3%増)、セグメント利益は13億円(同33.4%増)となった。グループ各社へ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。

 

■20年3月通期の見通し

続く20年3月通期は、売上高7200億円(前期比1.7%減)、営業利益750億円(同10.8%減)、経常利益765億円(同11.9%減)、最終利益540億円(同14.8%減)を見込む。こちらは上方修正されている(関連記事)。