ブロッコリー、新作宣伝費や人件費こなして3Q増益確保 高採算『うたプリ』CDとTCG『Z/X』好調 劇場版や新作など”収益の芽”続々

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ブロッコリーが1月10日に発表した第3四半期(2019年3~11月)の単独決算は、売上高が前年同期比で2.1%減の44億3500万円だった。他社からライセンス供与を受けて制作したグッズの売上が低下したことが主な要因だ。イベントの開催時期が前年と異なったことが主な要因で、通年では前年並みに回復する見通しだ。

営業利益は同1.5%増の6億1800万円と増益を確保した。全体の売上が低下したものの、採算性の高い自社IP関連の売上が伸びたことが主な要因だ。ST☆RISHソロベストアルバムなど、『うたの☆プリンスさまっ♪』関連CDが好調だったことに加えて、トレーディングカードゲーム『Z/X(ゼクス)』の販売が好調に推移した。

その結果、『うたプリ』関連の全体売上に占める比率が49.3%から59.8%に、『Z/X』が12.4%から16.1%にそれぞれ伸びた。

同社では、中期計画の一環として、新規コンテンツ育成のための広告・宣伝などプロモーション費を増やしたほか、人員拡充に伴う人件費などを増やし、販売管理費は前年同期比で1億9100万円(19.3%増)と大きく伸びた。しかし、前述の高採算の『うたプリ』関連CDと『Z/X』の販売好調で吸収したという。

投資対象となったコンテンツは、『ジャックジャンヌ』(2020年8月発売予定)と、『マルチポイント×コネクション』(2020年春リリース予定)となるが、リリース時期などを考えると、収益への貢献は来期(2021年2月期)からとなりそうだ。2020年2月通期は減益となる見通しだが、来期以降の飛躍に向けた準備が着々と整っている。

また、市場で注目を集めた『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』の収益についても、来期(2021年2月期)の上期に計上となる見通し。興行収入が18億円を突破するなど好調だったが、2019年12月25日に発売したDVD&Blu-rayのセールスも好調のようだ。これらパッケージ商品の収入配分も含めて精算するという。