東映アニメ、中間期は売上高13%増、営業益9%増と増収増益 ゲームアプリや「ドラゴンボール」「ワンピース」のライセンス収益好調

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東映アニメーションは、10月25日、2020年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、売上高290億円(前年同期比13.4%増)、営業利益86億円(同9.4%増)、経常利益89億円(同8.8%増)、最終利益62億円(同7.9%増)となった。

国内外でのアプリゲーム化権販売や海外で「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の商品化権販売が好調に推移した。

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①映像製作・販売事業…売上高101億円(前年同期比21.0%増)、セグメント利益22億円(同12.8%減)
劇場アニメ部門では、3月に「映画プリキュアミラクルユニバース」、4月に「東映まんがまつり」、8月に劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」を公開した。劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のヒットにより、前年同期と比較して大幅な増収となった。

テレビアニメ部門では、「ワンピース」「スター☆トゥインクルプリキュア」「ゲゲゲの鬼太郎」「おしりたんてい」の4作品を放映した。ゲーム向け音声製作や催事イベント向け映像製作が好調に稼働したことから、大幅な増収となった。

コンテンツ部門では、「映画プリキュアミラクルユニバース」が好調に推移したことから、増収となった。海外映像部門では、「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権の販売が好調に稼働したものの、前年同期にあった北米向け映像配信権販売における複数年契約の反動減などから、減収となった。

その他部門では、国内での映像配信権の販売が好調に稼動したことから、大幅な増収となった。

②版権事業…売上高は161億円(同9.7%増)、セグメント利益78億円(同14.1%増)
国内版権部門では、アプリゲーム『ドラゴンボール レジェンズ』や劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・販促向け許諾が好調に稼動したことから、増収となった。

海外版権部門では、前年同期に好調だった家庭用ゲーム『ドラゴンボール ファイターズ』や、アプリゲーム『ドラゴンボール レジェンズ』の許諾契約の反動減があったものの、複数のアプリゲームの更新契約や新規許諾契約があったことに加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の商品化権許諾が好調に推移したことから、増収となった。

③商品販売事業…売上高23億円(同11.1%増)、セグメント利益1200万円(同35.4%減)
劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開による活況で、キャンペーン向けのノベルティグッズやショップ事業の「麦わらストア」が好調だったことから、大幅な増収となった。ただし、前年同期にあった収益性の高い海外のイベント物販に相当するものがなかったことなどから減益となった。

④その他事業…売上高4億円(同7.3%増)、セグメント利益300万円(前年同期4700万円の赤字)
催事イベントやキャラクターショーなどを展開した。「おしりたんてい」のキャラクターショーが好調に推移したことから、増収となった。

なお、2020年3月期通期の予想については、10月23日に予想の上方修正を実施しており、売上高550億円(前期比1.3%減)、営業利益150億円(同4.7%減)、経常利益153億円(同5.9%減)、最終利益107億円(同5.9%減)の見込み。