『泣きたい私は猫をかぶる』Asian Academy Creative Awardsで日本初の最優秀アニメーション作品賞を受賞

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アジアとオセアニアの各国で制作された映像コンテンツを厳正に審査し、全 40 カテゴリーでナンバーワンを決定する国際賞レース「Asian Academy CreativeAwards(AAA’s)」の授賞式が 12 月 3 日(木)にバーチャルで開催され、最優秀アニメーション作品賞日本代表としてノミネートされていた スタジオコロリド 長編アニメ映画第 2 弾『泣きたい私は猫をかぶる』 が見事受賞した。アニメーション映画での受賞は日本初となる。

W 監督の一人、柴山智隆監督からは「この映画は僕の故郷を舞台にしています。たくさんの人の心に届く作品を目指しましたが、とても個人的な思い入れの強い作品でもあります。こうして世界的な評価をいただけたことが光栄であり、とても不思議な気持ちです。」と喜びのコメントが届いた。

【佐藤順一監督 メッセージ】
Asian Academy Creative Awards に『A Whisker Away(泣きたい私は猫をかぶる)』がノミネート戴いたことは、大変な栄誉と思っています。
この作品は、日本で生きている私が日常で感じた世相、あるいは折々に感じている〝生きにくさ〟が、軸にあります。だから、ここで描こうとしていることは、もしかしたら日本の特有のものなのかもしれません。

日常で、もやもやと感じる〝生きにくさ〟はどこからくるのか。思い通りにならないことが多すぎる環境に原因があるのでしょうか?だから、まわりに余計な期待をしないですむように、思い通りにならない現実に慣れようとし、無理にあらがって面倒な事になるくらいならと、気づかなかったことにして、それが当たり前だと思いこむようにしてるのでしょうか。しかし、そうした自分自身による自分への抑圧こそが、生きにくさの原因なのだとしたら。そうだとしたら、外的な環境は大きな原因ではないのかもしれません。

主人公の美代は中学生の少女で、大人達の事情で固められた日常の中で、自分の〝生きにくさ〟を気づかないように、うまくスルーして明るく振る舞っています。その行為こそが〝ねこをかぶる(仮面かぶる)〟こととして描いています。つまり、猫のお面は自分による自分への抑圧であり、お面を捨てて人間に戻ることで、美代は抑圧から脱することができるのです。必要なのは、決して自分を抑圧する巨大な敵を倒すことではないのです。こうした内面的な抑圧を扱った作品が、日本以外で生きる人にどのくらい届くのかは分からないけれど、もし共感してもらえたのなら、少しホッとしますし、私たちの創作にとって大きなステップになります。

それと、この作品を制作したスタジオコロリドは、日本でも最も若い製作スタッフが集まっているスタジオの一つで、その若い力で作られたアニメーション映画が、この『A Whisker Away』です。自作が国外でどのような評価をされるのか、知る機会も少ないですから、こうした機会に海外の作品と並んで評価対象にしてもらえることも、私たちにとって、次の作品を制作するための大きな自信にもなります。いろいろな国の方のたくさんのご意見などを頂けたら嬉しく思います。

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