心に刺さるシーンが沢山。映画『聲の形』完成披露上映舞台挨拶に早見沙織、松岡茉優、山田尚子監督が登壇

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9月17日より公開予定の映画『聲の形』の完成披露上映会舞台挨拶が、本日8月24日に丸の内ピカデリーで行れた。
MCの呼びかけにより、ヒロイン西宮硝子役の早見沙織さん、小学生時代の石田将也役の松岡茉優さん、山田尚子監督が登壇すると、早見さんは「今日観て頂けることが本当にうれしいです、最後まで楽しんでいって下さい、よろしくお願いいたします」。松岡さんは「私は小学生時代の将也を演じました。完成した映画が本当にすばらしくて・・・・これから観る皆さんどうぞ楽しんでください。」。そして山田監督は「ものすごく緊張しています。よろしくお願いします。」とそれぞれ一言挨拶。

MCが登壇前に交わされた、それぞれのあだ名がはやみん(早見)、まっつん(松岡)、なおべえ(山田監督)だったというエピソードに触れるとこれからそう呼ぶことを3人は宣言。リラックスした様子で舞台挨拶に臨んだ。それぞれが演じたキャラクターについて尋ねると、早見さんは「アフレコ現場や私の心意気としては、山田・・・なおべえ(笑)とお話をした際に(硝子は)伝えたいけどなかなか伝えられない、もがいてもがいて一生懸命生きている女の子でした。聖人君子というよりは一日一日を懸命に生きている、そういう気持ちでした」と答える。

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松岡さんは「小学生時代の将也はいじめっこで、なんでだろうって思っていたんですが、将也とずっと向き合うと純粋で無垢で、彼が大好きになりました。この大好きな将也をこれから皆さんに観てもらうことができると思うと楽しみです」そして山田監督は「初めて原作を読んだ時から人の心に寄り添う、心のコアな部分に対して肯定的であろうとする、うまくいかないけどなんとか人と繋がろうとすることが描かれている作品だと思いました。「人と人」として対等に向き合うことを大事に描いていきたいと思って作りました。」と本作への思いを語った。

共演した印象的なシーンとして、早見さん、松岡さんは同じシーンをあげる。「心に刺さるシーンが沢山あったのですが、小学生の硝子と将也が本当の意味でぶつかり合うシーンがあるんです。全然言葉になっていないんだけど伝わっている。それはこの作品の核になっているんじゃないかなと思います」と早見さんが話せば、松岡さんも「そのシーンの収録の時は、わーっと感情的になりすぎて、声がでなくなってしまったんです(笑)」とアフレコ時を振り返った。

山田監督は「そのシーンは、将也聴こうとしているし、硝子は伝えようとしている、お互いに向き合う大事なシーンだったので、そうお二人に思って頂けたなら良かったです。発する声を通してそれが伝わるすごいシーンになりました」とコメント。

そして、会場に来れなかった高校生の将也を演じた入野自由さんからのビデオメッセージでは「今回、映画「聲の形」で表現したいものはこれなんだっていうものがこのフィルムには詰まっていると思います。“聲の形”愛を存分に会場の皆さんに僕の分までぶつけてきてください!」という激励を受け、松岡さんが収録中に入野さんと会い、その後に臨んだクライマックスシーンでは変化があったそうだ。
山田監督は「松岡将也と入野将也がひとりになった。奇跡的な出会いをしているなと思うほどすごかったんです。」と振り返った。

続いて、主題歌を担当したaikoさんからの手紙が代読されると「すごいねー!!」と3人は声を揃え、山田監督は「主題歌のイントロがピアノの練習曲みたいな感じで小学生から高校生まで、その過程をずっとみていてくれるような感じがしてすごくいいんです。」と絶賛。

最後に早見さんは「ふんわりしたやさしい絵柄とやさしい音楽に包まれる映画ですが、内容は鋭利なところも描いています。自分が封印していたものがこじ開けられるような気持ちになることもあるかもしれませんが、今日この時間だけはそういうものを開放して、この作品と自分をぶつけあってほしいと思います」と話す。

次に松岡さんも「いよいよみなさんの元にこの作品が届くのがすごくうれしいです。わたしはこの映画をみて、過去を振り返ることも出来たし、ポジティブにもなれました。明日を生きることがすごく楽しみになります。皆さんにも優しくて温かくて、幸せな気持ちになってほしいです。」とコメントを残した。
そして山田監督は「明日、もう一歩前に進むことができる、そんなちょっとした希望の兆しを灯せる作品になるといいなと思います。」と締めくくった。

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aikoさんお手紙全文

本日は映画『聲の形』完成披露上映会にお伺い出来なくて本当にごめんなさい。
aikoです。
私は「聲の形」が大好きです。漫画を読んで感動して、そのままライブで1冊分のあらすじを話してしまうほどこの漫画が大好きすぎたんです。
そんな大切な「聲の形」の映画の主題歌のお話をいただけるなんて正直意味がわからないというか、嘘なんじゃないかと最初は思ってしまいました。スタッフの方に「本当に決まったよ」と改めて聞いた時はとてもとても嬉しかったです。

「恋をしたのは」は愛する人を想う心の底にある誰にも言えない位揺るぎない強い想いを書きました。

心の中は計れないし、痛みや喜び全てを同じ気持ちで感じる事は出来ないからこそ、想う強さを書きたかったんです。
硝子と将也、そして周りの仲間は私の憧れです。
少しでもいいから「恋をしたのは」が「聲の形」の映画の道端で咲いていられる花になれたらいいなと願っています。
主題歌を歌わせて頂き本当にありがとうございました。

aiko

公式サイト
小説 映画 聲の形(上) (KCデラックス ラノベ文庫)
川崎 美羽 吉田 玲子
講談社 (2016-09-16)

(C)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会