harmoe、1stライブツアー千秋楽・東京公演レポート。「これからもみんなと一緒にまだ見ぬ世界を見ていきたい」

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「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」などの作品で活躍する岩田陽葵と小泉萌香により結成された女性声優ユニット「harmoe」。これまで3枚のシングルと1枚のアルバムをリリースしてきた彼女たちの1st LIVE TOUR「This is harmoe world」、その千秋楽となる東京公演が8月21日(日)にLINE CUBE SHIBUYAにて開催された。

「音楽と物語はいっしょに歩く」をキャッチコピーとして掲げるharmoeは、プロジェクト発足当初からおとぎ話の世界を心地よいダンスポップミュージックに乗せて発信することをコンセプトに活動してきた。その一つの集大成ともいうべき1stライブは「不思議の国のアリス」をテーマにした1stシングル「きまぐれチクタック」の収録曲「キュリオシティ・パレット」からスタート。2人のイメージカラーである青と緑のペンライトに照らされるなかで息の合ったダンスパフォーマンスを披露して、会場全体を一気にharmoeの世界へと引き込んだ。

続く「きまぐれチクタック(Remix)」ではカフェ店員に扮したダンサーが登場し、ステージ上でお茶会が繰り広げられていく。まさに「アリス」の世界観を表現したメルヘンチックな時間が流れていたが、3曲目の「私のヒミツは」では一転して情熱的な空気に変わる。かと思えば「passport」では照明の明るさも落とされ、まるで水中にいるような幻想的な雰囲気となり、このめくるめく世界の移り変わりを瞬時にパッと切り替えて、どの物語にも観客を引き込んでいくのが“harmoe world”なのだと実感させられる。スモークとレーザービームによる派手な演出が目を引く「Jasmine」、さらに「アラビアン・ユートピアン」でアラビアンの世界へといざなわれ、いよいよ旅の舞台は世界中に広がっていく。

白い衣装にチェンジして登場した「Make a pearl」ではこれまでの激しいダンスとはまた違い、しなやかな動きで人魚姫のせつない想いを表現する。雪が舞い散るなかで歌う「雪のかけら」では間奏の部分でステージ上の画面に映し出されるセリフを声ではなく表情で表現するという演出がなされ、2人の役者としての力量を垣間見ることができた。「空想エスケープ」では色とりどりの衣装に身を包んだダンサーたちが登場して、ステージ上は一気に華やかな雰囲気に。現在放送中のTVアニメ「継母の連れ子が元カノだった」のエンディングテーマにもなっている新曲「ふたりピノキオ」では人形のような動きがとてもかわいらしかった。「HAPPY CANDY MARCH」では童心に帰ったような天真爛漫なパフォーマンスが展開され、曲の終わりで見せた2人の無邪気な笑顔も最高だった。

2度目の衣装チェンジを終えた2人がステージに帰ってくると、そこには小さなアクリルスタンドに変わり果てた2人の姿が! ……もちろんこれはちょっとしたお遊びで、本物の2人は観客席の通路を通ってステージに上がっていく。ここで披露する曲は「一寸法師」をテーマにした「一寸先は光」。小さな一寸法師が大きな敵に立ち向かうかのような、ダイナミックなパフォーマンスが印象的だった。物語は一気に大陸へと飛んで「harmony to the West」。中華風の動きを取り入れたダンスの後は、「ククタナ」でジャングルに迷い込む。ダンサーとharmoeの2人を合わせた総勢30名近くによる大迫力のステージに観客は圧倒されそうになっていた。そして「マイペースにマーメイド」を歌い終えた後、2人はライブへの想いを口にする――。

「皆さんのおかげで名古屋も大阪も東京も、本当に素敵な景色をたくさん見させていただきました。そうしたら、もっともっと、まだ見たことのない景色をこれからもみんなと見ていきたいなって、ライブを通して強く思いました。身長も個性もバラバラな私たちですが、だからこそ、私たちだからこそ作り上げられる世界、物語があると思うので、これからもみんなと一緒にまだ見ぬ世界を見ていきたいと思います」(岩田陽葵)

「だいぶ前にライブツアーしますと言ってから、本当にこの日が訪れるのだろうかと日々ドキドキしながら必死に生きてきましたが、無事に開催することができて本当によかったし、配信でも一緒に今この時間を過ごせて本当にうれしく思っています。一人でも多くの人にharmoeのよさを知ってほしいなと思っていたので、こんなたくさんの人が見てくれているなんて、本当にすごく幸せです。『This is harmoe world』の旅は今日で終わりかもしれませんが、harmoeの旅はまだまだこれからずっと続きますので、一緒に歩いてほしいなと思っているんですけど……ついてきてくれますか?」(小泉萌香)

盛大な拍手に包まれるなか、最後に「この先5年、10年たっても虹のように色あせない曲だけど、今歌うことに意味がある曲」という「セピアの虹」を歌い、名古屋・大阪・東京と3都市を回ってきたツアーをいったん締めくくった。

アンコールでは「Wonder girl」と「きまぐれチクタック」の2曲を披露して、harmoeの原点ともいうべき「アリス」の世界に帰ってきたところで今回の旅はゴールとなる。ただ、途中のMCで小泉さんが言っていた「ツアーって3日じゃ足りないんだね。もっとやりたいなあ~」というのは心の底からの本心だろう。初めて経験する本格的なライブ、そしてツアーに、たしかな手応えを感じていたであろうharmoeの2人。「終わるのは寂しいですが、これからも私たちは音楽と、物語と、そして皆さんと一緒にずっと歩き続けていきたいので、これからも私たちharmoeのことをよろしくお願いします!」という岩田さんの言葉にもあるように、harmoeの旅はまだまだ始まったばかり。2人が旅する先にどんな未来が待っているのか、これからもずっと見守っていきたい。

■harmoe 1st LIVE TOUR「This is harmoe world」セットリスト
M1.キュリオシティ・パレット
M2.きまぐれチクタック(Remix)
M3.わたしのヒミツは
M4.passport
M5.Jasmine
M6.アラビアン・ユートピアン
SKIT 〜SKY〜
M7.make a pearl
M8.雪のかけら
M9.空想エスケープ
M10. ふたりピノキオ
M11.HAPPY CANDY MARCH
SKIT 〜EARTH〜
M12.一寸先は光
M13.harmony to the West
M14.ククタナ
M15.マイペースにマーメイド
M16.セピアの虹

ENCORE1.Wonder girl
ENCORE2.きまぐれチクタック

※配信アーカイブチケット販売中(購入期限:2022年8月29日(月)20:00まで)
https://ponycanyon.zaiko.io/e/0821harmoe