神山健治、片渕須直、瀬下寛之が劇場アニメの未来を語る。文化庁主催の「第13回文化庁映画週間」でトークショー開催

文化庁が主催する「第13回文化庁映画週間」内で開催されましたシンポジウムにて、『ひるね姫~知らないワタシの物語~』の神山健治監督と、『この世界の片隅に』の片渕須直監督、『BLAME!』の瀬下寛之監督により、“劇場アニメ最前線~君は映画を信じるか”をテーマにしたトークイベントが開催された。

1.jpg

本イベントのモデレーターとして登場した、角川グループホールディングス(現 株式会社KADOKAWA)代表取締役専務・井上伸一郎氏に迎え入れられた3人の監督は、まず映画との出会いについてを語った。実家が映画館で、2歳の時に見た映画がきっかけだったと片淵監督が話すと、小学生の時に一人で何度も映画館に通い、映画を作りたいと思ったのは中学生の時からと語る神山監督。そして、瀬下監督は名画座での映画体験がきっかけになったと語った。

これから公開となる『この世界の片隅に』、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』、『ひるね姫』、『BLAME!』の予告編のあとにそれぞれの監督が作品の制作について語った。日常の再現に腐心することは共通していても手描きと3DCGではその手法は全く異なり、神山監督は「同じトンネル掘りでも、逆から掘っていくような違い」と表現した。

神山健治監督コメント

「これまで(『009 RE:CYBORG』『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』など)頼まれもしないのに何度も救ってきました(笑)。『009 RE:CYBORG』制作中に3.11が起き、こういった世界観を作ることに不安を覚えるようになりました。その後もいろんな企画を検討してきましたが、やはり僕に期待されるのは世界を救う話。そんな時、「自分の娘に向けて作品を作ってみては?」という提案で、極めて個人的な思いで作品を作るのもいいかと考え、『ひるね姫』の企画に至りました。本作は僕にとって今までにない挑戦です。最近、アニメを見るお客さんのニーズが変わってきていることを感じており、日常に近いものをアニメで見たいという欲求が生まれていると思います。そのニーズにあうものを模索しながら作品を作っています。」

『ひるね姫~知らないワタシの物語~』公式サイト