手塚治虫氏の未完の作品「森の伝説」の「第二楽章」完成記念。秘蔵のアニメーション全10作品がブリリアショートショートシアターにて上映

横浜みなとみらいのブリリア ショートショート シアターでは、手塚治虫氏の未完の作品「森の伝説」の「第二楽章」完成記念として9月5日から9月14日の期間、同氏によるアートアニメーションを特集上映する。

「森の伝説」は、生前の手塚治虫氏がチャイコフスキー交響曲第四番の調べにのせ、全四楽章それぞれに4つのエピソードを完成させるべく構想をあたためていたもので、手塚治虫氏の死により未完のまま封印されていましたが、息子であり、自身も映像作家であるヴィジュアリストの手塚眞氏が遺志を継ぎ、新たに「第二楽章」が誕生した経緯を持つ作品。

今回の特集では、 「森の伝説」 第一楽章・第四楽章と新たに完成した第二楽章に加え、1962年から手塚治虫氏が亡くなるまでの間に製作された秘蔵のアニメーション全10作品が上映されるほか、手塚眞監督によるトークイベントも企画中だという。

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※以下、メーカー発表の情報をもとに記事を掲載しております。

手塚治虫 知られざる、もうひとつの顔

手塚治虫の代名詞とも言われる「鉄腕アトム」。1963年の初のTVシリーズ制作以前より、手塚治虫はプライベートアニメーションを制作、1989年に亡くなるまで殺人的な忙しさの中制作を続け、アニメーションの表現の可能性を生涯追求し続けていた。子供向けの漫画とTVアニメの印象が強い手塚治虫の、知られざるもうひとつの顔―

いつかは完成させなければ―欠けた楽章を引き継ぐ。

チャイコフスキー交響曲第四番の調べにのせ、全四楽章それぞれに4つのエピソードを完成させるべく、手塚治虫が十数年に渡って構想をあたためていたが、最終的に完成したのは第1楽章の部分と第4楽章の2つだけだった。手塚治虫の死により未完のまま封印された本作だが、その創作メモは全楽章分残されていた。息子であり、自身も映像作家であるヴィジュアリストの手塚眞が父・手塚治虫の遺志を継ぎ、新たに「第二楽章」が誕生、27年の歳月を経てその封印が解かれた。完成まで残る最後のピース、第三楽章の完成が待たれる。

自然と生命の賛歌、物語に織り込まれたアニメーション表現史。これが手塚アニメの集大成―

手塚治虫が生涯敬愛したウォルト・ディズニーへ捧げたオマージュであり、創成期のアニメ、エミール・コールからディズニーを経てテレビアニメまでの発達史、また、フルアニメーションとリミテッドアニメーションの対立を物語の中に織り込み、次々と表現手法を変化させながらも、音楽と映像を見事に調和させた。まさに、手塚アニメの集大成である。

※「森の伝説」 の「第一楽章・第四楽章」、「第二楽章」はプログラムA、その他の作品(以下)はプログラムBにて上映されます。

おす/Male 1962年/2分53秒

「吾輩は猫である」のように猫の目を通じて語られる物語。こちらの猫が見つめるのは、愛する女を殺して警察の到着を待っている男…。人間の男と女は猫の世界とは全く違うようだ。

しずく/Drop 1965年/4分17秒

漂流中の男がいかだのマストに見つけた三滴のしずく。なんとか口に入れたい男だが、うまくいかない。「トムとジェリー」の追いかけっこのようなシンプル・ギャグアニメ。

創世記/Genesis 1968年/3分42秒

1966年に日本公開されたジョン・ヒューストン監督の映画『天地創造』をパロディ化、紙芝居風の超リミテッド作品。

ジャンピング/JUMPING 1984年/6分20秒

1984年第6回ザグレブ国際アニメーション映画祭グランプリ・ユネスコ賞
1985年バリャドリド国際映画祭銀穂賞
スキップするうちに弾みがつき、町、森、海を越えて、ついには戦争中の国へ…。全編ワンカット、動画枚数4000枚という驚きに世界が目を丸くし、数々の賞に輝いた一人称アニメーション。

おんぼろフィルム/Broken Down Film 1985年/5分37秒

1985年第1回広島国際アニメーション映画祭グランプリ
1985年バルナ国際アニメーション映画祭カテゴリー部門最優秀賞
サイレント喜劇時代の連続活劇から定番化された、線路にロープで縛られた美女の救出劇。古典だけあってフィルムはボロボロ…。わざとキズを処理し古さを強調した、サイレント漫画映画のパロディにしてオマージュ。

プッシュ/Push 1987年/4分18秒

ボタンひとつおすだけでどんなものでも手に入れることが出来る世界。男は神様にとてつもない願いを叶えるようつめよった!文明社会を痛烈に皮肉った作品。

自画像/Self Portrait 1988年/13秒

世界5ヶ国19人のアニメ作家が映画祭で上映するために、自画像をモチーフにして競作したオムニバス作品の手塚パート。

めもりい/Memory 1964年/5分13秒

写真を合成し、デフォルメを強調した絵を使って思い出の不確かさ表現。
手塚治虫らしい戦争批判が盛り込まれた、風刺とユーモアに溢れた作品。

人魚/Mermaid 1964年/8分18秒

空想が禁じられた国に住む少年が美しい人魚に恋をするが、良からぬ空想の産物だとされ、強制的に空想する力を奪い取られてゆく。

村正/Muramsa 1987年/8分44秒

妖刃「村正」を手にした武士が辿る数奇な運命…。
核の均衡による平和に対してアンチテーゼが込められた作品。

上映プログラム

Aプログラム(合計41分)
「森の伝説 第一楽章/第四楽章)」/「森の伝説 第二楽章」

Bプログラム(合計50分)
「おす」/「しずく」/「創世記」/「ジャンピング」/「おんぼろフィルム」/「プッシュ」/「自画像」/「めもりい」/「人魚」/「村正」

上映期間

2014年9月5日(金)~9月14日(日)

場所

ブリリア ショートショート シアター
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目3番1 Filmee 2F (TEL:045-633-2151) 休館日火曜日
イベント実施により、上映時間が変更になる場合が御座いますので事前にHPでご確認頂くか、シアターへお問合せください

チケット料金

前売1プログラム券¥1,000 / 当日1プログラム券¥1,200 / 半券割引 1プログラム¥800
※9月5日(金)のトークイベントは料金が異なります。
前売り1プログラム券¥1,200 / 当日1プログラム券¥1,400 / 半券割引 1プログラム¥1,000

年間パスポート料金

(上映のみ)¥500 / (イベント時)¥700

購入方法

シアター窓口、シアターWEB、QRコードより販売 ※WEB、QRコードからの購入は、上映の2時間前まで

(C)手塚プロダクション