4月28日に日本国内での上映がスタートした『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の公開記念舞台挨拶が、5月9日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。
本作はわずか10日間の上映で65億3873万0020円の興行収入を記録。公開10日目での60億円突破は、今年公開作品の中で最速となる。
この成績は、興行収入137億円を記録している2022年の大ヒット作品『トップガン マーヴェリック』の公開10日間の数字(28億9034万0940円)の倍のペースで、また同作品が60億円に達した31日間の3倍のスピードでの到達と、勢いに載っている作品だ。
今回の舞台挨拶には、“スーパー日本語吹替版”に出演した宮野真守(マリオ役)、畠中祐(ルイージ役)、志田有彩(ピーチ姫役)、三宅健太(クッパ役)、関智一(キノピオ役)、武田幸史(ドンキーコング役)が登壇。それぞれのキャラクターに対する思いを語った。
主人公のマリオを演じた宮野は本作の大ヒットに対して驚くとともに、ファンへの感謝の気持を伝える。また、宮野はMX4D版を体験したとのことで、アトラクションのような展開を楽しんだ様子。特に「マリオがちょっと失敗するたびに椅子から叩かれるんです」と、マリオになった気分を味わえたことを喜んでいた。
本作の脚本は日本語版が同時に制作されたことにも触れると、「日本の作家さんがスタッフに入っているのがすごい」と宮野。特にドンキーコングのセリフ「やらいでか!」がお気に入りとのことで、「これは翻訳ではなかなか表現できない」と、日本語版を制作したスタッフのワードセンスを絶賛していた。
ルイージ役の畠中は、全員で同時にアフレコできたことを振り返る。映画のアフレコで全員が揃うことは珍しく、「マリオの後ろ姿を見ながら収録できたのは感動しました」とコメント。また、ラストの熱い展開にもコメントしようとするが、ネタバレになりそうだったのでここは自重。しかし、関が「最後、ルイージが死ぬんだよね?」と嘘のネタバレをして会場をざわつかせる一幕もあった。
続いてピーチ姫役の志田は、ゲームだとさらわれてしまうことの多い同キャラクターについて、「今までとは一味違った姿が楽しめます」とアピール。「お姫様らしいところもあれば、勇ましいところもあって、いろんな一面が見えます」と語った。ピーチ姫の活躍は宮野も印象的だったようで、「憧れるんじゃないかな、ピーチ姫に」と話した。
三宅は自身が演じたクッパについて「誰もが知るラスボスだけど、力一辺倒でやるわけにもいかず苦労しました」とアフレコ時の苦労を垣間見せる。そんなときスタッフに言われたのが、「とにかく、ピーチだけを見ていてくれ」という一言。このディレクションを受けて三宅自身も、常にピーチ姫を頭の片隅に、そして目の中心に据えて演技に臨んだという。結果的に「ピーチ姫への愛が強すぎて、ちょっとおちゃめになったところもありました」と笑顔を見せた。
キノピオ役の関は収録時に「スタッフのみなさんが本当にマリオを愛していることに驚きました」「僕たちの好きなキノピオを関さんに分かってほしい、という熱意が伝わりました」と、スタッフ陣の思いをファンに伝える。関さんによると、スタッフはキノピオの年齢を17、8歳とイメージしていたという。「想像していたよりも青年だったので、かわいくなりすぎないように注意しました」と演技についてトークした。
そして武田さんはドンキーコングについて、「とてもパワフルなキャラクターだけど、性格はどこか子供っぽい」と個性を分析。ただし、それをそのまま表現すると、怖いキャラになってしまうので、どこかしら愛されるキャラクターを目指したという。
舞台挨拶の終盤では、本作のアンバサダーを務める西野七瀬も登場。西野は加熱する人気に驚きを隠せない様子で、「『ゲームをやっていたから分かる』感覚を皆さんと共有できたことが嬉しいです」と笑顔を見せた。
また、マリオがキノコを食べてパワーアップすることにちなんで、「普段は何でパワーアップする?」という質問が飛ぶと、西野は「マリオのサントラ」と回答。ゲームのBGMを口ずさむのが習慣になっているそう。
同じ質問が宮野にも振られると、「Switchで過去のマリオをプレイすると、童心に帰れるんです」と、ゲームが力の源であると話す。しかし、Switchで配信されているスーパーファミコン版の『マリオカート』を久しぶりにプレイしたら、CPU相手に最下位になってしまったエピソードも明かした。
そんな宮野だが、「いろいろなところで、いろいろな時代のマリオを楽しめる。映画を見たあとだと何倍も楽しめるのがマリオの魅力だと思います」と、映画とゲームの両方をしっかりとアピールして舞台挨拶は幕を閉じた。