太宰治「人間失格」をリメイクした劇場アニメ『HUMAN LOST 人間失格』2019年に公開。主人公・大庭葉藏役は宮野真守

5.jpg

3月22日(金)アメリカ・シカゴで開催された全米有数の規模を誇るポップカルチャーイベント「CHICAGO COMIC & ENTERTAINMENT EXPO(C2E2)」ステージイベントにて、木﨑文智監督、アニメーション制作を手掛けるポリゴン・ピクチュアズの代表取締役である塩田周三氏、本企画のプロデューサーを務めるスロウカーブの代表取締役である尾畑聡明氏が登壇し、劇場アニメーション『HUMAN LOST 人間失格』を発表した。
『HUMAN LOST 人間失格』は、日本文学の傑作である太宰治の「人間失格」をダイナミックにリメイクした作品。
破滅に至った一人の男の生涯を描き、その深い死生観・文学性が今なお強烈な衝撃を与え続ける不朽の名作が、世界に誇る日本最高峰のクリエイター陣によって再構築される。

スーパーバイザーには「踊る大捜査線」「PSYCHO-PASS サイコパス」で社会現象を巻き起こした本広克行氏。
監督には「アフロサムライ」「バジリスク ~甲賀忍法帖~」『BAYONETTA BLOODYFATE』など唯一無二のセンスで国内外から高く評価される木﨑文智氏。脚本には「マルドゥック・スクランブル」で日本SF大賞、「天地明察」で吉川英治文学新人賞ほか数々の賞を受賞した小説家・冲方丁氏が担当。

キャラクターデザインには「PokemonGO」や「ファイアーエムブレム」など数々の名作ゲームやアニメーションの登場人物を生み出したコザキユースケ氏。コンセプトアートは「ファイナルファンタジーXI」や「メタルギア ライジング リベンジェンス」など国内外を問わず大規模プロジェクトに参加する富安健一郎氏が手掛け、世界観を彩る。

そしてアニメーション制作は「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」や「トランスフォーマー プライム」など海外でも多数の賞を受賞し、アニメーション映画『GODZILLA』三部作、『BLAME!』と映像革命を起こし続けるポリゴン・ピクチュアズが担当する。

また、主人公・大庭葉藏(おおばようぞう)役には声優・アーティスト・俳優など幅広く活躍する宮野真守さんが抜擢された。

1.jpg
2.jpg
3.jpg
4.jpg

 

メインキャスト&スタッフよりコメント

大庭葉藏:宮野真守

6.jpg

誰もが知る、太宰治の傑作「人間失格」を原案とした、日本発のダークヒーローが誕生しました!本作は、最新の映像技術を駆使した痛快なアクションの中に、日本人だからこその精神性、わびさびのある世界観が展開される、まさに日本人にしか作れないエンターテイメント作品です。
世の中に翻弄され、「生」と「死」のなんたるかを突きつけられ、苦しみながら、それでも進んでいく葉藏の姿から、皆様にも是非、「生きる」とはどういう事か、感じていただきたいです。
公開をお楽しみに!

スーパーバイザー:本広克行

この著名な文学作品を近未来SFへ置き換えるにあたり、世界観に「現代」を反映させるための設定を幾つか提案しました。その後、脚本の冲方さんと木崎監督が作品にドライブをかけ、現場を支えて下さったスタッフの皆さんと共に長い長い道のりを踏破して遂にここまで辿り着いた事へ、心から敬意を表します。まさに今、われわれが直面している問題の数々が織り込まれた、見応えのある作品になっているので、ご期待ください。

監督:木﨑文智

近代古典文学『人間失格』を”SFエンタテイメント作品”として再構築する。
「そんな事が可能なのだろうか」と、先の見えない深い靄の中をもがきながらの作業でもありました。
多くのスタッフの尽力で制作した本作『HUMAN LOST 人間失格』も、原典と同じく多くの方々の心に刺さってくれる事を切に願っております。

ストーリー原案・脚本:冲方丁

日本の古典文学をSFアクションとして再継承する試みはしばしばみられますが、
本企画は中でも一段突きつけたものとなった、という予感を抱いています。
実際どうであるかは視聴者や後世の批評家に判断を委ねるばかりですが、文芸サイドの担当者としては、
多くの日本人が心の底で無意識に継承する社会的ビジョンを鋭く切り抜いた作品になったと感じています。
「人間を失格する」という今なお刺激的な言葉の向こう側で我々が見出したもう一つの日本の未来を、どうか御覧下さい。

キャラクターデザイン:コザキユースケ

アニメーション映画『GODZILLA』三部作に引き続き、ポリゴン・ピクチュアズさんでの作品に参加させて頂き、
大変嬉しく思います。今作、素晴らしい実績のスタッフの皆様と共に、観た事が無いような種類の迫力や不穏さを
お届け出来るかと思います。是非、お楽しみにしてください。

コンセプトアート:富安健一郎

この作品の世界観表現(コンセプトアート)は、過去の中に未来を探すような冒険の旅でした。
見たことのない完璧な世界を探して、不完全な世界観に限界まで攻めこみました。
現代をサヴァイブする人に、この欠落(ロスト)した世界にジャックインして欲しいです。

『HUMAN LOST 人間失格』

2019年 全世界公開
配給:東宝映像事業部

■STORY
「恥の多い生涯を送って来ました。」
医療革命により、“死”を克服した昭和111年の東京――
人々は体内の“ナノマシン”とそれらを“ネットワーク”により管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、病にかからず、傷の手当を必要とせず、120歳の寿命を保証する、無病長寿を約束された。
しかし、その究極的な社会システムは、国家に様々な歪を産み出す。埋まることのない経済格差、死ねないことによる退廃的倫理観、重度の環境汚染、そして、S.H.E.L.L.ネットワークから外れ異形化する“ヒューマンロスト現象”……。
日本は、文明の再生と崩壊の二つの可能性の間で大きく揺れ動いていた。

大気汚染の広がる環状16号線外(アウトサイド)――イチロク。
薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる“大庭葉藏”は、ある日、暴走集団とともに行動する謎の男“堀木正雄”とともに特権階級の住まう環状7号線内(インサイド)への突貫に参加し、激しい闘争に巻き込まれる。
そこでヒューマンロストした異形体――“ロスト体”に遭遇した葉藏は、対ロスト体機関“ヒラメ”に属する不思議な力をもった少女“柊美子”に命を救われ、自分もまた人とは違う力を持つことを知る――
 
堕落と死。生と希望。男は運命に翻弄され、胸を引き裂き、叫ぶ。
怒り。悲しみ。憐れみ――絶望に呑みこまれ、血の涙とともに大庭葉藏は“鬼”と化す。

貴方は、人間合格か、人間失格か――

<STAFF>
原案:太宰治「人間失格」より
スーパーバイザー:本広克行
監督:木﨑文智
ストーリー原案・脚本:冲方丁
キャラクターデザイン:コザキユースケ
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:MAGNET/スロウカーブ
配給:東宝映像事業部

<CAST>
大庭葉藏:宮野真守 

公式サイト

(C)2019 HUMAN LOST Project