『さよならの朝に約束の花をかざろう』完成披露試写会。舞台挨拶では岡田麿里が石見舞菜香を起用した理由を語る

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岡田麿里氏の初監督作品『さよならの朝に約束の花をかざろう』の完成披露試写を2月13日新宿バルト9で開催された。
全国を縦断し行ってきた試写会も本日の新宿バルト9での試写会を持ってフィナーレを迎え、それに伴い、マキア役の石見舞菜香さん、本作の監督、岡田麿里氏、P.A WORKS の堀川プロデューサーの舞台挨拶が行われた。

まずは今作の企画のスタートについて聞かれると、岡田監督は「堀川さんのほうから『岡田さんの 100 パーセントを出した作品を観てみたい』と言っていただいて、100 パーセントってなんだろうと考えた時に、100 パーセント自分の観たいものなら近づけられるかも、と散々考えた結果、監督をやらせてください!とお願いしてしまいまいした。(笑)」と振り返った。

監督への起用について、堀川プロデューサーは「オリジナル作品を作るときは監督を中心に、いろいろな人がアイディアを出し合って一本の作品を作っていくので、だれか一人の作家性を深く掘り下げることはなかなか難しいんですが、個人的に、岡田さんは掘り下げたところに沸々と面白いものを持っていそうな気がしていたんです。最初は、岡田さん小説原作のものをつくりたい、と思っていたんです。でも、飲み屋で、緊張した姿でその覚悟を伝えられて、ぐっと来ましたね。そんな姿を見たことがなかったので、よっぽど覚悟を決めているんだな、と思いました。」と、裏話を語った。

今回は今までの岡田作品とは一味違った、完全オリジナルのファンタジー作品になっている。その理由について岡田氏は、「自分が昔観ていてワクワクした劇場アニメは、ファンタジーが多かったのと、今回は、監督がやらせていただけるということで、いままでと違った表現をしたかったんです。監督として自分のイメージを直接スタッフに伝えることで、表情や、風景の光や空の色などの繊細な映像表現でキャラクターの感情を表現できる、その分セリフはシンプルにしてもいいんじゃないかと思ったんです。ファンタジーの世界に普段の世界の地続きの感情をのせたら、少し新しいものが作れるのかもしれないと思いました。」と監督だからこそ実現できた、設定へのこだわりを語った。キャラクターの設定の着想については、「『凪のあすから』だったり、時間の経過の進み方がちがうことで起こる物語が、すごく好きだったので、オリジナル作品でこのテーマをさらに掘ってみたかった。」とコメント。

そんな中で生まれた、永い命を持つ少女・マキアを演じた石見さん。この役はオーディションで勝ち取ったということで、「いつもはキャラクターの絵や設定を頂いてオーディションに挑むことが多いのですが、この作品のオーディションは独特だったんです。キャラクターの絵がわからない状態で、設定とセリフがあって、それをみて自分が感じたまま演じてください、と言われたんです。当時はまだあまりオーディションにも慣れていなかったのですが、一生懸命向き合おう!と思って受けました。」。
そんな石見さんをオーディションで起用した理由について、岡田氏は「その時の資料に『見つけた』って書いたんです。」とまさに奇跡のような出会いだったようで、それに対し石見さんも「泣きそうです。(笑)オーディションを受けさせていただいた日のメモに『このままじゃだめだ』というような反省点がたくさん書いてあって。だから、マネージャーから決まったと教えてもらったときには本当にびっくりしました。」と感無量の様子。

演じる上で受けたディレクションについて、石見さんは「最初はイメージのマキアちゃんよりも大げさに声を作ってしまっていたんですが、監督に「舞菜香ちゃんのままの声がマキアなんだよ。」と言われ、背伸びせず、そのままで演じるようにしました。」と自然体での演技を求められていたことについて語った。出来上がった作品については、「どんな言葉も当てはまらない気がしました。映像と声を音楽と、すべて合わさると、マキアは私だけ演じたんではなく、本当にスタッフの皆さんの全部がつまってるんだな、とすごく感じました。」とコメント。岡田監督は「作品って生き物なんだな、と思って。追い上げ期間のスタッフの熱量がすごくて、最後の1、2か月でものすごく変わったんです。私はいつもは脚本という役割なので、一番最初に入って一番最初に抜けてしまうんですけど、監督になって、最後の瞬間までみんなと一緒に立ち会えたというのが本当にうれしかったです。」と初監督で味わった感動について語った。

最後に、堀川氏は「スタッフの、作品づくりにかけてきた 3 年間が報われるような作品をつくってほしい、と思っていたんですけれど、出来上がったものをみてスタッフが喜んでいる顔をみて、僕も監督に感謝しました。スタッフを満足させる作品をつくってくれてありがとう、という気持ちになりました。」と監督への感謝のコメントで締めくくった。

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