アニメ制作者の平均年収は440万、1ヶ月あたりの平均休日は5.4日 「アニメーション制作者実態調査報告書2019」で明らかに

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一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)は、「アニメーション制作者実態調査報告書2019」を公開した。

この実態調査にはシナリオや絵コンテ、監督、原画などアニメに携わるスタッフが合計382名が参加。年齢層は25~29歳がもっとも多く22.3%、次いで50歳以上が20%。平均は39.26歳となっている。また職種に関しては原画がもっとも多く52.9%、LOラフ原が46.1%、第二原画が33.5%と続く。

就業形態を見ると、フリーランスが半数以上を締め、自営業も19.1%、正社員はそれに続く14.7%という結果に。契約形態は作品ごとの契約や、カット単位が大部分を占める。

1日あたりの作業時間は8時間以上10時間以下が多く、8時間以下、10時間以上12時間以下と続く。平均値は9.66時間という結果に。1ヶ月あたりに換算すると、平均は230時間になるという。

一方1ヶ月あたりの平均休日は4日が23.9%、3日以下も16.9%にのぼる。8日以上も22.8%という数字になっているが、平均は5.4日にとどまった。そして平均収入は600万以上が19.4%を記録する一方で、100万円以下は8.3%存在。300万円以下に広げてみると41.1%、平均値は約440万という結果に。

報告書には仕事上の問題として、「体調を崩したり、うつ病になる人が多い。フリーランスなので働けなくなると社会保証もなく、収入も止まるため、虫をして働かざるを得ない」「原画や動画は作業量が千倍違っても単価がほぼ同じ(1枚、1秒、1カット)。自分は時給にすると400円くらい」「古くブランド力のある会社ほど体質が古く単価は安くカットの作業内容が難しい。ベテランの力が強すぎて現代の視聴者の求めるものが作れない」「クオリティの高さを要求するのに報酬が低い」と、苦しい声が見え隠れしている。

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