映画『聲の形』大ヒット御礼舞台挨拶に入野自由、早見沙織、悠木碧らメインキャスト&山田尚子監督が揃って登壇。公開3週目を迎えた想いを語る

現在新宿ピカデリーほかにて公開中の映画『聲の形』について、大ヒット御礼舞台挨拶が開催。MCの呼びかけにより、主人公石田将也を演じた入野自由さん、ヒロイン西宮硝子役の早見沙織さんをはじめメインキャストを務めた悠木碧さん、小野賢章さん、石川由依、潘めぐみさん、山田尚子監督が登壇。大ヒットを受け、それぞれが公開3週目を迎えた想いを伝えた。

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―公開3週目を迎えて

入野:沢山の方から連絡をもらいました。大ヒットの数字とかではなく、いろんな人に届いていることを実感できて、こうして舞台に立ててとてもうれしいです。

早見:公開して3週目にも関わらずこんなに沢山の方にお越しいただいて。言葉がなくても伝わったような気持ちでうれしいです、ありがとうございます。

山田監督:久しぶりの友達から連絡をもらったり、遠くまでこの作品が届いていることを実感しています。京都アニメーションにも温かいメッセージが沢山きていて、感無量です。

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―印象的なシーンは?

悠木:家族で観に行きましたが、開始 10 分で涙が止まらなくなり、終わって劇場を出る頃には頭痛がする位泣きました。その中でも(小学生時代の)硝子が砂をかけられるシーンがいちばん泣きました。伝えたいのに伝わらないもどかしさがありました。子供の頃が人生でいちばんマウンティングが激しい時期だと思うんですが、皆が子供の頃に感じていたものが少しずつ描かれていると思います。永束くんが出てきてくれた時はほっとして、永束くんありがとう、と思いました(笑)。親は親目線で観たらしく、観る世代でこんなにも見方が違うんだということも思いました。観終わった後、誰かとディスカッションしたくなる、そんな作品です。

小野:やーしょー(将也)と話しているシーンは全部好きなんです。こうやって友達関係って作っていくんだなというのがすごく伝わって。だから僕は最後のトイレでの将也とのシーンがいちばん印象的です。真っ直ぐで、(嫌われるのをおそれずに)恥ずかしがらないで突っ込んでいく永束君だからできたんだと思います。

石川:結弦とおばあちゃんのシーンがすきです。この2人についてはそこまで深く掘り下げて描かれてはいないのですが、西宮家の深いつながりを感じることができました。映画を観終わった後、しそジュースがいちばんに飲みたくなったくらいです!笑

潘:わたしは入野家のシーンで、将也が必死でバイトをして貯めたお金を勢いよく燃やしてしまうところはびっくりしました。わたしは母親ではないで
すが親心をすごく感じましたし、将也もお母さんをとても大切にしているのがとても伝わりました。マリアちゃんもすごくかわいかったです。

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―それぞれのお気に入りのシーンを受けて

山田監督:(西宮家について)髪の毛の色をすごく大事にしていて、硝子はピンク、おかあさんもピンク、おばあちゃんもうっすらピンクなんです。ゆづるは黒髪だけど、おかあさんと同じ目の色をしています。

(永束くんについて)永束くんはアニメーター達の愛もすごくて(作画の)取り合いでした。笑 (そこまで描かなくてもよかった)お腹の揺れ方、手のくぼみがすごくかわいいので、もしもう一度観る時はぜひそこにも注目してください。

(最後の硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話について)じつは植野の手話は間違っていて「ハ、カ」になっちゃっているんです。濁点は手をスライドさせるんですが、それを硝子が教えてあげるんですが結果、植野に「バカ」って言ってしまっているような感じなんです。(観客から驚きの声)手話も、指先まで神経を使って、本で覚えた将也や佐原と違って、結弦は日常の一部で使っているので小学生がヨーヨーをするみたいな、手慣れた感じでやっています。ぜひそこにも注目してみてください。

―最後の挨拶

入野:ひとりひとりに届いていることを強く感じます。「伝えたい」という思い、作品のパワーだと思います。丁寧にひとつひとつ積み重ねたシーンが沢山あるので、強めにアンテナを張ってみてもらえるとさらに楽しめるんじゃないかと思います。この作品がもっと広がって、(皆さんにとって)良い出会いに繋がればうれしいです。

早見:監督が心象風景についてお話されていたのを思い出したんですが、将也の心は沈んでいても周りの風景は雲ひとつない青空や、清みきったきれいな風景で描かれているシーンがあります。たとえ自分がどんよりしていても、じつは周りはそんなことないかもしれない、そんな気づきがありました。皆さんにも劇場を出た後、そんな風に景色が変わるような気持ちになっていただけたらいいなと思います。

山田監督:心をこめてつくりました。ご覧いただいた方にとって、明日につづく希望の光になってくれればと思います。

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公式サイト

(C)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会